20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆グリエール:交響曲第3番「イリヤ・ムーロメッツ」(全曲版)

2017年04月21日 | グリエール
○ラフリン指揮ソヴィエト国立放送交響楽団(RUSSIAN DISC)1974・CD

ラフリンはウクライナ出身のユダヤ系で、キエフを中心に活躍したソヴィエト時代を代表する指揮者の一人。ショスタコーヴィチの初演で知られる雄渾系指揮者だ。1933年ムラヴィンスキーに次ぎ第1回全ソ指揮者コンクール2位に輝いて後全国的な活動を始め、第二次大戦中はムラヴィンスキー後のソヴィエト国立交響楽団を率いた。1966年カザンにタタール国立管弦楽団を組織、1979年に没するまで音楽監督として指導にあたっていた。この演奏は前半が聞き物。1楽章から大変磨き上げられ引き締まった演奏ぶりでびっくり。ブラスの響きなどロシアそのものだが、例えば色気ムンムンであるはずの2楽章などこれがグリエールか、というくらい立派で清潔な音楽になっている。でも雄弁でダイナミズムは失われていない。民族性や爛熟ぶりを過度に煽ることがなく、非常に真摯な曲作りは胸を打つ。ワグナーからの影響を強調するかのようなドイツ指向なところもロシア臭さが感じられない要因であろう。3楽章はテンポが遅く客観的で美に徹しているかのよう。この最もロシア的なスケルツォをこうやってしまうのもラフリンの個性か。いずれにせよこんな3楽章初めて聞く。再現部になるとだいぶ盛り上がりが戻ってくるのだが。終楽章はロシアオケの響き全開でやってくる。だが肝心の所で音外しがあったり、うねるような曲想の起伏が今一つパッとしないなど、ちょっと落ちる感がある。締まった表現はいいのだが、全編のフィナーレとしてはいささか一本調子ではないかとも思う。回想シーンなどの聞かせ所が浮き立ってこない。長いからそれだと飽きる。それでも雄渾さと緊張感は最後まで持続し、人によってはしっくりくるとは思う。あとは色彩かなあ。ちと単彩。総じて○。
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