20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」

2017年06月15日 | Weblog
ホルダ指揮ナショナル交響楽団(decca/dutton)1945/9/5・CD

今はなき(あるのだが)ダットンラボラトリーによる信じられない音質のレストアCDだが、硬質で色とりどりの宝石のような輝きを放つファリャ特有の響きを良く引き出している(ダットンではなくホルダが、と言っておこう)。こういうあるていど中まで見通せる録音でないと、ファリャの管弦楽の独特さ、というかどういうふうに「やるべき」なのかはわからない。新しい録音でも旋律やリズムだけに拘泥してしまっては構造や響き合いの恐ろしく個性的なところはわからない。ただの民族音楽になってしまう。ホルダはファリャと直接交流のある世代ではないがオーソリティーと扱われた人である。アメリカに移ってから活動したためお国ものとして扱うことにも躊躇があるが、しかしこういうふうにやってのけるというのは肌で理解できる血の流れていることを感じさせる。アメリカオケらしいオケだがそれほど腕利きというわけではなく、アメリカ中堅的なニュートラルさというか、少し固くもある。よくピアノ独奏で取り上げられる火祭りの踊りも、管弦楽版はみな少なからずそうなのだが音のエッジの立ち方がもの足りず、腰を落ち着けたテンポでぼわっとしてしまう。ただ全曲(抜粋?)の中においては適切な場所に適切な解釈で配置されているように聴こえる。ネガティブなことを書いてしまったが、きほんホルダのファリャは楽しい。日本にとっては終戦直後のアメリカ録音になるこれがこんなクリアでノイズレスに聴けるだけでも良し。
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