広州=小山謙太郎】1989年の天安門事件で学生リーダーの一人だったウアルカイシ氏(45)が25日、亡命先の台湾から香港空港に入り、中国政府に出頭したいと要望したが、香港の入管当局は同氏を台湾に強制送還した. 香港の民主派団体が明らかにした. 入管当局は「個別の事例について説明はしない」としている. ウアルカイシ氏はホームページに声明を発表. 出頭を望む理由として「亡命から24年が過ぎた. 生きているうちに年老いた父母と会いたい」と記し、「中国の法律と私の意思に沿って、私を中国政府に引き渡すよう願う」と香港政府に訴えた. 両親は中国政府から出国を認められていないという. 同氏は中国政府に指名手配され、香港を経由してフランスに亡命. 96年に台湾籍を取得した. 2009年にも出頭を目的にマカオに入ろうとして拒否された. 10年には「帰国と対話を求めて」東京の中国大使館に入ろうとして建造物侵入容疑で警視庁に逮捕(後に不起訴処分)された.