20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆グラズノフ:交響曲第6番

2017年01月30日 | グラズノフ
○スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(melodiya/venezia)1989・CD

スヴェトラが人生を賭けた壮大なロシア音楽アンソロジーの一部として、ソヴィエト末期にほぼ一発録りで録音されていったグラズノフ交響曲全集の一枚。これが出た当初は期待に反してスカスカなオケの音に当時高額だったCD代返せ状態だったわけだが今聴くとまったくそういうことは感じない。田舎臭いロシアオケを使って現代オケの響きに近い透明感を獲得しようとしたのだと言えば良すぎる言い方だが(スヴェトラの後年の活動を見ると嘘とも言えないと思う)、弦楽器の本数が(理由は何にせよ)減りブラスのソリスト級奏者が抜けているが依然、ロシアオケの馬力と特有の響き(ホール残響や録音含む)は健在で耳障りが悪いわけではない。演奏精度も当時感じたほどに悪いことは全然無い。8番など旧録のあるものは比較してしまうので(旧録も一長一短だ)そういうことを言いだしたくなるものだが、現在のロシアオケの状態を思うと、多少雑味混じりでもそれを跳ね除けるような楽団員ひとりひとりの意気・技術というのが感じ取れてまったく素晴らしい。

さてこの曲はブラームス風チャイコ、と言うべき曲でグラズノフでも保守的なほうに入るかと思う。だからグラズノフ慣れしてしまうと退屈さは否めなく、古風なまでに形式的で霊感を抑え込んでいるように感じる。逆にグラズノフを知らないと、旋律の美しさ、和声の自然さにすんなり入れようし、個性とも言える半音階的な進行が多声的な構造を持ちながらも響きの透明感を保ったままかっちりハマって進んでいく技術の確かさに感服するだろうし、この大編成を無駄なく隅々まで使い切る手腕にもロシアには殆どいなかったタイプのプロフェッショナルな作曲家という印象を感じることができるだろう。これはいつものことでもあるが、楽想の展開にはちょっと無理のある部分もあって、3楽章の再現部の唐突さや4楽章のマエストーソ的に表れる最終変奏の大仰さなど笑ってしまうところもあるが、私自身もこの曲で初めてグラズノフを認識したので、一度聴いてみてはいかがでしょうか。○。
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