湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ミヨー:交響曲第2番

2017年12月14日 | フランス
○ツィピーヌ指揮パリ音楽院管弦楽団(EMI)1953/11・CD

かつて日本では協奏曲の伴奏指揮者としてのみ知られる知る人ぞ知る存在であったが、比較的多数の録音を残したモノラル期の名匠であり、EMIの復刻は再評価への恰好の指標となるものである。ドイツ偏重のこの国にもこれら復刻によってフランスやラテン諸国の十字軍指揮者への評価が一過性のものではなしに定着すればいいのだが。

手堅いながらも非常に計算された演奏で、散漫でアイヴズ的カオスを呼びがちなミヨーの音楽に一本筋を通している。複調性によるフレーズも聞きやすい響きに整理され、繊細で牧歌的な色彩を強めている。2楽章あたりの硬質で烈しい楽想もオネゲルふうに緊密に仕立てられ飽きや理解不能といった事態を避けることに成功している。リズムにみられる南米ふうのズラしは余り強調されないが、このスタイルにはそれが正解だろう。半音階的な奇妙な旋律も奇妙と感じさせないまっとうさに○つけときます。

※2005-04-05 09:05:06の記事です
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