そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

伊藤博文を絶命させた理想主義

2010-04-18 23:44:02 | Entertainment
NHKのプロジェクトJAPAN、シリーズ「日本と朝鮮半島」第1回「韓国併合への道 伊藤博文とアン・ジュングン」を視ました。

伊藤博文の評伝を読み終えて間もないのですが、番組の内容も基本的に同じ史観に立ったものでした。
著者の伊藤之雄氏も出演されていたし。
伊藤博文は、積極的な韓国併合論者ではなく、韓国の近代化を促すことが日本の国益に適うと考え改革を進めようとしたが、韓国内のナショナリズムの高揚に手を焼く過程で、併合やむを得ずという路線に次第にシフトしていった。

一方、安重根側については上記著作にも書かれていなかったことが披露されており、個人的には興味深かった。
特に、安重根が遺した著述の中で、日露戦争に日本が勝利したことを、アジアの国が西洋列強に一矢を報いたと喜んでいたという件り。
安重根が、よく云えば純粋、悪く云えば青臭い理想主義に傾倒していたことがよく分かるエピソードかと思います。

国際感覚に優れた現実主義的な大物政治家である伊藤博文があのような形で命を失ったことは、東アジアのその後の歴史にとっても不幸な出来事だったと考えますが、ナショナリズムや理想主義が人間の心を奮い立たせる力を持っていることもまた事実であり、それだけに厄介なものだと改めて思わされます。

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