
2002年冬季オリンピック・ソルトレイク大会フィギュアスケート男子シングル部門1位と2位の選手を取り上げたなら、3位の選手にも言及すべきでしょう。
というわけでアメリカ代表ティモシー・ゲーブルのFS。曲は「パリのアメリカ人」です。
実況でも言われているように、彼こそはヤグディンやプルシェンコ以上の「クワドキング」と呼ばれた選手。
このFSでも、4Tが2回、オリンピック史上初の4S(クワド・サルコウ)1回と、三つの4回転ジャンプを決め(4Tの一つはコンボ)、3Aも二つ入れています。後半の一つはステップアウトになってしまいましたが、それでも、こんなジャンプ構成で演技できる選手はまずいないでしょう。あまり助走もしていないところから、実に軽々と跳んで降りる彼の4回転は、いつ見ても驚異的です。
にも関わらず、結果はヤグディン、プルシェンコに次ぐ3位でした。ホスト国の選手でもあった彼には、やや厳しい評価だったと言えるかも知れません。
よく、ソルトレイク五輪前後は4回転全盛時代で、「それだけが」評価されていたかのような言説が、バンクーバー大会直後などに流布していましたが、それが誤りであることは、この結果を見てもおわかりでしょう。一方で、前シーズンの世界選手権大会等では、4回転ジャンパーではないトッド・エルドリッジがヤグプルに迫る評価を受けていたことを考え合わせても、その時代でも、評価されるのはやはり様々なエレメンツの総合力だったはずです。
そうは言っても、ゲーブルのこのプログラム自体はよく構成された良プロだったと思います。「パリのアメリカ人」を使用する選手はその後にもいましたが、思い出すのはやはりこの時の彼です。ベストスーツのコスチュームも印象的でした。
ゲーブルさん自身は現在スケート界から退き、一線を画してしまっているのが残念です。









