南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2020年代、アリババが月面まで物資を配達するかも

2016年10月19日 | GNSS/QZSS情報
GPSWorldの最新号の以下のURL記事によると
http://gpsworld.com/precision-gnss-in-phones-drones-and-cars-forecast-by-2021/
“Most interesting in the location technology competitive landscape is the involvement of Internet giants Google and Alibaba,” concludes Connolly. “Google recently announced it will make GPS pseudoranges available to developers, which, although extremely nascent, could open up the door for a lot of innovation. And in China, Alibaba is a major partner in the roll-out of Continuous Operating Reference Stations, or CORS, networks in the region.”

とのこと。2021年のスマホGNSS超高度化を目指して、Googleが着々とアンドロイドGNSSのRawdata projectでの高精度化を進めているのは分かっていたが、Googleを排除している中華圏でのGNSS利用の巨大雪崩を引き起こす主役は、どうも巨人アリババであるようだ。

一方の雄であるアマゾン自身はこの開発の主役とならずに、おそらくGoogleのスマホGNSS技術を大いに活用するのであろう。
アリババも当然Googleのオープンな開発手法の成果を存分に活用して、独自の中華Rawdata技術に発展させてゆくのであろう。中国の宇宙開発は凄まじい勢いで進行しており、北斗BDSSはアリババ専用のRawdata機能を持たせるのかもしれない。

2020年代には中国は月面基地の建設を開始しているだろう。そこへ物資を運ぶためにアリババが一役買うのかも知れない。2020年を目標の北斗BDSSの3レイヤ構成は月面への輸送ナビゲーション活用まで考慮しているのではないだろうか。

中国の宇宙長期戦略・野望は不透明ではあるが、米国の度肝をぬくことを狙っていることは間違いないだろう。60年前に旧ソ連の人工衛星に度肝を抜かれた米国に次の中国による宇宙サプライズに対応できる国力が残っているだろうか。

さて我が国の楽天は超楽天的にこの事態の推移を見守るのであろうか。2020年には日本列島上空に張り付くように飛翔する準天頂衛星QZSS群は、まさに地域測位航法衛星システムとして機能する。楽天など日本周辺地域宅配業も存分に活用できるはずである。