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あるマーケティング研究者の思考と行動

おじさん図鑑|楽しき考現学

2012-02-16 23:53:17 | Weblog
イラストレータのなかむらるみさんが,美大時代からひたすら観察・取材・描写してきたおじさんのイラストを集めたコンパクトな本。思い出されるのが東京美術学校の出身で,考現学を提唱した今和次郎だ。彼は明治から昭和の世相や風俗をイラストを含めて記録してきた。

おじさん図鑑
なかむらるみ
小学館

本書には多数のイラスト以外に,いくつか写真も含まれている。それらを見比べると,イラストの持つ圧倒的な表現力を実感する。それはおじさんの特徴をわかりやすく強調するだけでなく,著者がおじさんに対して持つさまざまな感情(特に愛情?)を伝えるのに成功している。

本書の帯には「すべての若者に捧ぐ。おじさんになる前に、おじさんを知るべきだ。」とある。出版社としては若者をターゲットにしているらしい(どうりで文字が小さいはずだ・・・真性のおじさんには読むのが厳しい部分もある)。しかし,若者に読ませておくにはもったいない。

著者の鋭い観察眼によって見いだされたおじさんの生態を見ていると,あーいるいると思う一方,え,これはオレ?・・・とぎくりとする。しかし読み進めるにつれ,だんだんとおじさんの多様性,厚み,深みのようなものに気づき始める。負けてはいかんという気になってくる。

おじさん臭さを隠そうと無理に若作りするのもいいが,渋さとか,あるいは可愛らしさとかを身につける方向もある。若さという特権がない分,本人の工夫やセンスが問われてくる。いろいろと考えさせる本である。おじさんこそ読むべきである。そして背筋をすっと伸ばそう。
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キーワード
東京美術学校 イラストレータ
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