珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

やまない雨はない

2017年01月24日 | 日々のこと

用があったので、散歩がてら銀行へ行った。

その帰りに団地の中を歩いていると、「こんにちは」と声がかかった。

見ると、通りかかったお宅の息子さんが雪かきをしていた。

「こんにちは」の声は彼だった。

娘と年齢が近くて、小学校まではよく遊んでいた子で、我が家にも何度も遊びに来た。

素直でとても良い子で、大学を出て就職するまでは順調だった。

運悪く就職氷河期に当たり、道内は無理で東京の企業に就職した。

それが、1年しないうちに仕事を辞めて戻って来た。

お母さんによると、職場で精神的に追い詰められたたそうだ。

今で言う、過重労働だったらしい。

しばらくゆっくりさせて、こちらで仕事を探すわとお母さんがおっしゃっていた。

でも、職場でのことがよほどトラウマになっていたのか、

息子さんはそれからすっかり引きこもりになってしまった。

当然息子の将来を心配する親とは揉める。

ご近所さんによると、家から怒号が聞こえたり、パトカーを呼ぶ騒ぎが何度もあったそうだ。

長いこと外で姿を見ることもなかった。

 

今や両親は年金受給世代、

そのせいか、ここ数年、雪かきやゴミ捨てをする彼の姿を時々見るようになった。

でも、顔を合わせないようあらぬ方を見て通り過ぎる。

それが、今日、あちらから挨拶をされて、何だか感動してしまった。

顔つきが、以前とは全然違っている。

一人前の男の顔をしていた。

 

思えば、引きこもってから20年が経っている。

外へ目が向くまでに、それだけの歳月が必要だったのだろう。

「やまない雨はない」という言葉を思い出した。


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2 コメント

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Unknown (ずぼら婆ちゃん)
2017-01-24 19:14:25
引き籠ってから20年ですか?
親としては気苦労もあろうかとお察しします

息子さんから挨拶をするなんて感じることもあったのでしょうね

私達の分からない部分も多分にあるのだろうと思います
ずぼら婆ちゃんさん、おはようございます (珊瑚)
2017-01-25 07:35:57
辛い20年だったろうと思います。

ある程度の年齢になったことで、親子ともども気持ちに区切りがついたのかなと思います。

これからはわずかでも収入を得られるような道を探って欲しいと思います。

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