20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆グラズノフ:交響曲第6番(1896)

2017年04月19日 | Weblog
◎ヤルヴィ指揮バイエルン放送交響楽団(ORFEO)CD

ロシア音楽史に興味のある者なら一度は読んでおきたい、リムスキー・コルサコフの「わが音楽生涯」(原本は日記より編まれたもの。服部龍太郎訳、春陽堂S18刊)から抜粋・・・

「このシーズンのロシア交響演奏会にはグラズノーフの驚くべきハ短調第6交響曲(初演)、タネーエフの「オレステイヤ」序曲、チャイコフスキーの「ファトゥム」、ラフマニノフのニ短調交響曲(第1番)*その他が出された。これらの演奏会はグラズノーフと私とに指揮された。ブリューメンフェルドは或る演奏会に独奏曲の伴奏を弾いた。2月15日の演奏会の曲目はボロディンの死後十周年を記念するために、彼の作品のみとされた。

「ライモンダ」と第6交響曲の作者の素晴らしい天分は、この当時華やかに開花した。そして「海」の深さも、「森」の薮地も、「クレムリン」の壁も、そのほかの過渡期時代の彼の作品は遥か彼方のものとなった。彼の想像力も驚くべき技巧も、当時、発達の最高潮に達した。彼は指揮者となって、自作品の優秀な註解者となった。しかし聴衆も、批評家もそれを理解し得なかった。彼の楽団における勢力は、年毎にではなく、日一日と成長した。彼の驚くべき和声に対する耳と、他人の作品に対する記憶とは、われわれすべての音楽家をたじろがせた。」(一部口語化した)

*:有名な失敗初演のことだろう。グラズノフは酒酔い状態で片手間のように振ったともいわれ(真実は定かではないが)、ラフマニノフが極度の神経衰弱に陥った原因とされることもある。しかしダール博士による治療が行われるのは3年も後の1900年のことだ。

<ブリューメンフェルドに献呈。グラズノフの最もドラマティックな交響曲。チャイコフスキー色濃い曲想の中の、ひとつひとつのテーマの美しさは旋律作曲家グラズノフでも瑞逸である。グラズノフの特徴に良く響くブ厚い管弦楽があるが、5番迄のボロディン・カリンニコフ系のやや単調なオーケストレイションが、ブラームス・チャイコフスキー系の目の詰まった構築的なオーケストレーションへ脱皮している。悲劇的な曲想の一楽章を含め、晦渋で内省的な部分は少なく、中間楽章は彼自身のバレエ作品のような夢見る雰囲気に溢れており、(人によって異論はあるだろうが)最も取り付きやすい交響曲とも言える。1、4楽章の雄渾な魅力と2、3楽章の精妙な魅力はいずれもしっかりとした構造に支えられ、民族楽派から一歩進んだロシア交響楽の在り方を突きつけてくる。・・・ただひとつ注意。最後のマエストーソの出だしで笑ってしまわないように。英雄的に盛り上がった挙げ句に、この人を食ったような?バス提示は、あんまりだあ・・・でも私はそれがきっかけでグラズノフ好きになったんですけどね。>

~劇的で練り上げられた演奏。
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