日本の林業の衰退の原因として、国産木材の価格に比べて輸入財(外材)の価格が安いので、外材に押されて国産材が売れなくなった、だから、国産材の生産が減少し、森林管理にも手が回らず、森林の荒廃が進んでしまった、ということがありました。
しかしここにきて、この減少が逆転し、外材価格が国産材価格を上回るようになり、にわかに国産材が見直されているというのです。
まさに林業再生のチャンス!
・・・と思いきや、問題はたくさんあるようです。
まず、なぜ外材価格が高騰しているのか、オリンピックに向けての建設ラッシュ中である中国の需要増が一番大きな理由で、次にはインド、中東での需要が増えているからです。
じゃあ、なぜ即国産材の需要量がさほど増えないのか。
様々な理由があるようですが、
①長年山の手入れが行き届いていなかったため、節が多くて質が悪いこと、
②木材に含まれる水分量が外材に比べて多く、変形が生じやすい、
③市場ニーズにあった供給体制が不十分、
ということのようです。
かつては、多少寸法が狂うことを前提に、現場で職人さんがノミやカンナで微調整をしていました。しかし、今の住宅建築は、工場であらかじめカットした木材を現場で組み立てるという方式が主流となっているため、水分が多く変形しやすい木材は使いにくいというのです。少しでも狂うとうまくはまらなくなってしまいます。
なるほど。
山自体もたくさんの問題を抱えているようです。
木材価格が低迷したことから、伐採も関しても少しでもコストを下げようと、「皆伐」といってあたり一面、大型機械でごっそり切ってしまうやり方が一般的になりました。この結果、山の斜面が重機で荒らされ、法面が崩壊したり、ちょっとした雨で土砂崩れが起きたり、山自体が荒れてきてしまいました。
さらに、どうせ植林しても儲からない、ということで、伐採後の植林もおろそかになり、耕作放棄地ならぬ「植林放棄地」が急激に増えているとのこと。
日本は資源の乏しい国だ、といわれていますが、こと森林資源に関しては、世界にも誇れるほどすばらしい豊富な資源を持っています。
地球温暖化防止にも一役買っている森林資源。
さあ今こそ森林再生!