田舎者の映画的生活

田舎町に住んでいるナースが
何とか文化的生活を送ろうと
悪あがきしながら見た映画の感想の数々です。

映画「ヒメアノ〜ル」

2016年10月18日 | 映画・本
ごく普通に生活している、アルバイターの岡田は、
バイト先の先輩の安藤と、カフェの店員の女の子ユカとの仲を
とりもつことになる。
岡田は、ユカが自分の高校時代のクラスメイトの森田に、
ストーキングされていることを知り、彼女に協力するうちに、
思いがけずユカと付き合うことになる。
一方森田は、高校時代のイジメが原因で、サイコキラーに変貌していた・・・

古谷実原作の漫画を映画化した作品。映画が始まってからの前半部分は、
岡田とユカの出会いから付き合うまでを描き、
それは普通の青春ドラマの味わい。
明らかにイケてない安藤を演じているムロツヨシの、
いかにも漫画的なキャラクター演技と、
サイコパスの片鱗を見せつける森田の姿がアクセントになっているが、
映画が半分ほど過ぎてやっとタイトル画面。
それまではBGMもほとんどなく、そこから一気に物語が加速し、
エネルギーが高まるその構成が面白い。
殺戮と、ラブシーンを交互に見せるカット割りや、
イジメや暴力など、嫌悪感を抱かずにはいられない場面を、
それなりに映画的興奮に替えてみせてくれるその演出、脚本、編集は、
吉田監督のそれまでの作品のカラーとは違ってなかなか良かった。
少しあざとさを感じる部分もあるけど、自ら刺し殺した相手を、
更に車で踏みつけるくらいの、
人としての心を失ったかのようなサイコパス森田の、
わずかに残っていた良心を、
クライマックスの事故の場面で犬をよけて電柱にぶつかる場面と、
ラストの高校時代の回想場面で一瞬出てくる犬で表現するあたりは巧い。

岡田を演じた濱田岳は、器の小さい純朴な青年が見事にハマる。
安藤役のムロツヨシの、本当はすごく純粋なのに、
怪しさ満点のいかにもな演技も見応えあり。
ユカを演じた佐津川愛美も、可愛いだけじゃなく、
女の子のしたたかな部分をちゃんと表現していて、体当たり演技も含め好演。
そして何と言ってもこの作品の大きな要は、サイコパス森田を演じた、
ジャニーズとは思えない森田剛37歳。
常にテンションが高いわけじゃないけど、
普通にご飯を食べたりするのと同じように人を殺したりする、
その不気味な存在感と緩急ある演技がとにかく凄い。
まったく関係ない通りすがりの人が、
森田の目にとまるようなことをしただけで簡単に殺されてしまう。
現代社会に潜む悪や闇を示唆していて、背筋が寒くなる。

クライマックスからのラストの展開は、森田というキャラクターを膨らませ、
それまでなかった見る者による感情移入をさせることができる
大事な場面になっていた。
原作とは違うラストとのことだが、これはアリだと感じた。

森田剛は、あまりドラマとかでも印象に残っていないんだけど、
いい役者だなと思った。今後も性格俳優として活躍して欲しい。
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