臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

今週の「朝日歌壇」から(12月26日掲載分・其のⅠ)書き込み中

2016年12月29日 | 今週の朝日歌壇から
[佐佐木幸綱選]
○ 秋深し日本農業新聞の広告に「罠」の字の多きこと (兵庫県)福本 都

○ じりじりと忍耐の糸が炙られる子よパンツはけ、こらズボンはけ (高崎市)笠井真理

○ フクシマの被災地のごみは除染し移染し果てしなき未来 (東京都)松崎哲夫

○ 窓口に「くじょうの会」と呼ばれたり十三年目の九条の会が (岡崎市)佐野都吾

○ 髪ゆらしキラキラネーム呼び合うてジャングルジムに冬日あまねし (横浜市)高橋嘉子

○ 杖をつき大型船の船底の事故死の現場に行きて経読む (三原市)岡田独甫

○ 老眼に丸き眼鏡をしてみても性根は四角と娘ら笑う (茅ヶ崎市)大川哲雄

○ 娘二十歳溢れる髪を後ろ手に編み込んでいる姿美しい (牛久市)久保田和佳子

○ 日暮どきのドライブたのし北狐、鹿、狸に出会うわが峡の村 (北海道)斉藤洋子

○ 冬の朝川から湯気の立つ中で鴨たちは食む浅瀬の草を (東久留米市)関沢由紀子

○ そのクエは歯磨き好きでお目当ての飼育員の前口を開け待つ (千葉市)鈴木一成

○ さまざまな赤や黄色に窓染まるバスに見ている君の横顔 (春日部市)五十嵐和子

○ 脚光を浴びたる人が又一人麻薬に溺れ年暮れるなり (前橋市)船戸菅男


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