20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

バラキレフ:交響詩「タマーラ」

2017年06月20日 | Weblog
アンゲルブレシュト指揮ORTF(ina配信)1958/11/20シャンゼリゼlive 放送

ディアギレフがバレエに取り上げたことからこの日のフランス・プログラムのメインとして演奏されたもの。20分以上の大作である。カフカスの民謡採取からオリエンタリズムの香り高い音楽に至る、五人組の宗主として代表作のひとつとなりリムスキーらへの影響を与えたとされている。一夜の物語として緩急緩の構成をもち、そのあたりも五人組とその側に位置したリストとは、書法上のこともふくめ近いところにあり、グラズノフに隔世的に受け継がれた西欧折衷派的ながっちりした構成感、洗練された(手堅い)管弦楽法は、東洋的あるいは民族的主題の導入の影にかくれて見えづらいが、グリンカから後代の橋渡しともなったと思われる。そういう曲にアンゲルブレシュトは適性を示す。派手にシンバルを打ち鳴らしドカンドカンとやる一方で木管、弦の波打つ音形をしめやかに雰囲気作りとして流し、どぎつい音色を避け技巧的瑕疵を生じさせることなく美観を保つ。一本調子なところはあり、楽想的にコントラストを強くつけてシェヘラザード的な旋律は際立って艶かしく聴かせるとか、構造的なところはドイツ的に重く聴かせるのではなく、全体としてひたすら変化しない派手な音楽に仕立てているから、フランスの演奏だなあ、クーチカの音楽の肝心な魅力は損なわれてると思うところもある。アンゲルブレシュトはロシア音楽も得意としていたがプログラムとしてはめずらしい。リムスキーというよりは、むしろボロディンのイーゴリ公的な音楽になっている。モノラル良録音。(ina.fr PHD89036093)
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