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アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー 【感想】

2016-11-24 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
ファッション業界で脚光を浴びるアイリス・アプフェルに密着したドキュメンタリー。彼女の肩書は「服飾品コレクター」。元々は繊維会社を夫と一緒に経営していて、世界各地を巡り、様々な服飾品や生地を半ビジネス・半趣味で収集していた。彼女の場合、ただ、コレクションするだけでなく、自身のファッションとして着こなすことが最終目的である。あらゆる先入観にとらわれず、性別、人種、文化を壁を超えて直感的に好きになったものを手にしていく。40年代、初めてアメリカで女性としてジーンズを着用したエピソードからも、彼女の柔軟性とファッションへの情熱が窺い知れる。ファッションに強いこだわりがあるものの、他人のファッションセンスを批判することはなく、「その人が自分の好きなものを着て、幸せな気分になれることが大事」と、ファッションの本質を突いたようなコメントに納得する。なので、ブランドにこだわることもなく、フリーマーケットで中古品を物色するのも厭わない。
そのファッションセンスは、カラフルかつ大胆。一見、90過ぎのお婆ちゃんが着るようなものには見えないが、それは自身の固定概念であることに気付かされる。ファッションに疎い自分でも、彼女の着こなしは普通にカッコいいと思えるからだ。彼女の日常は、取材や企画の準備で大忙しなのだが、その生活を楽しいんでいる模様。90を過ぎでもなお、腰が曲がらず姿勢よくいられるのは、心身ともに充実した生活の送っているからと感じる。楽しいことをしている人は健康でいられるのだ。彼女の生き様に勇気をもらえる一方で、ドキュメンタリーとしての作りは、彼女の生活密着とインタビューに終始するというものであり、少し物足りなさが残った。
【60点】

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