別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

炎夏

2008-07-19 | 別所沼だより

  うんざりするほど暑かったですね。 ハウスは炎天下、しかも無風で。 温度計をみる気にもなれません。 噴きでる汗を拭ってじっとするしかない。 

  午前中3名、 ほか鯰一匹。 突然の揺れに驚きました。 かなりの時間、 大樹もユサユサ、 ハウスはユラユラ たゆたふ小舟。 一時は、 とうとう来たかと思うくらい慌てました。 後で知ったのですが、 この辺りはさほどでなかったらしい。 臆病ですね。  

  珍しく、 きょうのガイドは午前中だけ、 昼から別の方が担当します。  午後は自由でラッキー。 blog御常連の O.Sさんがいらしてずっとお喋り。 全く初対面ながらコメント通りの、 心の深い、 パワフルな方でした。 手作りされたアクセサリーのおみやげもありがとうございました。

 

  

     帰路、 埼玉県立近代美術館に立ち寄り、  気になっている企画展
   「丸木スマ展-樹・花・生きものを謳う- を見ました。

 70歳をこえてから絵を描きはじめ、81歳で亡くなるまでの間に 700点以上もの作品を残したおばあちゃん。 「原爆の図」 で知られる長男の丸木位里と俊夫妻にすすめられて 初めて絵筆をとった。 天衣無縫、 色彩豊か、女流画家協会展や日本美術院展でもみとめられ、作品にあふれるのびやかな優しさ。
  元気よく育った木々や草花、可愛がっていた犬や猫、とりたての野菜、山里を行き交う鳥や虫たちなど、日々の暮らしで親しんだ生命あるものの姿を いきいきととらえました。

どれを取ってもかなわない。 おおらか、 感動は大きく広くとらえられ。 柿の実がひとより大きいこと。  豊かな色彩にほれぼれ、 ユニークな表現、 クレヨンで描いたうえに墨を流して出来る水滴、 色むらの味。 思いのままに描かれ、 構図などいわず、悩まず。 心に感じたままがひとを惹きつけている。 

 絵をはじめて、 それまで見ていたものを見直し、愕き発見し、新しいせかいを創造することを 楽しむようになった という 女流画家。 

  水彩、油絵の具、 墨、クレヨン、鉛筆、コンテなど、 素材を変え重なり合う色の複雑になるハーモニーが、 とても新鮮に映りました。  なんとこころよく響くことか。

 あじさい 1949

 

  梅が咲く   1952                  内海の魚 1954         

  

   母猫     1951                 めし      1950

  こころに感じたものがそっくりでている  いい絵に逢えました。  常識にとらわれている自分の絵とくらべながら、 収穫の多いすばらしい展覧会です。 人柄が出ている自画像も魅かれた。 

  別所で蝉の交響曲は聴こえませんでした。 スマおばあちゃんのように炎夏を楽しみましょう。  とうもろこし  きゅうり  せみ クリ 蛇…
    関東地方も 梅雨明けです。

 

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2 コメント

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朱夏 (boa !)
2008-07-21 06:19:11
照りつけるなか、別所のガイドも大変ですね。鯰の訪問まであってはたまりません。
秋を白で、夏を朱で表現する中国の人に感心します。炎える太陽とまともに向き合うなんて。
でも、朱ですよね。
「丸木スマ展」テレビでちらと拝見して、「本物」だと感心していました。精神の内面がとらえたものがそのまま絵に出て、手法は別にして、熊谷守一に通うものを見ました。
こんな絵をめざしながら、何年たっても固まった常識から抜け出せない自分を情けなく思います。
生きる姿勢の問題ですね。「固定観念を捨てるように」とばかり言われています。先日は「もう、勉強はするな!」といわれてしまいました。「真面目すぎる」のだそうです。いつになったら肩の力と、欲が抜けることでしょう。

「ワシ、ワシ、ジー」の合唱で今朝も目を覚ましました。朝一番ですばらしいものに出会いました。

スランプの時、いいものを、いいときに見せていただきました。ありがとうございました。
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蝉時雨 ()
2008-07-21 10:42:54
   群青に雲刷く朱夏の国大和   太田鴻村

 boa!さん 夏と来れば、やはり朱夏、言葉にしても文字もきれいで、すてきです。青春、白秋、玄冬。 夏は朱夏、さらに 炎夏、蒸炒(ジョウソウ)、いずれも漢名。俳句歳時記に教わりました。
 蒸炒… みごとに言い当てられて、まさにフライパンの上。
 
 丸木スマ展をみながら やはり守一とboa!さんを思っていました。きっとお好きでしょうと。創造の場で、常識は何の意味も持たない、邪魔にしかなりません。痛感しました。
 スランプですか? 蝉時雨の木陰で、ゆっくり待ちましょう。 こちらはまだ合唱に遇いません。
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