20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆ルーセル:バレエ音楽「サンドマン」op.13(1908)

2016年10月11日 | Weblog
◎レイボヴィッツ指揮パリ・フィル(everest)1952

CD化したか?ジャン・オブリの劇に付けた音楽(4曲)で、サンドマンとは「眠りの精」のこと。交響曲第1番と2番の間に位置し、作曲活動を遅くはじめたルーセルにとって、同曲は初期作品といってもよい。海軍時代にはインドシナまで行っていたものの、まだまだ印象主義の影響が強い時期である。物すごーく優しい曲。ほの暗い前半・夢見る後半、2つの気だるい旋律を軸にして、若干の変容や短い副旋律を織り交ぜながら、妖しくも美しい音の綾を様々な楽器を通して聞かせていく。とくに14分(4曲め)前後からの主旋律は、初期ルーセルでも瑞逸で、感涙ものの名旋律だ。ハープのとつとつとしたアルペジオ、フルートのゆったりとたゆたう雲の下で、むせび泣くように密やかに始まるヴァイオリンの旋律提示には、震えが来る。瑞々しいけれども毛羽立たない演奏ぶりがまた素晴らしく、フルートの、震えるような懐かしい音色も泣かせる。ヴァイオリンの音色がややアマチュアリスティックで洗練されないところがある。でも、曲自体の精妙さと棒の繊細さがそれらをすっかり覆い隠してしまっている。これは素晴らしい。・・・レイボヴィッツらしくない。美しい・・・それだけ。個性などない。寧ろルーセルっぽいところ・・・オリエンタリックな半音階的音線や、展開部でのリズミカルな部分は、不要とさえ思える。くもの饗宴とのカップリングで、かなり似ているところもあるが、冒頭よりリヒャルト的前世代のロマンティックな雰囲気を漂わせ、また曲が進むにつれ「牧神」やラヴェルの「序奏とアレグロ」を思わせる香りも強く感じさせる。新鮮な機知の点では1も2も無く「くもの饗宴」に軍配が挙がるだろう。・・・でも私はこの曲の方がずっと好きだ。誰が何と言おうとね!!「砂男」の砂を瞼に浴びて、気持ちの良いシエスタに浸ろう。ちなみに同録音にはルーセル夫人が立ち会った。”人生のたそがれにおいてこのレコーディングセッションに立ち会えたことは、わたくしにとってこの上ない喜びです。(中略)「サンドマン」は、今や殆ど忘れられた作品ですが、若かりし頃の私たち・・・アルベール・ルーセルと私自身の姿を、うつしたもののように思えてなりません” で始まる感慨深い手紙を、賛辞を添えて送っている。,
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