20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2017年04月21日 | チャイコフスキー
○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(DA:CD-R/naxos他)1938/10/29live・CD

大変に立派な演奏。3楽章最後に盛大な拍手が止まらなくなってしまい、そのせいか4楽章冒頭が欠如してしまうという致命的な状態と、ピッチが低すぎるゆえこの評価にとどまった(DA盤の感想・naxos盤を確認したところピッチもおかしくなければ拍手はきっちり収まって冒頭より欠落なく四楽章に入る。同じ演奏なのだろうか?)。同年代の録音としては驚異的なクリアさで、トスカニーニが元気だったころのチャイコがここまで確信に満ちてびしっと表現され、板についたものとなっていた(即物的解釈なのに全くそれを感じさせない迫力が維持されるのだ)ことを認識させられなおした。とにかくこれを何度聴いても納得するだろう。ガウクのことを前に書いたが、言い方は悪いがガウクともレベルが違うとかんじた。バラケなんかもあるのだが、それが全く気にならない。3楽章は誰がやってもああなってしまう、とはいえスピード勝負とも言い切れない細かい操作がなされ決して手を抜いたり何もしない解釈にはなっておらず、録音状態というものの重要性を認識させられなおした部分もある。悲愴にはM&Aでステレオ完全補完版が出て話題になったが、それは聴いていないけれども(元の放送音源のほうはDAで聴いている)たぶんやはり、年齢の問題で決定的に完成度に差があることは確かだ。

トスカニーニの同世代でこんな垂直な演奏をやった人がいただろうか。しかし、垂直といってもそのフォルムの美しさは近代建築の美しさに通じるものだ。

(参考)トスカニーニの悲愴録音(特記しないものはNBC交響楽団)

1938L private(10/29?)
1938/10/29L DA/naxos/youtube
1941/4/19L music&arts/naxos
1942/2/8(18?)S Phila.O. IDIS/youtube
1947/11/24S RCA
1954/3/21L(stereo) music&arts/DA/IDIS/youtube
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3 Comments

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垂直的! (サンセバスチャン)
2017-04-21 11:12:54
おっしゃることわかるような気がします。トスカニーニというと強靭なカンタービレを連想するわけですが、この曲に関しては、強弱の制御が精密にピシピシ実現されていて、ともすれば泥臭いヤケノヤンパチ狂騒の三楽章が、トスカニーニ将軍に率いられた無敵軍団の進撃のように聴こえます。私のは41年のライヴですが、フィラデルフィアとの正規録音もおなじような感じです。
Re:垂直的! (r_o_k)
2017-04-21 12:52:44
1941年のライヴだけ持ってないんです(笑)高いけどデジタル配信ならプレミアつかないので買ってみようかなあ。これは再掲記事なんですが後でフィラデルフィア管弦楽団のセッション録音についても再掲してみます。スヴェトラーノフの実演など聴いていた時期の印象で完全に否定していますが、その時時の自分の好みによるのですね。
Re:垂直的! (r_o_k)
2017-04-21 16:32:17
1941年録音、圧縮音源ではありますが少しだけ聴きました。これは38年の方をお勧めします、録音のクリアさが違います(リマスタリングの有無にもよるのでしょうが、協会盤LPでも良かったです)。デジタルはお好みではないでしょうが、YouTubeに全曲ありますのでぜひお試しを。

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