20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

☆プロコフィエフ:弦楽四重奏曲第2番

2016年09月18日 | プロコフィエフ
○ベートーヴェン四重奏団(SUPRAPHONE)LP

重い発音ではあるが溌剌とした演奏振りである。激しく、深刻さが漂う、ショスタコのイメージとかぶる。初演団体としての気負いがあるとは思えないが民族的で軽いイメージで捉えられやすいプロコの晩年室内楽に、感情的な昂ぶりをあからさまに示すのみならず内面的な抽象化された純音楽としての側面を見出しはっきり抉り取ってみせている。こんな深刻な1楽章は無いだろう。さすがといえる。2楽章は民族的な部分が大きい楽章であるだけに表現も素直なものになっている。技術的にそれなりの難度のある音楽だが裏三本それぞれの細かいトリッキーな動きまで全て気合に満ちたボウイングでやりきっている。緩徐部の痛切な響きが晩年プロコの本当の心を垣間見させる。3楽章もまた重いピチカートから重いスピッカート、そして印象的な主題が全パートの力感溢れる表現で派手に提示される。1番2楽章に似た細かい刻みの応酬もまた一音一音重く深刻さをかもす。アンサンブルのマニアックな絡み合いを楽しむという意味ではプロコらしさをスポイルしている感もあるが、不協和で皮肉な主題へのつながりにおいて不自然はない。このあたりがやはりプロコの本心と言えるものなのだろう。主主題の復活後もショスタコを思わせる雰囲気が通底する。チェロの謎めいた下降音形を中心としたソロから、極めて悲愴な主題がいざなわれてゆくあたりも、やはりショスタコのような痛切さが感じられる。痛々しい表現はこの団体が持ち味とする人間味のある荒々しさによって血肉を得て響く。闘争的な主題からいくつかの主題が再現されてゆくが、結局冒頭主題に戻る。この団体の力量が如実にわかる非常に聴きごたえのある力強い表現だ。フィナーレは大上段に構えずすっと終わる。モノラルだが録音はいい。組み合わせをかえて二枚くらいLP化された。
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