12月が近づき、北米ではいよいよ映画のゴールドラッシュが始まっている。各配給会社が賞レースに当てて自信作を次々とリリースしている。
次のアカデミー賞の主要部門でノミネート確実とされる映画が先週よりまた1つ公開された。
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」というドラマ映画。
日本公開はまだ決まってないようなので、もしかすると邦題は変わるかもしれない。
家族を持たず一匹狼で生きてきた便利屋の男が、兄の死をきっかけにその子供(甥っ子)を引き取るという話らしい。
サンダンス映画祭での前評判に違わぬ絶賛レビューを集めており、ロッテントマトでは現時点(11/27)で96%のフレッシュを獲得。一般オーディエンスでも96%というハイスコア。感涙必死の傑作ドラマといったレビューが乱れ飛んでいる。
監督は日本のウィキペディアにも乗っていない、ケネス・ロナーガン。小作ながら、「マーガレット」など佳作を生み出し続けている映画監督だ。主人公演じるのはケイシー・アフレック。「ベン・アフレックの弟」という枕詞は今や昔。演技派の地位を確立している彼が本作にてキャリアベストのパフォーマンスを見せているとのこと。主演男優賞にて「ジェシー・ジェームズの暗殺」以来のオスカー候補になると予想。そして、彼の恋人役を演じるミシェル・ウィリアムズも見逃せないらしい。
他に注目ポイントとしては2つ。
1つは俳優である、マッド・デイモンがプロデューサーに名を連ねていること。映画賞で作品賞に選ばれれば彼がスピーチする可能性あり。そしてもう1つは、Amazonが配給しているという点。Netflixに代表されるように、映像ストリーミング会社のコンテンツ力は年々上がっており、近年ではTVドラマだけでなく、劇場映画でも、その品質面で既存の製作会社を脅かす存在になっている。昨年、Netflixの「ビーストオブノーネーション」がオスカーに嫌われたのは残念だったが、本作の製作にはAmazonは関わってないみたいなので問題はないかと。
ケイシー・アフレックファンとしては、日本公開が待ち遠しい1本だ。