森にようこそ・・・シャングリラの森

森に入って、森林浴間をしながら、下草刈りをしていると、自然と一体感が沸いてきます。うぐいすなど小鳥たちと会話が楽しいです

徒然草(吉田兼好)・・・賢者の智恵(22)

2017-02-12 08:17:40 | 生きる



      徒然草(吉田兼好)・・・賢者の智恵(22)

      第3章 暮らす・・・こころ穏やかに日々を暮らすために③

      ・心狂わす深酒、心を通わす一献

       なにかことがあるたびに、まずは酒を勧めて、無理に飲ませているのをおもしろがるのは、
       どうしてなのか、わけがわからない。飲む人が、とても我慢できそうにない様子で眉をひそ
       めて人の見ていないときを見計らって酒を捨てようとし、逃げようとするのを、つかまえて、
       て、引きとめ、むやみに飲ませてしまうと、きちんとした人も、たちまち狂人のようになっ
       て馬鹿になり、健康な人も、見る見るうちに重病人のようになって、前後深くになって倒れ
       込んでしまう。

       翌日まで頭痛がし、食べられず、うめき伏して、前世と現世の生の境を隔てたように、昨日
       のことは記憶がなく、公私の大事な用も怠って、支障をきたす。

       思慮深い感じて、奥ゆかしいと思っていた人も、分別もなく大声で笑い騒ぎ、しゃべりすぎ、
       鳥帽子は歪み、紐もはずし、裾をまくりあげて脛をだし、そのたしなみのない様子は、日ご
       ろのその人とも思えない。酔っぱらった女はというと前髪をかきあげて額を剥き出しにし、
       恥ずかしげもなく顔をのけぞって笑いだし、人が盃をもっている手に取ついたり、下品な人
       は肴を取って他人に押しつけたり、自分でも食べたりしているのは、みっともないものだ。

       月の夜、雪の朝、また桜の花の下でも、ゆっくり話をしながら盃をだしたりするのは、なに
       かにつけて感興を添えることである。なすこともなく所在ない日、思いがけなく友がやって
       きて、一杯やるのも、心が慰められる。近寄りがたく高貴な方がおいでの御簾のなかから、
       御果物や御酒などを、いかにも上品そうな様子で差し出されたりするのも、たいそうよい。
       冬、狭い座敷で、火でなにかを煎りなどして、心おきない親しい者同士が差し向かいで大い
       に飲むのも、とてもおもしろい。旅の仮屋や野山などで、「御肴になにかあればなぁ」など
       といって、芝の上で飲んでいるのも、たいへんおもしろい。酒を勧められるのをひどく迷惑
       がる人が、無理強いされてほんのちょっと飲んだのも、なかなかよい。身分の高い人が、特
       別な好意で、「もう少し飲みようが少ないな」などとおっしゃたりするのも、うれしいもの
       だ。近づきになりたい人が酒好きで、すっかりうちとけてしまったのも、またうれしい。

                                          (第175段) 
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