「不可視の両刃」放射線に挑む ~或る医学者の英国留学記~

福島原発事故被災地での臨床経験がきっかけとなって放射線医科学を研究しています

アルスター博物館へ行ってみた

2016-11-05 | 2016年イベント
クイーンズ大学メインビルディング南に広がる市営植物園(Botanic Garden)の一角に壮麗な博物館があります。アルスター博物館(Ulster Museum)です。
1821年設立以来の歴史を有する公立総合博物館であり、1929年に現在の場所に移っています。当然、無料で見学可能です。美術部門、自然科学部門、歴史部門に大きく分かれており、内部はかなり広く、まともに見学すると1日丸々かかります。大英博物館などには流石に規模が劣りますが、アイリッシュ系に関する歴史展示物はやはり充実しており、全英屈指の博物館として知られています。



母校からお世話になっている先生がいらっしゃった際にぜひお連れしようと思ったのですが、毎週月曜日は閉館日であり、その節はとても残念でした。私は土日などの暇がある時に、この博物館を時折訪れて英気を養うことにしています。植物園と併せて、いいお散歩コースになっています♪

 


スペイン・アルマダ艦隊の財宝はやはり人気で、実際、黄金のサラマンダーは見学者も多いですね。その他の民俗文化財も興味深いです。
感心するのは、家族連れで見学している方々が多いことです。小さな子どもたちも、目をキラキラさせながら、展示物を観ています。このような知的営みに子どもの頃から触れることが出来るのは羨ましいことです。幸運なことだと感じます。

私の子どもの頃を振り返ると、ここまで立派な博物館にはなかなか簡単にアクセスが出来ませんでした。私には子どもはいませんが、もしもいたら自然豊かな環境で育ってほしい、そして、たまに博物館などに一緒に行きたかったなと思うことがあります――それは、どうやら、叶いそうにはありませんが。



自然科学部門には、全元素の説明コーナーがあります。
残念ながら、113番目の元素ニホニウムはまだ加えられておりません。そして、東北大学の小川正孝(東北帝国大学第4代総長)が発表した幻の43番目の元素ニッポニウムは、当然ですが、入っていません。
しかしながら、元素の名前を見ることによって近代科学の隆盛を俯瞰することが出来て、個人的には大変興味深いです。当然、自然科学の営みは欧米列強の主導でこれまできた訳ですが、113番目にしてようやく日本が食い込めたことを、やはりとても感慨深く思います。

かつてベルナールやニュートンが述べたように、「巨人の肩の上に立つ」ことによって、今日の自然科学は少しずつ大きく高くなってきました。私たちの今日の繁栄は、まさに先人たちの叡智による賜物であり、ただ享受すればいいというのはやはり違うのではないかと思います。

博物館に訪れるたび、偉大な先達のことを、そして科学に奉じた多くの名もなき研究者たちのことを。
そっと想うことにしています
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