湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆メシアン:異国の鳥たち

2017年12月18日 | フランス
○ロリオ(P)ロスバウト指揮南西ドイツ放送交響楽団(SWF)

これはすさまじく色彩的な音楽であり、律せられた部分はただその形骸しか聞き取ることはできず、放埓な多色の散らばりをただ奔流として「右から左へ受け流す」のが正しい聞き方のような気がしてくる。トゥランガリラあたりと似た部分もあるので、ガムラン的な色合いを求める向きにはうってつけの曲だが、この演奏はじつに「メシアンの音楽をメシアンのように」表現しているという点でロスバウドのバトンテクの確かさに背筋が伸びるとともに、やはりロリオのピアニズムが管弦楽の色彩と不可分に混ざり合いリズムとも音色ともつかぬ「何らかの放埓なもの」を表現してやまないところが聴き物だ。メシアンの熱帯幻想を聴くとまるで税官吏ルソーの暗示的な夢を覗いたような背徳の気分になる。熱心なカトリック信者であったメシアンの音楽はその独創性において宗教的に批判もされたが、ここにきかれる鳥たちのザワメキは発情期のそれと解釈されても仕方のないものである・・・ロスバウト&バーデンバーデン放送響はたくみに匂い抜きをしているから、もっとどぎつい色を欲しがる向きもいるかもしれないが。○。

※2007-06-24 22:47:21の記事です

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