20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆ヴォーン・ウィリアムズ:連作歌曲集「ウェンロックの断崖にて」(1909)<管弦楽版>

2017年04月18日 | Weblog
<この曲は僕の或る心象風景と結びついている。学校を卒業し、部屋を引き払って東京へ戻ったあと、会社が始まるまでの三日間…それはどこまでも澄んだ青い空と柔らかな春の風に包まれた日々だった。人生のひとつの時代が終わって、次の時代へ渡る三日間だった。僕はこの曲を渋谷のWAVE(クラシック・ブースが未だロフトにあり、比較的こだわった品揃えをしていた頃の、である)で知った。ラトルの清新な管弦楽の中で、深い情感をたたえて、しかし溜め息のように密やかな独白を続けるテノール。原詩の諦観と暗い想いに満ちた雰囲気が昇華され、美しい余韻を残す。RVWの特質が最も早く、そして最もストレートに示されている。原曲のピアノ4重奏伴奏と改編版(かなり後の編曲)の管弦楽伴奏、共に一長一短であるが、オケ・バックはRVW後期特有の華美さがやや大仰すぎるかもしれない。>

…否、「ブリードゥンの丘」は別だ。「田園」を聞いているようだ…この連作歌曲集の白眉。

ちなみに原詩はハウスマンの「シュロップシャーの若者」から。この詩集は数々の曲に引用されている。RVWが選らんだのは以下の6つ。

1:ウェンロックの断崖にて
2:夕方から朝まで、ずっと
3:私の仲間は耕しているか
4:嗚呼、私があなたを愛していたころ
5:ブリードゥンの丘
6:クラン

ボールト指揮LPO、ルイス(T)(INTA GLIO)1972/8/12・CD

管弦楽版をオーソリティであるボールトの指揮で聞けるのはこれだけである。ライヴのため、ボールト特有の「雑然さ」がやや邪魔をするが、原曲の美しさは損なわれない。微妙な解釈がさすがと思わせる。
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