南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

[速報]FreeTel雷神の発売は来年1月27日と年越し

2016年11月21日 | GNSS/QZSS情報
QZSSが受信できAndroid7(N)を搭載したFreeTel雷神の発売は年内ではなく、
以下のURLにあるように来年1月27日発売に延伸となりました。
https://www.freetel.jp/product/smartphone/raijin/?utm_source=DM_POM&utm_medium=email&utm_campaign=dm_20161121_rj1

大衆的なスマホGNSSの新技術開発については日本企業プロパーで対応できるところはないので、残念ながら台湾や中国製などのスマホに期待するしかありません。これは欧米でも日本と同じことで東アジアの国々が生み出す先進スマホが世界を席巻しているわけです。
予約開始はXmas明けの12月26日とのことです。

Android7(N)を搭載し2016年以降のGNSSチップを積んだアンドロイド機においてGoogleのRaw data Measurmentsの全機能が利用できるとのことです。また近々のAndroid7.1への更新によりさらに高精度化される模様です。

とりあえずは予約開始日・発売日が決定したことで前進と評価しましょう。

スマホGNSS Raw dataが前面に<GPS World誌デジタル版11月号

2016年11月17日 | GNSS/QZSS情報
以下のGPS World誌デジタル版11月号URLサイトの43ページから6ページにわたり
http://digital.gpsworld.com/#&pageSet=21

"PRECISION GNSS FOR EVERYONE"と題してスマホGNSS RawDataの記事が出ています。

そもそも11月号の表紙が:
と「スマホで高精度測位」とうたっており、いよいよスマホGNSS Raw dataが前面に出てきています。

Googleが本気でGNSS高精度測位の主役にアンドロイドを打ち出す時代の勢い・流れが見えてきたきたことになります。この記事に刺激されて今後は多くの世界のパワーユーザなどによる実践応用・成果の多面的な動きが国際学会や製品開発にあらわれてくることでしょう。

この記事にありますが、当面はGNSSLoggerはRawdataなどのログ吐き出しを行い、そのLOG処理はMATLABに任せるところまではネット上に公開されています。

当方はなかなか時間が取れなくて、Nexus9にアンドロイド7をいれてGNSSLoggerのAPKまではインストールして動かしていますが、まだそこで止まっています。一応記録として、当方NEXUS9機でのスナップショットを載せて置きます。

以上がロガーが動いているところですが、その時のAndroiTSのレベルプロットが以下です。

Nexus9ではGPS,Glonass,BDSSまでは快調に受信できます。残念ながらQZSSはブランクです。ただしNEXUS9自体ではGPSのみを使用し、Glonass, BDSSは測位に使用していないことがレベルプロットの不適マークからもわかります。

日本国内では顕著な動きはネットを探る限りは余りまだ見えていないようです。
日本勢なり当方なりは、これをQZSSを含めた大きな流れにしたいところであり、雷神スマホの販売開始状況をFREETELにしばしば問合せています。分かりましたら速報します。




中国、惑星間ナビにミリ秒パルサー使用の人工衛星実験開始

2016年11月16日 | GNSS/QZSS情報
IndianExpressによると、先週、中国は惑星間ナビにパルサー天体X線を使用する実験のための人工衛星XPNAV-1の打上げに成功したとのこと
http://indianexpress.com/article/technology/science/china-launches-pulsar-navigation-satellite-4367948/


先の本ブログ記事で米国の度肝を抜く宇宙計画を中国は計画しているのではと書いたが、確かに、GNSSをいくら拡大しても深宇宙・惑星間・太陽系規模のナビには役立たない。
この記事をインド紙が速報したのも面白い。

ミリ秒パルサー天体の自転周期の長期安定度は原子時計をはるかに凌ぐことが示されてきている。またこの天体からの電磁パルスは太陽系の外側から来るので、太陽系内のどこでもナビ信号として活用できる。こういう壮大な惑星間飛行のナビの実現には何十年という長期計画が必要となるであろう。中国がこういう途方もない計画を開始したことをどう評価するか。

この記事を読んで、中国がナビ衛星系を「北斗」と名付けたことの意気込みを思い出した。
北斗には、衛星系ナビから次は人工惑星系ナビへ進化してゆく心意気が読み取れる。計画の進捗を見届けたいが、いったい何十年後になるのか。

もっと詳しいパルサーナビの記事が以下のURLに見つかったので記録します。
http://physicsworld.com/cws/article/news/2013/jun/04/pulsars-map-the-way-for-space-missions

直接関係ないことだが、インド紙のWEBサイトはゴチャゴチャと、左右・前後・中央からのポップアップ広告パンチが出てきて、読むのに集中できないことが多い。しかし最近のFirefox新型ブラウザには、これらのポップアップ広告を排除する機能(まとめ読み)ができたので、インド紙サイトを読むときには、このボタン表示を押して読むのがおすすめです。スキットします。是非ともご利用ください。


GPS World誌スマホGNSS Rawdataリダクション成果初掲載

2016年11月10日 | QZSS Raw data技術byスマホ
以下の最新のGPS World誌のURLにスマホGNSSのRawdataリダクション状況が掲載されました。
http://gpsworld.com/innovation-precise-positioning-using-raw-gps-measurements-from-android-smartphones/
これからGNSS関係の国際学会ではスマホRawdataの測定結果がガンガン出ることでしょう。

https://github.com/google/gps-measurement-tools/releases
にGoogleのVersion 0.0.1のGnssLogger applicationがリリースされソースコードzipとともに置かれています。Nexus9などAndroid N(7)インストール済みのスマホの上で動作します。

高度な通信と宇宙測位の複合システムが手のひらの中で一体として実現できる時代がきたといえます。高い雑音指数にさらされているスマホ内蔵GNSSアンテナがまだ弱点として残ってはいますが。

例えば来月に販売開始される雷神などのAndroid7スマホならば、2式で6万円のスマホにより高度な相対GPS測位・測距実験を、4GやLTEなどの実時間の高速通信機能SIMとともに内蔵処理アプリも含めて動かせ、成果がでてしまう時代が到来したことを意味します。

また高精度IoTの基盤技術としてスマホRawdataの測定手法が重要な役割を示すであろうことは、本ブログで繰り返し強調してきました。

一番重要なデータリダクションの評価の図面を以下に引用します。


このGoogleの20年長期戦略の大きな到達点になる新通信測位一体化の潮流に、QZSSを是非とも絡めねばなりません。いまのところXmas発売予定のFreeTelの雷神しかQZSS対応しているAndroid7の可能機はありませんが。


まさに勝負のときが到来しているといえます。QZSS司令塔たる内閣府は改めてスマホGNSS測定への関心を高め多くの有能な若い人材やパワーユーザに呼びかけて取り組みを強化すべきでしょう。この記事はそのためのおそらくはじめての序章となるものでしょう。

トランプ勝利により
日本の独自QZSSの重要性が決定的になったといえるまさにその時に、それにふさわしい課題が与えられたというべきでしょう。毎回繰り返しますが、前世紀と異なり大衆的Massiveな利用の視点なくしてQZSSへの国民的理解の持続性は確保出来ないと思います。

負けるな日本、宇宙五輪で

2016年11月08日 | GNSS/QZSS情報
日本が世界最高のユビキタス大国、IT大国になると表明下さってたのが前世紀末の森 元総理の時代であった。

ユビキタスや現在のIoT技術の鍵をにぎるのは、宇宙測位技術GNSS/GPSが必須であることはすでに明らかであったはずなのに、森元総理の爆笑やりとりの中でもみ消されつつあった。

その中核となる日本の測位衛星初号機みちびきQZS1号機があがったのは、皮肉にもやっと3.11大震災の前年2010年であった。そして更にその後継機は遅れに遅れて、やっと2017年に2号機が上がる予定である。

そして再び森元総理が仕切っている新東京五輪開催が2020年に迫ってきている。特にパラリンピックのハイテク化が進んでいることはリオ五輪で日本国民にもよくわかった。オリ・パラのいずれでもいまやIoT技術が浸透している。

人間の能力を極限まで開発し、その成果を競って採点するオリパラでは、すでにIoT技術が最大限に活用されている。スポーツウエアやシューズやボールなどにスマートデバイスやセンサーが埋め込まれて練習への活用が繰り返されている時代になっている。

また3.11以降の宇宙技術における中国の躍進、そしてコンピュータの粋ともいえるスマートフォンにおいてはアジアの躍進が目覚ましい。しかしイットさんにはITからIoTへの壮大な飛躍はご理解ねがえないであろう。まだ「イット神の国」にとどまっておられるのではないか。そうでないなら今世紀に入ってからの日本の宇宙技術の人材育成や予算が極めて不十分であることについて少しは支援コメントされているはずである。実際、五輪予算に比べても惨憺たる状態である。

しかしリオ五輪の最大の成果・希望は陸上男子400mリレーでの銀メダルの獲得であったと思う。世界の強豪ひしめく陸上界において、個人では困難な決勝進出を、バトンリレーという技術と工夫と練習で実現し、銀メダルを勝ち取ったこと。多くの日本人は「やれる」と思ったことだろう。

同じことが宇宙技術にもいえよう。QZSSが2から3機体制になるとき、独自の楕円軌道間の衛星群の時空間のバトンリレーを高精度に成し遂げることができれば、円軌道にとどまっている他国の強豪測位衛星群を抜く新しいチャンスが見えるはずである。

日本はQZSSで宇宙五輪の壁を打ち破り、希望を持ってオリパラへの応用に大いに活かそうではないか。

先のBDSS記事はペンディングとします

2016年11月07日 | GNSS/QZSS情報
ここ数日BDSSのスマホ受信の様子がおかしくなってきていたので、覚悟を決めてアップしたのですが、アップしたのちにBDSSがスマホで急に受信回復となりました。

しばらく様子を見ましょう。先の記事はペンディングとします。

よろしくお願いします。

QZS-2号機の打上げはいつ?皆さんからのご質問

2016年11月01日 | GNSS/QZSS情報
当ブログでQZS-1の後継機の打上げまでにQZS対応スマホが絶滅危惧種になるなどと脅し文句を書いてきましたので、「それでは一体QZS-2号機の打上げ予定日はいったい何時なの?バナナの話など書いている場合ではないだろう。」などと皆さんからのキツイご質問が来ました。そこで当方は責任を感じまして、WEBで打上げ日程の最新情報を探してみました。

責任ある内閣府の司令塔のサイトでは以下のURLに
http://qzss.go.jp/overview/services/sv01_what.html
以下のようなスケジュール表がありました。それによりますと2号機の打上げは2016年度つまり今年度末、おそらく来年の1~3月あたりと思われます。


しかし肝心の種子島の以下の打ち上げスケジュールURLには見当たりません。
http://www.jaxa.jp/projects/in_progress_j.html
これは、いったいどうなっているんだろう。豊洲問題と同じくいわゆる意思疎通の不透明性や縦割りの弊害で起きていることですかね。ホームページは最新情報で更新すべきでしょう。
国民に情報速くオープンに知らせられなければ、中国の宇宙開発の秘密主義と同じではないでしょうか。

またGPS World誌は以下のような打上げスケジュールのURLを更新しています。

これによりますとQZS-2は来年のNET Januaryと記載されています。とすれば打上げ予定日まで100日を切っています。NETの意味合いが不明ではありますが。

QZSの後継機打上げへの社会的関心(中国北斗に圧倒されるな)が高まっていますので、内閣府司令塔殿には、そろそろ100日を切って前進していることを示すような、打上げまでの雌伏八年挽回カウントダウン日数を広範に国民の皆様に示すためも、WEBサイトトップに表示されてはいかがでしょうか。

ASUS Zenfone2インテルAtom型は在庫の最後をASUS社が世界中からかき集めて日本で絞りこんで売り出せば、なんとかなるような気配と思われます。くれぐれも今はなきインテルAtom型を購入してください。少しデカくなりますがZenfoneZoomもインテル型です。
それから、まだ予定ですがFleetel社が12月にXmas製品で雷神という機種を出します。これもQZS受信対応が見込まれるということは、以下の当ブログURLにてお知らせしました。
http://blog.goo.ne.jp/qzss/e/8de2683f2e3892ad287f5dac4e27edfe
ただ、これはまだ手に取って点検しているわけではありませんので、入手でき次第Skyplot、LevelPlotを取って確認した結果のスナップを当ブログにてご紹介しますので、それをお待ち頂くのがよろしいかと思います。