20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆マーラー:交響曲第9番

2017年05月18日 | マーラー
○スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送交響楽団(KARNA:CD-R等)2000/1/21LIVE放送・CD

音色が明るく透明感のある演奏で、軽やかですらあるのは恐らく録音のせいだろう。非常にクリアなエアチェックものであるがゆえの、妙に現代的に研ぎ澄まされてしまっている感が否めず(無論そういうベルティーニ的なものが好きな人にとってはスヴェトラ最高の記録になりえる)、スヴェトラ最晩年の「期待させる」境地が、まるで現代にマッチした颯爽としたスタイルに迎合したかのように聞こえてしまったのはちょっと問題かもしれない。また解釈も割とオーソドックスであるがゆえ聴感が軽い。スヴェトラにしてはかなり厳しく律せられた演奏であり、音の輪郭が全てしっかりしていて細部まで聴きやすい・・・もちろんオケの影響が大きいのだが・・・うえにテンポも速く、これは他の盤でもそうだが3楽章まで殆ど揺れがない。2楽章の前半までははっきりいって凡庸といってもいいくらいだった。3楽章までなら、私は「まるでワルター最晩年のような音をかなでながら、少しも心を揺り動かされないテンポ」とまでこきおろすことも可能であった。しかし終楽章は違った。ここでスヴェトラは感情を隠しきれない。もしくは、設計がズバリ当たっている。思い入れたっぷり、というわけにはいかない北欧オケの音、でもここには明瞭に感情の起伏があり、遠くスヴェトラ節のエコーも響く。なんとなく、やはりワルターのコロンビア録音を思い出してしまうのである。透明で明るいのがスヴェトラの実は持ち味であり、ロシアオケという呪縛から放たれてやっと、本来の自分の欲しい音楽を得られたという矢先の死、その直前のこの記録からはしかし死は聞こえない。そこには安らぎと、美だけがある。終楽章のバランスは瑞一、ただひとつ、これは盤によるのかもしれないが、私の盤の終楽章は録音ムラがあり、かなり耳障りな雑音が盛り上がりどころで入ってくる。更に不可思議なのが、終演後の拍手との間の「ブランク」。録音のつなぎ目が聞こえるのである。あきらかにロシアオケではないし、あきらかに他の録音とも違う(万一同じだとしても録音状態がかなり違う)から、この盤自体信用していいとは思うが、少し気になった。相対的に無印にしてもいいのだが、最晩年においても精力的な演奏を行っていたという証拠として、○をつけておく。

※2006/2の記事です。
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