20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

マーラー:大地の歌

2017年05月17日 | Weblog
バーンスタイン指揮NYP、トーマス(T)フィッシャー=ディースカウ(B)(eternities)1967/3/18live NY

左右が揺れたまに片方が聴こえなくなる粗いステレオ録音だが、リアルな肌触りは悪くはない(終楽章にデジタル化(CD-Rのせい?)による音飛びのような耳障りな部分があるのは残念)。実音は強く重心が低くしっかり捉えられている。バーンスタインの男声だけによる大地の歌(楽章単位に拍手が入り、交響曲ではなく連作歌曲集として演奏されている)は賛否あったが、音域的に安定し、この曲に横溢する夢のような明るさが逆に絶望の闇を暗示する、マーラーらしい世界観を良く示せる配慮だと思う。尤も終曲末尾は女声で消え入るのが、やはりしっくりとはくるのだが(マーラーは男性なので告別もまた男性としてのものと考えれば適切なのかもしれない)。テノールの声質は少し気になったが、ともに表現力はあるものの見せつけるのではなくあくまでシンフォニックにオケと絡みあるいは吸収されるようなところはバーンスタインの意図に沿っているのだろう。そのオケの演奏はダイナミックでバーンスタインらしい。しっかりした劇的解釈がオケに完璧に伝達され、壮年期のニューヨーク・フィルとのライヴとしては、論えばミスがないわけではないが、晩年のものに近く可也精度が高い。「告別」を繰り言をのべる退屈な30分ではなく波乱の心情をうつした交響詩として聴かせてくるのは快楽派には嬉しい。細部までしっかり太く弾かせ吹かせ、歌いながらアグレッシブに(自在に)ドライブしていく中にも、バーンスタイン晩年の深み、余韻の表現への予兆が聴きとれる。アグレッシブなだけでは告別にふさわしくはない。面白く聴ける演奏。ワルターでいえばまだアメリカに来る前の録音のような感じ。ブラヴォが聴こえる気がする。
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