湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ

2017年04月24日 | ラヴェル
○C.ボナルディ(Vn)シフォルー(Vc)(ACCORD)1987・CD

ちょっと技術的に厳しい感じがする。ヴァイオリンは技巧より表現をとる意図というには表現もムラがあり、感傷的な艶を出す場面と何か押しの弱いイギリス的な音を出す場面がちぐはぐである。解釈的には至極落ち着いていて、3楽章などピアノ的な静謐な抽象を描く配慮が行き届いていてラヴェルの意思を汲んだ名演だと思うが、アタックがきちっと決まらないので往年の演奏のような、ちょっとグズっとした感じに思えてしまう~無調的なパセージなどもっと硬質に整っているべきなのだ。4楽章などチェロがいきなり不安定なリズムで(難しいのはわかるけど)民族性を煽るまでいかないそれ以前の状況のように聴こえる。しかしフィンガリングはセンスに溢れた音を出す。ポルタメントなど美しくそつない。しかしやはり、ここはバーバリズムでいくべき楽章で、叙情的な美しさばかりに拘泥すると激しいリズムと先鋭な響きが阻害される。音程もリズムも怪しい・・・しかし部分的には美しく(ヴァイオリンはトリルが綺麗だ)無印にするには躊躇がある。テンポは冷静なのに技術イマイチ、というくらいか。ひどいいいよう。この曲はそもそも多面的で難しいのだ。

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