20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

ラヴェル:序奏とアレグロ

2016年12月24日 | Weblog
エネスコ、ジョルジュ・アレ(Vn)ガストン・マルケジーニ(Vc)ピエール・ジャメ(Hrp)ガストン・クリュネル(fl)ウリス・ドレクリューズ(cl)他(meloclassic)1951/3/1パリlive放送・CD

エネスコはデュオソナタ初演など請け負い学生時分からラヴェルと交流があった。それに留まらず同時代音楽に積極的で、けしてバッハ主義者ではない(演奏スタイルからして当然だけれども)。これは指揮だけではなく音楽院ホールの公衆の面前で直接弾いているということで年齢からは珍しく思う。この時期にしてはノイズが多く音が悪いのは仕方ない。編成は通常通り室内楽であるが(これは作曲家が何を書こうと依頼どおりハープを際立たせるためにはオケ編成では駄目だろう)さすが大先生エネスコだけあってお歴々が顔を揃えており、父ジャメのtimpaniのSP起こしからは聴き取れない腕をふるっているのは聞き所。盟友ラスキーヌの豪腕とは違う美観がある。ここに記載は無いがSPでジャメ、クリュネルと組んでいたブランパインがヴィオラを担っている可能性がある。ドレクリューズも名を連ねている。

そこはそこなんだが、解釈を支配しているのは間違いなくエネスコで、パヴァーヌの指揮録音など思わせる古色蒼然とした情緒てんめんな揺れ具合には仰天する。これがチャイコフスキーでは安定していたエネスコの指揮なのか?やはり同級生には思い入れてしまうのか?自身の音はわりと弱く、この時期なりの引きのスタイル。音色も煽らない。というか煽れないのかもしれない。とにかくこれは50年代のものとは思えない情緒過剰な演奏で、好き者にはたまらない30年代的録音であり、余計な音源がたくさん併録された二枚組ではあるが復刻自体素晴らしいことであった。エネスコのラヴェル、それだけでも価値はある。エネスコがルーマニア初演を担ったというショスタコ七番はどうだったのだろう。おそらく固いものだったと想像する。この録音は特別なパリの空気によるものなのだろう。
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