20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆マーラー:交響曲第1番「巨人」(1884-96)

2017年04月05日 | Weblog
○バルビローリ指揮NYP(NYP)1959/1/10カーネギーホールLIVE・CD、ハレ管弦楽団(DUTTON,CEDAR/PYE他)1957/6/11,12・CD

バルビの演奏は優しさで出来ている。聞こえるべき音がつぶれていたり(前者)音場が不安定な珍妙ステレオ録音だったり(後者)しても、一貫して流れゆく柔らかな抒情味には独特の味わいがある。ハレ管など技術的にかなり危なっかしいが、長年の付き合いもあってバルビの特質がニューヨークのものより一層よくあらわれているといえる。たとえばゆっくりめの2楽章などいい意味でも悪い意味でもバルビ的。リズム感はあまりよくないが旋律としての表現は微に入り細に入る配慮の行き届いたもので、とくに中間部のデロデロ具合は並じゃない。ポルタメントも多用されちょっと気恥ずかしくなるほどだ。終楽章はとにかく壮麗。光り輝くコーダのニュアンスに富んだ表現は実に美しい。一方NYPの演奏はダイナミック。録音こそ悪いが、たとえばブラスと絡むと聞こえなくなるヴァイオリンの音を脳内補完して聞くなどするとそれなりに楽しめる。終楽章の後半はとくにダイナミズムと抒情の絶妙にバランスの取れたカッコイイ音楽になっている。この組み合わせの演奏をアメリカで聞いたアルマが絶賛したという話は有名だが、NYPなりの荒々しさを巧く情熱的な音楽に昇華してみせるバルビの腕は相当なものだ。しかしここでも聞きどころは何と言っても緩除部の旋律表現である。3、4楽章中間部の感傷性は印象的で、甘やかで自在な歌いまわしはバルビの真骨頂というべきものだろう。完成度でいえば前者、個性でいえば後者。あとは好みか。○。
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