「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」最終号その3

2017年11月19日 | 歌謡詩
 秋から冬へと季節は駆け足で過ぎていきます。我が家の山茶花もあまり手入れをしてやらないわりには花をつけはじめました。嬉しくない冬将軍なる訪問者もどかどかとやってきて寒気を振りまいています。もうすぐ年末、歳と共に冬が嫌いになっている自分が嫌になってしまうこの頃です。
 「歌謡新詩壇」の最終号を開く度に、同人の皆さんのことが思い出されます。お会いした方は数少ないのですが、元気に活躍されているのだろうなと我が身のだらしなさを反省するばかりです。
 今回は最終号その3として、山下さんの作品を紹介します。山下さんは、以前「特別同人」に昇格するのに自分ほど年数の掛かった者はいないだろうとご自分で言っておられました。理由は作品をあまり発表しなかったからと、自嘲気味に言っていたことを思い出します。そうだと思います実力はおありですし発表された作品は素晴らしいものでした。私も似たような処がありましたが、私の場合は実力も乏しいのに作品の発表もろくにしなかったので同列には語れません。最終号でその作品にお目にかかれて嬉しいかぎりです。

                          エジプトの夜

                                   作詞 山下 宇一(特別同人)

                            青い黄昏 ナイルの流れ
                            今日も水吸む エジプシャン
                            カスタネットか 太鼓の音か
                            壺を片手に ふり向けば
                            ベリーダスの 船が行く
                            ああ 夢の夜 エジプトの夜

                            サハラ砂漠の 南の風が
                            赤い夕月 連れて来る
                            旅に疲れた ラクダの鈴は
                            クレオパトラに 恋をした
                            スフィンクスの 囁きか
                            ああ 夢の夜 エジプトの夜

                            日干煉瓦の カイロの街を
                            包む夜空は 星の海
                            遙か千古の 謎秘めながら
                            モスクの祈りに 目を閉じて
                            静かに眠る ピラミット
                            ああ 夢の夜 エジプトの夜

 私はエジプトに旅をしたことはありませんが、なぜかエジプトの夜の風景が浮かんでくるようです。山下さんはこういうエキゾチックな詩がお得意です。素晴らしい作品だと思います。何処かのステージで活躍されているのでしょうか?

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「歌謡新詩壇」最終号その2

2017年10月02日 | 歌謡詩
 秋たけなわとなりました。「加茂の河原に 秋長けて…」(旅の夜風:西条八十)我が家は田舎ですので、夜ともなるとコオロギ始め秋の虫たちが大合唱です。秋の夜長を演出しています。私はといいますと、足が痛いものですから散歩はままならず、もっぱら家庭菜園での種蒔きやら害虫駆除やらに汗を流しています。一夏中日本列島の何処かに災害をもたらしていた異常気象も少し落ち着いてきたようですので、ほっとしていますが、未だ被災された方々は大変な思いをされていることを思うと胸が痛みます。
 さて、「歌謡新詩壇」は182号で最終号を迎えたのですが、今回は最終号その2としまして、主宰の三宅先生のお手伝いをされていた、寺本ひろみさんの作品を紹介します。

                         カサブランカ哀歌

                                        作詞 寺本 ひろみ(特別同人)

                         あなたの好きな カサブランカを
                         飾ればあなた 来るかしら
                         ひとりぼっちは せつないよ
                         ましてや雨の ふる夜は
                         理由(わけ)も言わずに 背中をむけて
                         どこへ消えたのよ
                         捨てられたのね ただ泣くばかり

                         男は蝶ちょ カサブランカの
                         香りをもとめ 舞うという
                         蝶にやさしく ささやかれ
                         許した花が 泣いている
                         あなたがいなけりゃ 生きられないわ
                         抱いてもう一度
                         まくらが固い ベッドが寒い

                         こんやも待つの カサブランカは
                         階段のぼる 靴音を
                         どうぞ教えて なおします
                         いけないとこが あるのなら
                         ノックなしでも 靴音したら
                         とんで迎えます
                         お帰りなさい そう声かけて

 寺本さんは日本作詩大賞で優秀新人賞を受賞されたことのある実力者です。男性ですが女心を歌った詩がお得意です。この詩もいいですねえ。脱帽です。長い間三宅先生のお手伝いありがとうございました。     
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「歌謡新詩壇」第182号(最終号)

2017年08月26日 | 歌謡詩
 お盆が終わり数日で8月も終わります。8月は私の誕生月ですが、今年は梅雨明けと同時に天候不順となり(西日本では猛暑が続いているとのことですが)それまでの猛暑は終わり、館林もほっとしていることでしょうが、逆に日照不足で農作物に悪影響が出そうです。私の家庭菜園ではもうすでに成長不足ではらはらしています。もうすでに米不足のニュースが流れています。葉物野菜の値上がりが続いています。やれやれです。

 「歌謡新詩壇」第182号は「最終号」として平成26年6月に発行されました。最終号の紹介は涙を禁じ得ないので,どうしようかと悩んでいます。まず、主宰三宅先生の「同人誌巡礼旅」という記事が巻頭に置かれ、先生の歩んできた、作詞人生と同人誌編集人生の回顧談が、私たちの胸に迫ります。「たなかゆきを」先生(春日八郎 長崎の女など)をはじめ作詞家の先生方の思い出話や慰労の言葉が続き、同人の作品が「会員」「同人」「特別同人」のクラス分けされることなく発表されています。なぜか私の作品が冒頭に掲載されています。名前の順ではないですし年齢の順でもないようですが、ともかく順不同とはいえ気分が悪いはずありません(作品が平凡なので他の皆さんに申し訳ないですが?)。
 それではその最終号からは、主宰の作品を紹介します。

                         米 寿 祝 い 酒

                 
                                           作詞 三宅 立美(主宰)

                          人生百歳まで 二百歳まで
                          やっと米寿に なっただけ
                          人に好かれて 愛されて
                          誰にも負けない 心意気
                          今日は 米寿の
                          今日は米寿の 祝い酒

                          情け深くて 陽気者
                          のろけ話も ひとくさり
                          孫に囲まれ 睦まじく
                          若者みたいに 生きている
                          今日は米寿の
                          今日は米寿の 祝い酒

                          汗の数ほど 働いて
                          皺の数だけ 苦労した
                          昭和 平成 これからを
                          希望の灯りを 見て暮らす
                          今日は米寿の
                          晴れて米寿の 祝い酒

三宅先生の米寿のお祝いは、数年前に、三宅先生の弟子を任じる人たちや昔からのお仲間の方々によって、開催されました。その米寿のお祝いを歌われたものですが、三宅先生のお人柄が表れている詩です。今は亡き石本美由起先生と始めた「歌謡新詩壇」の前身「新歌謡界」から同人誌の編集に携われ、60年以上も歌謡同人誌に関わってこられました。作詞家生活と共に後輩育成にあたられ、多くの有名作詞家を生み出されました。その功績は歌謡界に身を置くどなたもがお認めのことでしょう。
この詩は、ご自分のことだけでなく陰で支えられた奥様やご家族のこともさりげなく織り込み、ほほえましい内容になっています。
 
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「歌謡新詩壇」第181号

2017年07月13日 | 歌謡詩
 7月に入り梅雨明けも発表されてもいないのに、毎日暑い日が続いています。九州では福岡県、大分県を中心に豪雨が続いて大災害が起きてニュース画像も思わず目を背けたくなります。何十年に一度という豪雨だそうですが、毎年のように全国の何処かで起きているところを見ると、気象の世界は今までの常識は通用しないのではないかと考えざるを得ません。温暖化が原因だと言っても被災された方々はそんな一言で片付けられないものがあるでしょう。日本の何処で起きても不思議ではない災害ですから、日頃の備えをといわれても、これだけの大災害何を備えろと言うのでしょうか?虚しいものがあります。一日も早い復旧を願ってやみません。
 ところで「歌謡新詩壇」第181号は平成27年3月に発行されました。181号には「歌謡新詩壇」廃刊の社告が載っており、私たち同人にとって来るべき日が来たという感慨に浸らざるを得ませんでした。第182号で私たちの同人誌「歌謡新詩壇」が終了する。主宰の三宅先生のお歳を思えば予期していたことですが1号でも長く、1年でも長くと願っていましたので、呆然とせざるを得ませんでした。三宅先生にはどんなに言葉を尽くしても感謝しきれません。今はありがとうございましたと言うのみです。
 さて、181号からは北脇さんの作品を紹介します。

                       はるかな人へ

                                      作詞 北脇早智子(特別同人)

                      この胸はお前のものと 抱き寄せて
                      幸せくれた 人でした
                      二人遊んだ 湖の
                      ほとりに咲いた 白い花
                      わたしの恋の 花でした

                      どこまでもついて行きたい ひとすじに
                      つくしたかった 人でした
                      今も慕情(こころ)は 変わらずに
                      もいちどあえる 日が来ると
                      はかない夢を 見ています

                      かりそめに放したその手 それきりに
                      あえなくなった 人でした
                      離れ住んでも 遠くから
                      見ていてほしい ほほ笑んで
                      あなたと生きる わたしです

 北脇さんは爽やかな慕情を詩うのがお得意です。それもあまり難しい表現や言葉を使いません。歌謡曲は大衆音楽ですので、耳で聞いて解るのが一番です。難しい言葉や表現は字面はよいのですが、歌謡曲にはあまりあわないのかも知れません。優しい言葉や表現で聞く人を虜にする、作詞はこういうことではないでしょうか?私の好きは同人のお一人です。
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「歌謡新詩壇」第180号

2017年06月13日 | 歌謡詩
 過日私の若い頃からの先輩(兄のように思っていました)がお亡くなりになりました。私より5歳年上でしたが、私たちにしてみたら、年齢的にもまだまだという感じでしたので、連絡をもらったときには、一瞬信じられない気がして嘘であって欲しいと思いつつ急ぎ弔問に伺い、関係者への連絡など昔からの仲間と手分けをしたのですが、半分気が動転しているような状態ですので手落ちがあり、後日連絡漏れなどで恐縮しきりでした。それにしても、前日透析を受けて(先輩は10年位透析を受けていましたが)自宅に帰り休んでいて体調が急変し、帰らぬ人になったとのことでした。奥様も信じられないおもいで、眠れぬ夜を過ごしたようでした。人の命の儚さを知らされ、我が身に置き換えて考えさせられた痛恨の出来事でした。
 それはそれとして、「歌謡新詩壇」の紹介です。「歌謡新詩壇」第180号は平成27年1月に発行されました。181号からは坂崎さんの作品を紹介します。

                          恋 が た り

                                        作詞 坂崎 広典(特別同人)

                          お店の灯り 消した後
                          ほっとため息 酒まじり
                          ヒュルリヒュルヒュル 冬の夜は
                          冷えたこの躯を 温めてくれる
                          優しい男が 欲しいわね………
                          ふっとこぼした 恋がたり

                          ちらちら小雪 払う手に
                          つのる思いか 雪のあと
                          ヒュルリヒュルヒュル 風の音
                          まるで虚しい 舞台のように
                          切なく演じる 街路灯………
                          楚々と足音 恋がたり

                          どこから吹くか 寒い風
                          古い傷あと 疼きます
                          ヒュルリヒュルヒュル 想い出が
                          なぜかあたしの 背中をたたき
                          話の続きを せがむ夜………
                          今は昔の 恋がたり

 坂崎さんも実力者のお一人です。想い出が背中を叩いて話の続きをせがむんですね?この表現好きですが、私には2節が理解できず悩んでいます?細かいことは抜きにして、女心が沁みてくるような良い作品です。

 

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