別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

冬の彩り

2007-12-15 | 別所沼だより

 

            ある人は        立原道造

 
          ある人はうつくしい窓を持ち
          椅子に凭れて眺めるといふが
          僕の窓には黒ずんだ埃ばかり


             高い空を流れる雲の せめてあのあたりの
           青い色をと思ふのだが
           いつかの日にはそれさへ曇天の灰色だった  

           
           いつそ潮風でも吹いて来て
           海がひろがつてくれればいい
           この窓から  ヨツトに乗るんだ


 

   


   葉を落とし 枝ばかりなるメタセコイアの、 鳥の羽か  魚の骨か… 
      いとほそやかに聳え…  寒ざむし。  向こうの空、 奔る雲。

  晴れ 気温10度。 風もなく穏やかな日和。 窓を開け日射しをうけると、 部屋は暖かい。 来訪者18名。  様々な出会いがあった。  

   とくに熱心な方が多い日。  30分以上は滞在された。 切れ目ないお客様、 ガイドはひとりで面白く、 一日中しゃべり通した。  感性の豊かなひとに囲まれ、 響くものがある。


    ニットやジュエリーのデザイナーさん スケッチをしにいらした。 女性と意気投合し、 道造の、 ちょっと甘えたような手紙を、 しゃがれ声で読ませていただく。


  広告デザインの方たち。  ガイドは名ばかり  頂くものが多い。 猫が好き!

  近くの現場に来ているのでと建築家、 「浦和は良いところですね」 なんども褒めて頂く。 うれしきこと。 専門家の眼でこまやかだ。

  これからは 風雅に目を向けたいと 世代もおなじ女性の決意。 はじめて、高橋千劒破チハヤ氏の講演 「花鳥風月の日本」 を聴いたばかり、感動さめやらぬ面持ちだ。   これまでは かなわぬことだったので。  

  歌詞を依頼されて思索中のかたに、 道造の詩集をすすめ、 手紙を読んでさし上げた。 押しつけかも知れないが 黙って聴いてくださった。 詩情を育てる故郷のこと。 5歳のお嬢さんと遊んだ。

 
 窓越しに 声を掛けて下さいました やまもと先生 ありがとうございました。       
  中央図書館へ これから行ってみます。  
                 


 水面を埋め尽くす枯葉の 隙間をブルーが染めている。 思い出したように鴨が過ぎる。  
  厄介者と言われるけれど  この枯色がとても好き。   

  ふと見れば、 目のまえの柵に…  翡翠が2羽もいるじゃない。  カメラをゴソゴソやるうちに見失った。 くやしくて 4時まで粘るも、撮れなくて塞いでいる。 

 


2 コメント

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視点 (boa !)
2007-12-16 07:55:04
寒くなりました。別所には熱心な訪問者が多くて、蛙さんも張り合いがありますね。

今日の写真は、詩がある絵ですね。沼に浮かぶ落ち葉が織り成すデザイン、その間に覗くアクセントカラーの空の色とさかさまの樹木の梢の影が画面を引き締めて、素敵なアングルです。
翡翠まで登場しては罰が当たります。番の翡翠の鮮やかな羽の色を目に刻んで愉しんでください。
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逃した魚 ()
2007-12-16 10:39:56
 朝、雨戸を開けるとハウスの気温は2度。 歳末で出入りも少なかろうと予想しました。
 とんでもない! 昼食も逃したくらい
 それぞれのスペシャリストが多く、刺激的です。芸術家のおこぼれを貰った一日です。
 逃したカワセミは 胸のカメラに鮮やかです。

 寒さも 仕事も 多忙を極めて。 どうぞ おだいじになさってください。 
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