20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆フランツ・シュミット:交響曲第4番

2017年01月25日 | ドイツ・オーストリア
○ウェルザー・メスト指揮ウィーン・フィル(aulide:CD-R)1998live

なぜメジャーにならないのか不思議なフランツ・シュミットのシンフォニーだが(ブルックナーを凝縮しブラームスのような理知性とマーラーのような歌謡性を持ち込んだウィーン風味たっぷりの作風、といったらいいのか)、楽天的でのどかな雰囲気が持ち味でありそういったところが「世紀末」を越えた現代人には余り響かないのかもしれない・・・この4番を除いては。なき妹に向けた嘆きは両端部のトランペットソロにより表現され、ワグナーふうの濃厚な響きを半音階的にうねらせながら息の長く暗さを帯びた旋律を接いでいく。だが決して晦渋ではなく、印象的な美しい旋律ばかりである。スケルツォはまさにブルックナー=マーラーの影響を感じさせるがレントラーのような鈍重なものではなく俊敏できびきびと動く。同年のシェーンベルクにくらべ追求は甘いがこういった小技がとても緻密にこめられている。だから難しさもあろう。メストのVPOデビューは4年前この曲でありLPOと正規録音を行ったのもその頃である。この演奏はしかし円熟などしておらず、咳き込むようなテンポと機械的なまでの精緻さをもったドライヴぶり、ラトルを熱くしたような、小ぶりでしっとりした情趣がないながらも駆け抜ける足取りの軽やかさと確かさが印象的だ。そこにかつての姿を思い出させるウィーン・フィルの赤銅色のひびき伸びやかなフレージングに感動をおぼえる。両者の相性だろう。解釈的にはライヴ的な崩れがありながらもそこがいいという見方もできる。物凄くお勧めではないが一度聴いていい演奏。録音は悪い。マイク一本でステレオ的な拡がりが皆無の放送エアチェックもの。○。
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