湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ラヴェル:ピアノ三重奏曲

2017年12月13日 | ラヴェル
○C.ボナルディ(Vn)シフォルー(Vc)ノエル・リー(P)(ACCORD)1987・CD

残響がかなりうるさいがスケールの大きな、かつセンスあるダイナミックな演奏。安定感のある演奏ぶりではあるものの、弦楽器二本の音は感傷的で主情的であり、今回二回目?の録音のノエル・リーが何よりラヴェル適性をはなって素晴らしい。この人のピアニズムは言葉で表現のしようのない清潔で軽く、明確で、しかしどこか感傷的である。ラヴェル向き奏者というのはほんと言葉で説明できない、それこそセンスの問題でもある。ミケランジェリあたりは私は余りセンスがあるとは思わない。完璧であればいいというわけではないのである・・・作曲家が認める認めないにかかわらず。ただ、どちらかというとこのトリオでは引き気味かもしれない。ボナルディの音は線が細く、細いがゆえにナイーブな表現が可能でヴィブラートも細かく感情的にかかるのだが、強い音が出にくいようだ。終楽章の強奏部で音程が「フランス的に」乱れる。惜しい。

※2007/12/20の記事です

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