名曲30.HERO（ヒーローになる時、それは今）

今が過去になる前に…

日本のミュージックシーンに大きな影響を与えたアーティストは数多く存在しますが、
甲斐バンドも間違いなくその一角に上げられるバンドでしょう。彼らが残した名曲は数あれど、
誰もが知っている曲といえば、やはりこの曲になるのではないでしょうか。

この名曲はSEIKOのCMソングとして使われましたが、甲斐氏のもとにCMソングの企画が
持ち込まれた際、軸となるフレーズについていくつかの案が提示されたそうです。それを見た
甲斐氏が「これならやります」と即答したコピー。これが「HEROになる時、それは今」
だったそうな。この言葉は、当時の甲斐氏の状況を表したものかもしれませんね。今思えば。

名曲コーナーで取り上げるのですから当然好きな曲なんですが(笑)、それを抜きにしても
今聴いても決して古臭い感じはしないんですよね。それはこれからビッグになっていくであろう
人間の魂の叫びというのは、いつの時代にもそんなに変わりはしないからじゃないか、
なんてことを考えています。「銀幕の中」なんて歌詞は、まあ確かに一昔前のものという気は
しますけどね(笑)。

SEIKOのCMソングは、優れた曲が多いんですよね。過去に名曲シリーズで取り上げた
この曲もそうですし、チェッカーズの名曲である「I　Love　you，SAYONARA」もそう。
ドラマ仕立ての良質のCMが多かったな。ちなみにHEROを初めてCMで見たのは、全民放局が
同じ内容の行く年来る年を流していた時代の話で、着物姿のお姉さんが木琴でHEROのメロディーを
奏でていたものでした。今でも印象に残っています(笑)。なお、その年最後かその年最初のCMの
どちらかだったのは間違いありません(笑)。

裏切りの街角、きんぽうげ、氷のくちびる、シーズン、破れたハートを売り物になど多くの名曲を
残した甲斐バンド。その中でもやはり、この曲には多くの敬意がはらわれてしかるべきでしょう。
また冒頭に記した誰もが知っている曲といえば、「安奈」も間違いなくそうでしょうね。