「不可視の両刃」放射線に挑む~若き医学者の英国留学記~

福島第一原発事故被災地での臨床経験がきっかけとなり、放射線医科学を研究しています

初めての試験

2016-10-19 | 英国大学院博士課程に関して
英国に来て初めての試験は国家試験になりました。

日本や米国と異なり、英国では動物実験を行う際にはライセンス(免許)が必要です。法的講習・研修を受けて、試験で規定以上の成績を出さないと、所管大臣からライセンスが発給されません。いつも研究センターでお世話になっているKarl氏に「とにかく受けて来てね」と言われて、先週は何が何だかよく判らないうちにBelfast中心部から10kmも離れた動物センターで法的講習・研修を受けて、今週も何が何だかよく判らないうちに試験を受けたのでした。

この試験が実に曲者で、英国に留学された私の知人は「最初、落ちた」と言っていましたが、たしかに落ちる要素があるのです。

動物実験に関する生理学的、解剖学的、麻酔科学的な知識はなんとなく知っているというか、動物実験に少しでも携わったことがある人ならばある意味常識でなんとかなります。例えば、マウスの妊娠期間や発情期などは、勉強しなくても判ります(ただしウサギやブタはさすがに勉強しなくては判らんと思います)。しかし、問題は「法律分野」です。Animals (Scientific Procedures) Act 1986という動物実験に関する規定を定めた英国の法律があるのですが、この法律に関する設問を70%以上正答しなければなりません。
たぶん、留学で日本から英国に来て動物実験する方が落ちるとしたら、このせいだと思われます。
私も「え~、これを覚えるのか~」と、宿舎で発狂しそうになりました。ただでさえ興味ない分野の暗記なんて大変なのに、やたらと難解な英語で書いてあるので、かなり覚えにくい部分もありました。生物学的専門用語も相当難しいものがありますが(chromodacryorrhoeaとかね)、英語を母国語としない者にとっては法律用語もやはり難しい。意味が判りませんから。それでも、法律によって動物ごとの安楽死の推奨方法なども詳細に決まっていて、やはり試験の出来は「法律をいかに覚えているか」次第という印象でした。


幸いと言うべきか、試験は辞書持ち込み可だったので、試験官の了承を得て辞書を使わせて頂きました。前日に3£(400円弱)で購入したOxoford English Dictionaryです。

しかし、専門用語までカバーしていないために、購入した効果はほぼなかった(´;ω;`)

当然ですが、試験には何問か「捨て問(つまり鉛筆を転がしておく問題)」が存在したために、受験後に絶対合格したという確信はありませんでした。下手すると70%を切るかもしれないと不安でした。独り哀しくヤケ酒でも飲もうかと思っていた試験当日の夜、「おめでとう、合格していたから、近日中に合格証書を送ります」というメールが届いて(国家試験なのに採点・合格発表が早すぎでびっくりしました)、とりあえず、ほっと安心したのでした。
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