そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「日銀は海外資産を買え」

2010-10-14 23:31:13 | Economics
今日の日経新聞朝刊「経済教室」は、先日日銀が打ち出した「ゼロ金利復活」を含む「包括緩和」パッケージに対する評価。
筆者は、櫻川昌哉慶大教授。

実証的に99年以降の過去データからはゼロ金利がデフレ解消につながる効果を見出すことはできず、また、ゼロ金利のときの貨幣の需要行動を予測することは難しく、日銀がそれを把握していない以上、物価をコントロールすることは期待できない、とし、金融政策はまったくの手詰まりである…と断じたうえで、日銀は海外資産を購入せよ、と主張されています。
「包括緩和」の施策には日銀による資産買い取りが含められていますが、国内資産に限定せず、円高で割安になった優良な海外資産を買ったらどうか、しかも5兆円規模なんてけちくさいことを云わず、思い切って100兆円くらい買ってしまえ(為替介入と批判されないように円建てで)、と。

メリットしては以下の点が挙げられています。

・世界経済が不況な折、海外から歓迎される上に、優良資産を割安に買える。
・世界にばらまかれた100兆円が、潜在的な円売り圧力を生み、直接為替介入しなくても円高への歯止めになる。
・円建てで決済することで、円が国際通貨としての実績を積むことになる。

特に強調されているのが3点目で、円が国際通貨になっちゃえば円高だ円安だと気にすることもなくなるじゃん、と。

実現性や正否はともかくとして、なかなか大胆な主張で面白かった。
円高になるとパニック論・悲観論ばかりが噴出しますが、円高をチャンスと捉える発想がもっと出てきてもいいのにな、とは常々思っています。

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