Just Another Day in the Life of KC

International Relations 101 : 国際関係学 101

やはり移民を受け入れるべきだと思う

2012年04月07日 | 日本
3月23日の記事 先進国では 汗をかかずに暮らす人が増えている で、「労働集約型企業の海外移転が進み、国内の働き口が減る」「労働所得が減る分、投資所得を増やす必要がある」「正しい移民を受け入れ、不動産価値の下落を食い止めるべき」と書いたところ、BLOGOS のコメント欄には予想通り、移民受け入れに反対のコメントが多く寄せられました。

寄せられた典型的なコメントは:

(1) 汗をかいて働くのが日本人の美徳で、投資所得で暮らすなんてけしからん。

(2) 日本は元々人口が多すぎただけで、人口が減少しても一人当たりGDPが減少しなければ豊かさを維持できる。

(3) 人口が減少して不動産価値が下がれば、より広い家に住めるし渋滞が減るので、いいこと尽くめだ。

(4) 絆を重んじる日本人に多民族国家は適さず、単一民族国家を維持すべきである。

(5) 移民を受け入れれば、日本人の働き口が奪われる。

(6) 移民を受け入れれば、社会保障負担がさらに重くなる。

 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


まず「汗をかいて働くな」などと言った覚えはありません。

働き口があって、汗をかいて働きたければ、是非そうして下さい。

「国内空洞化で働き口にありつけない人は、何か他に稼ぐ方法を考えるべきなんじゃ?」と問いかけたまでで、対案も出さずに「働かずに投資所得で暮らすなんてけしからん」と言われても...

二番目の「人口が減少しても一人当たりGDPが減少しなければ豊かさを維持できる」と、三番目の「人口が減少して不動産価値が下がるのはいいことだ」は間違っていると思います。

日本は世界の中でも、国土面積に対するコンクリート率が非常に高く、「インフラがよく整備された国」と言えば聞こえはいいですが、巨額の借金をして1億2000万人分のインフラを整えてしまったのです。

ちょうどNHKスペシャルが「橋が道路が壊れていく... インフラ危機を乗り越えろ」という番組を3月31日に放送しました。 以下が、その番組紹介です。

 


今後40〜50年間で人口が約4000万人減少する一方、1億2000万人分造られてしまったインフラを維持するのに毎年15兆円かかるのです。

この番組は「インフラ維持のため毎年15兆円なんて到底払えないので、都市部に集まってコンパクトに暮らしましょう」と提案していますが、本当にそれだけで問題は解決するのでしょうか?

人口減少によるインフラ老朽化の放置は、壊れた橋や道路だけにとどまりません。

2015年に新幹線が新函館まで開通すると、北は北海道から南は鹿児島まで新幹線が日本を網羅することになりますが、人口が4000万人減少すれば、東京・新大阪間のようなプラチナ路線以外では、不採算で廃線を余儀なくされる区間がかなり出てくるでしょう。

ローカル線はもっと悲惨かもしれません。

もう既に大半が赤字の地方空港(たしか全国に99箇所?)も、多くが閉鎖されるでしょう。

高齢化社会において都市部に集まって住むのは良いアイデアだと思いますが、その他の地域がコンクリートと鉄の廃墟と化してもいいんでしょうか?

コンクリートと鉄の廃墟をすべて撤去し、緑に戻す資金があれば問題ありませんが、撤去と緑化は維持よりずっとお金がかかると推測されます。

つまり元々8000万人分のインフラしか整備されておらず、その他の地域は緑豊かというのなら結構な話しなのですが、1億2000万人分造られてしまったインフラを8000万人分に戻して緑化するのは、今の日本の財政状況を考えると、不可能に近いと言わざるを得ません。

しかもインフラを8000万人分に戻したからといって、1億2000万人分のインフラを整備するのに積み上げた借金は減ってくれません。(というかさらに増えます)

いくら一人当たりGDPを今のレベルで維持しても、人口減少によりトータルのGDPが減ってしまっては、プライマリー・バランスを黒字化し、それを維持することも不可能です。

そして一番肝心なのは、人口8000万人というのは通過点に過ぎず、移民を受け入れない場合2100年の人口は4000万人と推測されており、人口減少というのは終わりのない戦いだということです。(8000万人なら何とかなるんじゃねと笑っている人も、さすがに4000万人と聞くと黙ってしまうでしょう)

四番目の「日本人は絆を重んじる」は本当でしょうか?

瓦礫の受け入れを拒否する自治体が相次ぐのを見ていると、口先だけのような気がします。

普天間移転問題も全く同じで、沖縄県民の負担を軽減してあげようと声を上げたものの、それじゃおたくの自治体が受け入れてよと言われると「いやうちは無理、どこか他をあたってよ」のたらい回しで、結局海外移転を要求する始末です。

もし日本人が本当に絆を重んじる民族ならば、自分達の都合だけを主張するのではなく2100年の世代にも配慮し、コンクリートと鉄の廃墟だらけの国土を引き渡すべきではないと思います。

文化の違う移民を受け入れれば、苛立ちを感じることもあるでしょう。

ある程度の不快を我慢してでも人口を維持し、将来の世代に整備されたままのインフラを手渡すぐらいの心構えを、今の世代に持って欲しいものです。

最後に五番目の「移民を受け入れれば、日本人の働き口が奪われる」と、六番目の「移民を受け入れれば、社会保障負担がさらに重くなる」に関しては、以下の提案をします。

まず日本が参考にすべき移民受け入れ例を二つ挙げてみましょう。

シンガポールの投資家居住権: 50万ドル以上の住宅をシンガポールで購入し、さらに40万ドル以上の資産をシンガポールの金融機関に維持する。 民間の医療保険に加入する。(医療は自己責任) 居住権は5年ごとに更新可能。(更新の際、住宅・金融資産・医療保険を維持していることを証明する必要がある)

起業家居住権: 現地で起業し、地元民をある一定数以上雇用する者に与えられる居住権。 民間の医療保険に加入する。(医療は自己責任) 4〜5年ごとに更新可能。 アメリカ・カナダ・オーストラリアなどが提供している。

日本でも同じように、以下の二つのタイプの居住権を提供してはどうでしょうか?

投資家居住権: 5000万円以上の住宅(またはマンション)を購入し、5000万円の5年物国債を購入する。 さらに1000万円を銀行の普通口座に維持し、医療を受ける場合の備えとする。(医療費は10割自己負担) 居住権は5年ごとに更新可能。(更新の際、住宅・1000万円を維持していることを証明すると共に、5000万円の5年物国債を買い替える必要がある)
  
起業家居住権: 日本で起業し、日本人をある一定数以上雇用する者に与えられる居住権。 1000万円を銀行の普通口座に維持し、医療を受ける場合の備えとする。(医療費は10割自己負担) 居住権は5年ごとに更新可能。(更新の際、雇用・1000万円を維持していることを証明する必要がある)

これなら日本人の雇用が奪われることはないし(逆に雇用が生まれる)、日本人の社会保障負担が重くなることもありません。

住宅需要が増えれば、価格の下落に歯止めがかかるかもしれません。

また5000万円の5年物国債を購入してもらうことで、インフラ整備の足しになります。

ずいぶん自分勝手な移民政策だと批判する方がいるかもしれませんが、移民政策は外交と同じで、自国の国益を拡大するための政策ですから、どこの国の移民政策も自分勝手です。(どうしても違和感を感じるなら、難民の受け入れも考慮すべきでしょう)

こんなに高いハードルをクリアしてまで、日本に住みたい人はいるんでしょうか?

掃いて捨てるほどいると思います。

以前シンガポールの知人を北海道でゴルフ接待したことがあります。

彼の金融資産は日本円で10億程度ですから、日本ではお金持ちの部類に入るかもしれませんが、シンガポールでは中の上といったところです。

「日本に投資家居住権のようなものがあったら、毎年6月から9月まで北海道に滞在するんだけどなー」と嘆いていました。

東南アジアには、日本円で数十億〜数百億の資産を持ち、投資所得で暮らす人がゴロゴロいます。

暑い土地で暮らす彼らの憧れは、北海道で夏を過ごすことなのです。(アジアで北海道に匹敵する避暑地が他にありますか?)

私は札幌から車で約一時間の海に面した街で、夏を過ごします。

この街の住宅(土地100坪前後)価格は、1000万〜1500万円といったところです。

最近この街の高台に、マレーシアの会社が広大な土地を購入しました。

一区画500坪に整理して豪邸を建て、一戸1億円以上でマレーシア華僑の富裕層に分譲販売する意向だそうです。

この会社の社長も「日本に投資家居住権ができれば、全戸あっという間に完売する」と言っていました。

北海道のニセコには、毎冬オーストラリアからスキー客が大勢やってきます。

彼らの中には、たった数週間滞在するために、リフトのそばに別荘を購入する人もいますが、もし日本が投資家居住権を提供すれば、もっと多くの住宅が売れ、もっと長期間、彼らは滞在するでしょう。

こうした東南アジアやオーストラリアの富裕層は、日本に一年中住むつもりはなく、毎年ワンシーズン(3〜4ヶ月)滞在するために、一億円以上のお金を日本に落としても、痛くも痒くもない人々です。

汗水たらして働くことを美徳とする日本人の反感を買うかもしれませんが、投資所得で暮らす世界の富裕層は、夏は涼しいところに、そして冬は暖かいところに滞在するのです。

そして東京も、大都市の便利さが好みのアジアの富裕層にとって、憧れの場所です。

アジアの大都市で、東京ほど空気が綺麗で、安全で、食べ物が美味しく、便利なところは他にありません。

 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


もちろん出生率を上げる努力も必要でしょう。

ただ移民を積極的に受け入れていない先進国で、出生率2.1以上を維持している国はありません。

アメリカの出生率は2.1以上ですが、その内訳は、人口の約20%を占めるヒスパニック女性の出生率が約3.5、中産階級以上の白人女性の出生率が約1.5と、移民を受け入れることで高い出生率を維持しているのです。

フランスでも、出生率が高いのはアルジェリア・セネガル・カメルーン等出身の移民女性で、豊かな白人女性の出生率は、どんなに子ども手当てを手厚くしても上がっていません。

日本が国力やインフラを維持するために必要な人口の最低ラインを一億人と、私は見ています。

一億人というのは、心理的にも重要な下支えの抵抗線で、これを割ってしまうと、下げが止まらなくなると感じています。

何とか出生率を最低1.5まで引き上げると共に、日本の国益にかなう移民を受け入れ、人口一億人を維持しないと、この国は大変なことになってしまいます。

移民受け入れに反対の方々に理解して頂きたいのは、しっかりとした移民政策を持たない今の日本に、現在進行形で移民が入ってきているという事実です。

そして彼らの中には、日本の国益に適わない(寄生型・犯罪型)連中も、かなりいます。

日本にとって何が有益なのかをはっきり自己主張する(しっかりした移民政策を立案して、有益な人材を受け入れる)のが重要であり、ただ何となく移民受け入れに消極的な現状維持が最悪の選択なのです。

せっかく世界でトップクラスのインフラを整備したのに、移民受け入れをかたくなに拒んで人口減少を許し、国土をコンクリートと鉄の廃墟だらけにしてしまうのか、それとも我が国に有益な移民を受け入れ、彼らにも我々の素晴らしいインフラを活用してもらうと共に、彼らの資金力を足しにしてインフラを維持していくのか、決断するのにそう長い時間は残されていません。

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移民受け入れに関するエントリーを書くと、コメント欄に香山リカ症候群(対案なしで批判ばかりする人々)が多く登場するので、今回は一つお願いがあります。

出生率を上げる努力もすべきだと思いますが、それだけに頼って移民を受け入れなければ、人口減少を食い止めることができないのは明らかです。

移民受け入れに反対の方は、人口が減少していく中(2060年に8000万人、2100年に4000万人)、インフラ老朽化にどう対処するのか対案を出してください。

私が挙げた二つの移民受け入れ例の他にも、日本の国益に適う移民受け入れ案が色々あると思いますので、良いアイデアをお持ちの方は提案して下さい。

建設的な提案や意見交換が、人口減少という極めて深刻な問題の解決への第一歩になると思います。

 


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艾未未 (Ai Weiwei) インタビュー

2012年03月26日 | 中国
3月22日にカナダのラジオ局(CBC)で、艾未未(Ai Weiwei)のインタビューが放送された。

 

ここ数年の経過をまとめると: 2010年11月、北京の自宅において中国当局により軟禁された。 艾未未は四川大地震で校舎の下敷きになり児童が死亡したことについて、当局の責任追及をしたり、上海市の人権活動家馮正虎のドキュメンタリー制作に関わっていた。 2011年4月3日、艾未未は香港へ行く予定だったが、北京首都国際空港で出国審査を受けた際に、2名の出国審査官に彼の助手と引き離され、他の場所へ連行された。 その後、艾未未の携帯電話の電源は切られ、彼とは連絡が取れなくなった。 また当時、艾未未のスタジオ付近には15-20名の私服警察がいて、艾未未のスタジオを捜索し、取り調べを行うため、8名のスタッフを北京市朝陽区南皋出張所へ連行した。 一方、艾未未の妻である路青は警察により一人自宅に軟禁状態となった。 艾未未のスタジオの入口前後50メートル先には立ち入り禁止区域が設けられ、いかなる人物も車両も近づけない。 新浪微博(中国版ツイッター)で「艾未未」をキーワードで検索すると、「関連法規および政策に基づき、検索結果は表示しない」と表示される。 同時に、新浪は艾未未の拘束関連の内容をすべて遮断している。(Wikipediaより引用)

 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


2011年6月22日に保釈となって以来、欧米メディアとの接触を禁止される中、かなり勇気のいるインタビューだったと思う。(また逮捕されなければよいが...)

インタビューの全容は、ここで聴ける。

この歴史的インタビューに関わったスタッフの取材後記を要約すると:

中国で最も有名な活動家(美術家)の自宅に到着する前から、従うべきルールがあった。 携帯電話は盗聴されていたので、艾未未のスタッフとの連絡は電子メールに限られていた。 艾未未は北京の芸術区に住んでいる。 到着すると、プレートのない黒い車(私服警官の車)が目に入った。 運転手は遠くから我々を監視していたが、邪魔はしなかった。 艾未未の家のゲートに向けて監視カメラが2台設置されていた。 艾未未の家の前では工事が行われていたが、労働者は仕事をしていなかった。 彼らも私服警官なのか? 中国では、つい疑い深くなる。 家に入ると、彼のアシスタントが我々を迎えた。 艾未未は白髪混じりの顎鬚を生やし、 威風堂々としていた。 彼は物静かに我々を迎え、インタビューが始まった。 

 

 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


艾未未は、二人のスイス人(ジャック・ヘルツォーク、ピエール・ド・ムーロン)と組んで、北京オリンピックの主会場である鳥の巣を設計した。

 

この三人はまた一緒に、今度は2012年のロンドン・オリンピックを記念して Serpentine Gallery(サーペンティン・ギャラリー)の2012年パビリオンを設計する。

サーペンティン・ギャラリーとは、ロンドンのケンジントン・ガーデンズにある現代美術館で、2000年以来毎年、庭にパビリオンが建設されてきた。

 2000年 by Zaha Hadid
 

 2001年 by Daniel Libeskind
 

 2002年 by Toyo Ito and Cecil Balmond
 

 2003年 by Oscar Niemeyer
 

 2005年 by Alvaro Siza and Eduardo Souto de Moura
 

 2006年 by Rem Koolhaas and Cecil Balmond
  

 2007年 by Olafur Eliasson and Kjetil Thorsen
 

 2008年 by Frank Gehry
 

 2009年 by Kazuyo Sejima & Ryue Nishizawa
 

 2010年 by Jean Nouvel
 

 2011年 by Peter Zumthor
 

 2012年 by Herzog & de Meuron and Ai Weiwei
 


注)2004年はデザインが複雑過ぎて、予算オーバーで建設されなかった。


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世界の代表的機関のトップに また韓国系

2012年03月24日 | 韓国
今朝、以下の記事を目にした。


これで国連事務総長の潘基文(パン・ギムン)氏に次いで、世界の代表的機関のトップをまた、韓国系が務めることになる。

ジム・ヨン・キム氏に関しては2年ほど前、当ブログで取り上げたことがあるので、その記事を少々編集して再掲載してみる。

◆ ◆ ◆

30年前すでに、ロサンゼルスのコリアタウンは日本人街の数倍の規模があった。 そしてそれから30年間、その差は広がる一方で、今では10倍以上になっているかもしれない。

ドジャー球場で行われたWBC決勝の韓国戦をテレビで観た人なら気付いたと思うが、スタンドには韓国人ファンの方が圧倒的にが多かった。

しかし実はもっと重要な部分(存在感、注目度)で圧倒されている。

アメリカでプレゼンスのある韓国系を何人か紹介してみよう。


Jim Yong Kim: 韓国生まれ、5才の時両親と共にアメリカに移住、ブラウン大学卒業、ハーバード・メディカルスクールで博士号を取得後、同所で教授を務める。 WHO(世界保健機関)のHIV/AIDS部門のディレクターを務めると共に、Partners In Health(世界の貧困地域で無料の医療を提供する機関:これは本当に素晴らしい機関)を共同で立ち上げる。 2009年、ダートマス大学の学長に就任する。

John Choon Yoo: 韓国生まれ、幼少時に両親と共にアメリカに移住、ハーバード大学をトップで卒業、イェール・ロースクール卒業後、最高裁判事クラレンス・トーマスの助手を務める。 2001年から2003年まで、ブッシュ大統領の法律顧問として、イラク戦争肯定論やグアンタナモ米軍基地に収容された捕虜に対する Waterboarding(水拷問)を正当化する理論(Torture Memo)を唱え、非難の嵐にさらされる。 現在は、カリフォルニア大学バークレー校教授。

Michelle A. Rhee: 韓国からの移民の娘としてミシガンで生まれ、コーネル大学、ハーバード公共政策大学院(ケネディースクール)を卒業する。 ワシントンDCの公立学校システム(生徒はほぼ全員黒人で最低レベルと酷評されていた)を大改革したことで、世界の注目を浴びる。

日本人にも海外で優れた経歴を持つ者はいるのだろうが、多くは海外に根付かず、日本に帰国する。

上記の3人のような韓国系は、海外メディアに頻繁に登場するので、欧米人なら誰でも知っている、つまりプレゼンスがある。

よって韓国人は優秀だという共通認識が世界で生まれる。

アメリカの韓国系ロビー団体は、在米韓国人から集める豊富な資金により、政界に強い圧力をかけている。

例えば従軍慰安婦決議案(アメリカ合衆国下院121号決議)がアメリカ合衆国下院で可決されたのは、この案の提出者である日系下院議員マイク・ホンダに、韓国系ロビー団体が多額の資金を提供したからだった。

彼らは日系議員にこの案を提出させることで、この案の正当性を強調したかった。

そしてマイク・ホンダは、金に目がくらんで日本を売った。

また英語圏では旧正月の事を以前は「chinese new year」と呼んでいたのだが、韓国でも旧正月を祝うという理由で、韓国系ロビーが圧力をかけ「lunar new year」に変えさせた。

現在では「日本海」を「東海」に変えさせようと圧力をかけている。

潘基文が国連事務総長に選ばれたのも、国連での韓国ロビーの勝利だった。

彼らはロビー活動を通じてアメリカや世界で、韓国人が重要な decision making に関われるよう、長年に渡って努力してきた。

近ごろサッカーやフィギュアスケートで負かされたので目が覚めて、やっと危機感を持つようでは、あまりにも遅すぎる。

ハーバード大学の学部に日本人留学生が5人しかおらず(韓国人の学部留学生は100人以上もいるのに)、日本人の存在感が薄いと学長が嘆いていたのがすべてを物語っている。

政治・経済の分野で優位性を取り戻すには、長い時間をかけて草の根を広げていくしかない。

いま日韓の間でついてしまった差は、5年や10年では取り戻せない。

30年後に世界で日本が存在感を示すには、今から日本の若者が世界に出て行かなければならない。

そして彼らの子供が海外で育ち、優秀な成果を収め、アメリカそして世界で注目され、日系ロビー団体が資金力をつける過程でやっと、世界での我々の影響力は高まっていくのだ。

◆ ◆ ◆

BLOGOS 様へ: 記事の転載は正確にお願いします。


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先進国では 汗をかかずに暮らす人が増えている

2012年03月23日 | 世界
Federal Reserve の資料を見ていたら、興味深いグラフを見つけた。

2009年以降(以下のグラフの黄色い部分)アメリカでは、全体所得のうち労働所得の占める割合が激減し、配当所得が急増している。


過去30年(1980年以降)のスパンで見ても、同じ傾向が窺われる。

以下のグラフは OECD の資料から拝借したものだが、アメリカ以外の先進国でも、大体1980年を境に、全体所得のうち労働所得の割合が減少している。



なぜ先進国で労働所得の割合が減少しているのか、その原因を三つ挙げると:

(1) グローバル化と貿易の自由化により、労働集約型産業が先進国から発展途上国に移動し、先進国で資本集約型産業(投資所得)の割合が増えた。
 
(2) グローバル化と労働市場の自由化により、先進国で労働組合の交渉力が弱くなった。

(3) ICT(情報通信技術)の進歩により、比較的少ない労働力で生産性を上げることが可能になった。

◆ ◆ ◆

私はアメリカとカナダで暮らしたことがあるが、日本と一番違うと感じたのは、働かずに快適な生活を送っている人々がやたらに多いことだった。

所属していたゴルフ・クラブでも、働かずに平日から午前中はゴルフ、昼食後はクラブハウスでポーカーやジンラミーに興じて、夕方になると家に帰っていく奴らがたくさんいた。

不思議に思ってある時、ゴルフ仲間の一人に聞いてみた。

すると彼は「移民を受け入れず、白人社会を維持して我々自身が汗をかいて働くか、ハングリー精神に満ちた発展途上国からの移民を受け入れ、彼らに汗をかかせて我々は働かずに暮らすか、この二つの選択肢のうち、我々は後者を選んだんだよ」と答えた。


北米の不労所得者のなかで最も多いのが、住宅や株の値上がりで生活している人々だ。

第2次世界大戦以降、北米の住宅価格は毎年平均で約10%(名目:non inflation adjusted)上がってきたといわれている。

手元にリンクできるソースはないが、私自身の体験によれば、この仮定はリーズナブルといえるだろう。

注)サブプライム危機で住宅価格が下落したといわれているが、それは住宅を買うほどの収入がないのにローン審査を誤魔化し、無理やり購入した低所得者層の居住地域で、高級住宅地は海外からの富裕層バイヤー需要で値上がりし続けている。


では北米の住宅価格は、なぜ上がってきたのだろうか?

需要が供給を上回れば価格は上昇するのだから、住宅着工件数を上回る数の新たな住宅購入者が現れれば、住宅価格は上がるはずである。

すなわち、高い出生率 and/or 移民の受け入れが必要になる。

日本でも出生率が突然急上昇すれば、30年後くらいには住宅価格が上昇し始めるだろう。

しかし出生率が急上昇する可能性はゼロに近いし、30年後なんて気の遠くなる話しだ。

もう一つの選択肢、移民受け入れの話しを日本人にすると、反対意見でコメント欄が炎上するのは経験済みなので多くを語るつもりはないが、以下が選択肢だということだけは理解しておくべきだ。

(1) 移民受け入れを拒否すれば、持ち家(or マンション)の価値が下がる。 今世紀中頃までに人口が4000万人減るのだから、かなりのペースで下がるだろう。

(2) 正しいタイプの移民(富裕層と優秀な若者)を受け入れれば、持ち家の価値は上がる。 不労所得と消費の相関関係は、労働所得と消費の相関関係よりはるかに大きいので、持ち家の価値が上がればデフレも解消するだろう。 また住宅の値上がりで、働かなくても食っていけるという選択肢が生まれる。 

移民を受け入れるか否かで、これだけ明暗が分かれても、日本人の多くは「移民を受け入れるくらいなら、俺は汗水たらして働く」と言うのだろう。

しかしこれからは、医療・介護(看護師・介護士等)や ICT(プログラマー・ゲームクリエイター等)など需要が大きい分野以外では、働きたくても働けない時代がやってくる。

上記のグラフが示す、労働集約型企業が先進国から発展途上国に移動する現象、つまり発展途上国に移転できる企業は海外移転し、国内では空洞化が起こる。 

移民を受け入れるくらいなら汗水たらして働きたい、でも働き口がない、となるとどうすればよいのだろうか?

人口減少で日本の住宅や株が値上がりしないのなら、人口が増え経済が成長する国で、住宅や株に投資すればよいのだ。

一番上のグラフで配当所得が増加しているのは、アメリカ人が自国の株式に加えて、新興国のADR銘柄にも積極的に投資しているからだ。

私はこれまで香港市場を通じて、中国の経済成長にコバンザメしてきたが、最近ミャンマーに注目している。 もしミャンマーで外国人が不動産や株を売買できるようになれば、真っ先に投資するつもりだ。(著名投資家のジム・ロジャースも、同じ考えのようだ

海外投資のさらなる魅力は、人口減少と経済衰退による長期的円安トレンドだ。(短期的にどちらに動くのかは分からない)

円安になれば、海外の不動産や株の価値がさらに上がる。

ウォーレン・バフェット曰く、「アメリカはドルの価値を過去100年間で92%安くして、繁栄し続けてきた」

北米人は移民を受け入れ、持ち家の価値を上げると共に、新興国に積極的に投資して、そのリターンとドル安で、汗をかかずに豊かに暮らしているのだ。


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キューバから情報を発信する人気ブロガー

2012年03月16日 | ラテン・アメリカ
カリブ海に浮かぶ島キューバは、外の世界から遮断されて50年以上になる。

共産党のバイアスがかからない情報を入手するのが難しいなか、キューバ人の日常生活を知るため、私がいつも読んでいるのが Generacion Y というブログだ。

このブログの著者は Yoani Sanchez(ジョアニ・サンチェス)という36歳の女性で、Generacion Y は月間 PV(ページビュー)数千万、一つの記事に2000以上のコメントがつく超人気ブログなのだ。


アメリカでは、1975年から1989年に生まれた世代を Generation Y(Y 世代)と呼ぶ。

ベビーブーマー(団塊の世代)を親に持つ世代を指すので、日本でいう団塊ジュニアのようなものだ。

ジョアニ・サンチェスが1975年生まれなのと、彼女のファーストネーム Yoani をかけて、Generacion Y というブログ名にしたんだと、私なりに勝手に推測している。

彼女のブログは、世界に4億人以上いるスペイン語圏の人々に読まれているほか、15ヶ国語に訳されている。

米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」「ベスト・ブログ25」、The Daily Beast の「恐れを知らない150人の女性」に選ばれたこともある。

彼女のブログには体制を批判する記事が多いので、外出時は常に尾行され、講演や受賞のため19ヶ国から渡航ビザを取得したが、19回ともキューバ当局は彼女の出国を許可しなかった。

キューバにあった彼女のサーバーはシャットダウンされ、今は知人の助けで海外のサーバーから情報を発信しているようだ。    

◆ ◆ ◆

当ブログは最近 BLOGOS に転載 されるようになり、読者数も数千人に達するようになったので、彼女にメールで「日本語に訳して私のブログに転載してもよいか」と問い合わせたところ、是非というお答えを頂いたので、今回彼女のブログ記事を二つほど訳して転載してみる。

もし読者からの反響が大きいようであれば、今後も面白い記事をみつけて転載するつもりだ。


まずは2012年2月12日の記事。

革命広場で演説するヨハネ・パウロ2世(1998年)

ローマ教皇(ベネディクト16世)がキューバにやって来るのは数週間後だが、すでに遠くから何かの香りが漂ってくる。 昼間は教会で、そして夜はアフリカの神にお祈りする人がいるキューバでは、熱狂とともに好奇心が教皇を待っている。 礼拝式の準備をする者もいれば、教皇の訪問がキューバに政治的・社会的変化をもたらすのか思案する者もいる。 多くの国民はもっと速いペースで改革が進むことを期待している。 もちろん夢のシナリオは、教皇の訪問が民衆蜂起を促し、真の改革が起こることだ。 しかし1998年のヨハネ・パウロ2世の訪問と今回の訪問には大きな違いがある。 前回は東欧の共産主義独裁政権が次々と崩壊して間もない時期の訪問だったが、今のキューバの若者はベルリンの壁崩壊後に生まれた世代で、USSRが何の略かも知らない。 1998年にヨハネ・パウロ2世が革命広場で、何度も「自由!」と叫んだ時には、神の存在を信じない私でさえも、奇跡が起こるのを信じた。 ベネディクト16世が、無関心と絶望に満ちた今のキューバ国民の心を動かすのは難しい。 今回の訪問は、前回と比べてがっかりするものになるだろう。 なぜなら教皇も代わったし、我々も変わってしまったから...



次に2012年2月20日の記事。

旧ソビエト大使館

5番街の夜明け。 外交官ナンバーを付けた車がスピードを出して走り去る。 歩道並木は切り揃えられている。 旧ソビエト大使館がハバナの胸に突き刺さった剣のように見える。 この時間はまだ涼しいが、歩道をジョギングする人の中には汗をかいている人もいる。 アディダスの靴を履いて、ヘッドフォンを頭につけ、腰には水のボトルをつけている。 キューバの特権階級はフィットネス・クラブのトレッドミルより、外の歩道を走るのが好きなようだ。 人魚の噴水のまわりに豪邸が立ち並ぶ Avenida de Las Americas という場所が彼らの溜まり場だ。 引退した軍の大佐や国営企業のトップが、天気や子供について会話する。 政府高官の娘が、幼なじみと遊ぶ。 白いあごひげの詩人が、犬と一緒に注意して通りを渡る。 ヨーロッパ・ツアーから戻ってきたばかりの女優が、ジョギングでカロリーを消費する。 陽が高くなり暑くなる午前10時には、もう誰も外にいない。 他の地域と比べて、5番街は特異な場所だ。 切り揃えられた並木、大理石が敷き詰められた銀行、塀に囲まれた豪邸のことを言っているのではない。 ジョギングしたり犬を散歩させる人々の振る舞いが特異なのだ。 フィットネスや服装に気を使い、ストレスのない快適な生活。 子供の頃、共産党の偉い人たちが資本家階級の風刺画を我々に見せ、こういう風になっちゃ駄目だよと教えてくれた、その風刺画の主人公が彼らなのだ。



ジョアニ・サンチェスは、スペインの新聞「El Pais」にも時々寄稿する。

以下は2月12日付の彼女の記事。(長いので一部を抜粋して要約した)

朝10時、首都ハバナの中心にあるプラザ・ホテルのロビー脇の、6台のコンピューターが設置された部屋の入り口には列ができている。 驚くべきことに、彼らの多くはホテルに宿泊する外国人観光客ではなく、情報に飢えた地元のキューバ人なのだ。 彼らは平均月収の三分の一を、60分間のインターネット・アクセスに費やす。 ベネズエラからキューバに引かれた光ファイバーは、2011年7月までに一般家庭に普及するはずだった。 なぜいまだにインターネットが一般家庭で使えないのかは、フィデル・カストロの健康状態と同じくらいのミステリーだ。 光ファイバーはもう既に実用化されているが、国務省などの政府関連施設のみで使用されているという噂もある。 一般市民が世界の様々な情報にアクセスできるようになるのを、キューバ政府が恐れているというのが実情なのだろう。 学校や職場のコンピューターは、ウィキペディアやフェイスブックが使えないように設定されている。 情報アクセスを拒み続ければ、キューバは学術的・専門的に遅れをとることになる。  



◆ ◆ ◆

キューバの教育レベルは高く、特に医療技術は世界でもトップ・クラスで、ベネズエラのチャベス大統領やディエゴ・マラドナなど、ラテン・アメリカの有力者は、キューバに治療を受けにくる。

こういう民度の高い国民をも貧困に追い込んでしまう共産主義とは、人間のアニマル・スピリッツを奪う魔のイデオロギーなのだろう。

キューバが市場主義を正しく取り入れれば、繁栄の可能性は高いと思う。

しかし今、キューバで市場解放を試みているのは、共産主義革命を起こした古い世代なのだ。

以下の記事を要約すると:

キューバ革命を起こした古い世代が、今度は市場開放をも指揮するつもりのようだ。 キューバ共産党は、フィデル・カストロに代わって、弟のラウル・カストロを第一書記に選んだ。 第二書記には、ホセ・マチャド・ヴェンチュラが就任した。 14年ぶりの共産党大会では、深刻な経済危機にもかかわらず、指導者達が称賛された。



日本では公務員の解雇が法的に難しいという理由で、国家公務員の新規採用を7割以上削減するという。

これは最悪の決断だ。 なぜなら国の将来を左右する改革は、将来その改革の影響を受ける世代によって敢行されてこそ成功するからだ。

民間企業でも正社員を解雇するのは難しく、高い給料をもらう中高年で溢れている。

直近の決算では、特に電機メーカーが軒並み大きな赤字を計上した。

彼らは、今までとは全く違うことをやらなければ生き残れないだろう。

しかし過去の成功体験だけが頼りの中高年社員に、発想の転換を求めても無理だ。

キューバの改革開放が、共産主義革命を起こした古い世代によって指揮されるのなら、恐らく上手くいかないだろう。


おまけ: ディエゴ・マラドナの史上最高のゴール


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イランに恩を売り 国益を拡大するインド

2012年03月09日 | インド
まず以下の二つの記事を要約すると:

インドは「対テロ作戦」「警備部隊養成」「貿易」に関わる重要なパートナーシップ協定をアフガニスタンと結んだ。 さらにインドは「過激派との戦い」「2014年米軍撤退後の地域の安定化」で、アフガニスタンを援助することを約束した。


アフガニスタン政府は、国内最大の埋蔵量を誇る鉄鉱山の採掘権を、インドの国営と民間企業のコンソーシアムに与えて、アフガニスタンにおける新たな戦略的役割をインドに提供した。 アメリカ政府の試算によると、アフガニスタンには約1兆ドル(約80兆円)の未採掘の鉱物資源が眠っている。






インドは二つの目的で、アフガニスタンとの関係強化を進めている。

一つは、アフガニスタンに眠る豊富な鉱物資源の採掘権を得るため。(中国もこれを狙っている)

アフガニスタンの鉱物資源の内訳は、鉄鉱石(約4200億ドル)・銅鉱石(約2800億ドル)・その他(約3000億ドル)で、合わせて1兆ドル(約80兆円)にのぼる。

もう一つは、インドを攻撃するテロ組織ラシュカレ・タイバ(LET)の訓練拠点を掃討するため。

アフガニスタン・パキスタン地域には、三つの大きなテロ組織がある。

(1) アフガニスタン人・タリバン。 これが一般的によくタリバンと呼ばれる武装組織で、アフガニスタン生まれのパシュトゥーン人により形成される。 アフガニスタンの他の民族(タジク人・ハザラ人等)を打破して、アフガニスタンを制覇するのが彼らの目的だ。(1996年に一度アフガニスタンを武力統一したが、2001年にアルカイダをかくまっているという理由で連合軍に追い出された)

(2) パキスタン人・タリバン。 パキスタンで生まれたパシュトゥーン人の武装組織で、 TTP(Tehrik-i-Taliban Pakistan )と呼ばれる。 パキスタンの他の民族(パンジャブ人・シンド人等)にテロ攻撃を仕掛けることで知られている。

(3) ラシュカレ・タイバ。 この武装組織は LET(Lashkar-e-Taiba)とも呼ばれ、主にパキスタン人により形成される。 彼らの目的はインドにテロ攻撃を仕掛けることで、以前はカシミール・インド領(以下の地図の黄色い部分)でテロ攻撃を敢行していたが、2008年のムンバイ同時多発テロ事件など、インドの大都市にもテロ攻撃を仕掛けるようになった。


ラシュカレ・タイバはソ連撤退後の1990年に、パキスタン軍とパキスタンの諜報機関 ISI(Inter-Services Intelligence)が、アフガニスタン東部のクナル州に設立した武装組織で、表向きには関係を否定しているが、実際には今でもパキスタン軍と ISI が訓練キャンプで指導にあたっている。

米軍は主にアルカイダとタリバンの掃討に集中してきたため、ここ数年ラシュカレ・タイバがその勢力を拡大している。

インドとしては是が非でも、アフガニスタンにあるラシュカレ・タイバの訓練拠点を壊滅させ、インド国民をテロの脅威から守りたい。

◆ ◆ ◆

鉱物資源とテロ組織掃討のため、インドはアフガニスタンとの関係を強化したいのだが、以下の地図でも分かるように、アフガニスタン・インド間の陸路にはパキスタンと中国というインドの宿敵が立ちはだかっている。


そこでクローズアップされるのが、イランの存在だ。

インドはイランとの友好関係を維持して、アフガニスタンの鉱山からイランの港町チャバハールまで鉄道を引く計画の最終承認をイラン政府から得ようとしている。

以下の二つの記事を要約すると:

インドは、インドの援助で建設されているイランのチャバハール港と、鉱物資源が豊富なアフガニスタンのハジガク地方を結ぶ全長900kmの鉄道建設計画の最終調印まであと一歩だ。 この鉄道が完成すると、この地域におけるインドの影響力と戦略的プレゼンスが増大する。


インドは原油の支払い方法に関してイランと合意した。 インドはイランが開設したインドの銀行口座に支払い額の45%をルピーで入金し、イランのインフラにも投資する。 このインドの画策で、イランに対する制裁の効果は思ったほど出ないかもしれない。 イランの Seyed Nehdi Babizedeh 駐印大使は、インドの銀行に口座を開設したことを認めた。


欧米は対イラン制裁でアジアの国々にも協力を求めているが、インドは協力していない。

それどころかイランの原油収入確保と、イランへの食料物資輸送を可能にするため、欧米の厳しい金融制裁をくぐり抜ける独自の方法を画策している。

制裁でイラン経済が苦境に立ついま、インドはイランに恩を売り、自らの国益拡大を図るしたたかな国なのだ。


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イランは反撃するのか?

2012年03月02日 | 中東・アラブ
最近毎日のようにイスラエルのイラン攻撃に関する報道を目にするが、2月10日の記事でも指摘したように、私はその可能性は低いと見ている。

なぜならイスラエルという国は、本当に攻撃を仕掛けるときは、事前にその可能性に言及しないからだ。

1981年のイラク・オシラク核施設攻撃の際も、2007年のシリア・アルキバル核施設攻撃の際も、何の前ぶれもなかった。

ただ万が一ということもあるので、今回はイスラエルがイランの核施設を攻撃した場合、イランがどのように反応するのか考えてみよう。

◆ ◆ ◆

もしイランが反撃するとすれば、レバノンに拠点を置くヒズボラのロケット弾による反撃の可能性が高い。

現在ヒズボラは、以下の4種類のロケット弾を保有している。(数字は推定)



各ロケット弾のレンジ

ヒズボラのロケット弾は2006年のイスラエル・ヒズボラ紛争でも、イスラエル北部にある程度のダメージを与えたが、それ以来イスラエル最大の都市テルアビブを標的にする長射程のロケット弾(Zelzal-2)を増強してきたので、次回は相当のダメージを与えることが可能だろう。

注)軍事専門家の中には、 Zelzal-2 の射程距離を200〜400kmと主張する者もいるが(その場合イスラエル全土をカバーする)、少なく見積もっても100kmはあるので、テルアビブが射程圏内に入る。

◆ ◆ ◆

しかし私はイランは反撃しないと見ている。 その理由を三つほど挙げると、

(1) NPT(Nuclear Non-Proliferation Treaty:核拡散防止条約)から脱退する大義名分を手にする。

イスラエルは NPT に加盟することなく、IAEA の査察を受けずに核保有国になった。

これを可能にしたのはアメリカのイスラエル・ロビーだが、世界の多くの国がイスラエルの手法をルール違反とみなしている。

イランは反撃しないことによって、「NPT に加盟せず核保有国となったイスラエルに、将来核兵器を持つかもしれないという疑いだけで一方的に攻撃されたんでは、NPT に加盟し続ける意味がない」と言えるようになり、NPT 脱退を正当化できる。

(2) 中東の二つの大国、トルコ(人口:7500万人)とエジプト(人口:8400万人)を味方につければ、イラン(人口:7500万人)を含む三つの大国による巨大なイスラエル包囲網を形成できる。

イスラエルによるガザ支援船襲撃でトルコ人9名が殺されて以来、反イスラエルが鮮明になる中、イスラエルがイランを一方的に攻撃すれば、トルコ人の反イスラエル感情に火がつくだろう。 

トルコの Erdogan 首相は Fareed Zakaria とのインタビューで、以下のように答えている。

ZAKARIA: Do you believe that Iran right now is a country with which the international community can have a constructive dialogue to monitor its nuclear program, or is Iran in your view a country that has to be watched and contained carefully?

ERDOGAN: Why is it that the country's banning Iran from having the nuclear weapons don't also ban Israel from having nuclear weapons? Israel possesses nuclear weapons. What is the excuse? That Israel is under siege? But Israel is the only country in the region possessing nuclear weapons. And Iran says that its only purpose is to generate affordable energy through nuclear power. We don't want to act on presumptions. And no sanctions based on presumptions are acceptable by Turkey.

ザカリア:国際社会はイランの核開発を建設的な対話によりモニターできると思いますか? 或いは注意深い監視と抑制が必要でしょうか?

エルドアン:イランの核兵器保有を認めない国がなぜイスラエルの核保有を認めるのでしょうか? イスラエル核保有の大義は? イスラエルは危険にさらされていますか? イスラエルは中東で核兵器を保有する唯一の国です。 イランは原子力発電が目的だと言っています。 トルコは仮定に基づいて行動しませんし、仮定に基づく制裁を受け入れません。

また2月25日に結果が発表されたエジプトの上院選挙では、ムスリム・ブラザーフッド系の FJP(Freedom and Justice Party:自由公正党)が58%、サラフィー派(イスラム原理主義)のヌール党が25%の議席を獲得し、下院よりさらにイスラム主義色が濃くなった。

イスラエル寄りの軍部から議会に権限が委譲されれば、エジプトが反イスラエルになるのは時間の問題で、イスラエルがイランを一方的に攻撃すれば、反イスラエル感情がさらに高まるだろう。

トルコとエジプトで反イスラエルが鮮明になったからといって、両国が直接イスラエルを攻撃することはないが、現在イランが行っているように、ヒズボラやハマスへの水面下の援助で、イスラエルを消耗させることは可能だ。

イランは、イスラエルに攻撃されたからといって、感情的になってすぐ反撃するより、トルコとエジプトを味方につけて、時間をかけてイスラエル包囲網を強化していく方が得なのを知っている。

(3) 反米・反イスラエルの旗の下、タリバンとの関係修復が可能になる。

ソ連撤退後のアフガニスタン内戦で、イランとタリバンは敵対関係にあった。

タリバンとは、アフガニスタン人口の42%を占めるパシュトゥーン人の武装組織である。

イランはアフガニスタン内戦で、ペルシャ語を話す三つのペルシャ系民族(アフガニスタンの人口の27%を占めるタジク人、9%を占めるハザラ人、4%を占めるアイマク人)を支援した。(1996年に、この三つの民族にウズベク人が加わって、北部同盟が結成される)

ちなみにタジクとはテュルク語で、ペルシャ人という意味だ。

1998年にタリバンが、アフガニスタン・マザリシャリフのイラン大使館を制圧し、イラン人外交官を殺害すると、イランはタリバンに対して宣戦布告したが、国連安保理の仲介によって、軍事衝突には至らなかった。

十数年前、イランとタリバンの関係は、最悪の状態にあったのだ。

しかしイスラエルがイラン攻撃の可能性をちらつかせる中、2月16日にイランのアフマディネジャド大統領はアフガニスタンのカルザイ大統領と共に、タリバンの事実上のスポンサーであるパキスタンを訪問し、ザルダリ大統領と会談した。


イスラエルのイラン攻撃をきっかけに、対立していたタリバンとの関係を修復できれば、コーラン焼却事件で火がついたアフガニスタンの反米感情にイランが油を注いで、アフガニスタンに駐留する米軍を窮地に追い込める。

さらにタリバンと密接な関係にあるアルカイダと接触できれば、アメリカやイスラエルを再びテロの脅威にさらすことができる。
 
◆ ◆ ◆

以上三つの理由で、イスラエルに攻撃されてもイランは反撃しないと私は見ている。

もっと極端に言うと、イランはイスラエルを挑発して攻撃させ、イスラエルを自滅に導きたいのだ。

イランは核開発施設を数十ヶ所に分散しているので、イスラエルがすべての施設を破壊するのは難しく、特に1月15日の記事で書いたように、約100メートルの岩山の下にあるフォルドの核施設を米軍の bunker-buster なしで破壊するのは不可能に近い。

イスラエルの攻撃を受ければ、イランの核開発が1〜2年遅れるのは事実だが、独自の技術と数千人の核物理学者を擁するイランにとって、それは致命傷ではない。

核開発が少々おくれても、上記の三つを手に入れる方が得だと踏んでいるのだ。

ただ私が考えることぐらい当然イスラエルも分析しているだろうから、やはりイスラエルがイランを攻撃する可能性は低い。


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イスラエルの敵はイランではなく イスラエル自身

2012年02月24日 | 中東・アラブ
世間を騒がせているイランとイスラエルの睨み合いでは、「イランは本当に核兵器を製造するのか」「イラン経済は制裁に耐えられるのか」など、イラン側に焦点が当てられがちだが、今回はイスラエルの国内問題について書いてみる。

イスラエルの政治は歴史的に、政党の合併・吸収等で政党名こそ色々と変わってきたが、右と左が交代で政権を担当してきたと言っていいだろう。

右の代表的な政治家は Menachem Begin(メナヘム・ベギン)、Yitzhak Shamir(イツハク・シャミル)、Ariel Sharon(アリエル・シャロン)、Benjamin Netanyahu(ベンヤミン・ネタニヤフ)などで、左の勢力は David Ben-Gurion(ダヴィド・ベングリオン)、Golda Meir(ゴルダ・メイア)、Shimon Peres(シモン・ペレス)、Yitzhak Rabin(イツハク・ラビン)、Tzipi Livni(ツィッピー・リヴニ)などが代表を務めてきた。

以下は2009年の総選挙の結果。(総選挙は4年ごとに行われるので次の総選挙は2013年)


最も多くの議席を獲得したのは、若干左寄りの中道政党 Kadima だったが、右派の Likud が二つの勢力との連立に成功し、政権の座についた。

Likud が連立を組んだ二つの勢力とは、ヨルダン川西岸(West Bank)ユダヤ人入植地からの撤退を断固として拒否する三つの極右政党(Yisrael Beiteinu、National Union、The Jewish Home)と、超正統派ユダヤ教(Ultra Orthodox Judaism)を代表する二つの政党(Shas、United Torah Judaism)だった。

この二つの勢力に共通するのは、どちらも支持者の人口が増えているという点だ。

ヨルダン川西岸ユダヤ人入植地からの撤退を拒否する極右政党の代表格である Yisrael Beiteinu は、主に1990年以降ロシアから移民してきたユダヤ人が支持基盤で、彼らは以前からいたユダヤ人より貧しく、女性の出生率が高い。(貧しい女性の出生率が豊かな女性のそれに比べて高いのは万国共通)

超正統派ユダヤ教(ユダヤ原理主義)の女性は、イスラム原理主義下の女性と同じくらい差別されていて、イスラム原理主義下の女性と同じく出生率が高い。

Likud は、この二つの勢力と連立を組むことによって、過半数の65議席を獲得した。

最多議席を獲得し、最初に連立を模索する権利を持っていた Kadima が、なぜこの二つの勢力のどちらとも連立を組まなかったのか?

次のセクションでは、この二つの勢力がどんな問題を抱えているのか考えてみよう。

◆ ◆ ◆

イスラエルは1967年まで、以下の左の地図の白い部分を領土として「民主主義国家である」「ユダヤ人が多数を占める」「領土を失わない」の三つをモットーに存続してきた。


ところが1967年戦争に大勝し、パレスチナ全土を手に入れると(真ん中の地図)大きなジレンマを抱えてしまう。

三つのモットーのうち、二つしか可能でなくなったのだ。

もし領土を失わず民主主義国家であり続けるのなら、非ユダヤ人(パレスチナ人)が多数を占めてしまう。

もし領土を失わずユダヤ人が多数を占め続けるには、非ユダヤ人に選挙権を与えない、つまりアパルトヘイト時代の南アフリカのような非民主主義国家になってしまう。

もし民主主義を維持しユダヤ人が多数を占め続けるには、戦争で得た領土をすべて返還しなければならない。

イスラエルが諸外国から非難を受けずに存続する唯一の選択肢は、三つ目の「戦争で得た領土をすべて返還する」なのだが、歴代の右派政権が極右票欲しさに、ユダヤ人のヨルダン川西岸入植を黙認してきた。

その結果いまでも右の地図のように、東エルサレムを含むヨルダン川西岸の約40%をイスラエルが占領し、入植地(というより全て完備した立派な街)が数多く建設され、撤退を困難にしている。

Two State Solution を主張する Kadima にとって、極右政党はとても連立を組める相手ではないのだ。

◆ ◆ ◆

ヨルダン川西岸ユダヤ人入植地からの撤退を拒否する極右勢力以上にイスラエルに深刻な問題をもたらしているのが Haredi と呼ばれる超正統派ユダヤ教(Ultra Orthodox Judaism)の信者たちだ。

Haredi 人口は、イスラエルのデモグラフィーの中で最も増加率が高いセクターで、現在約100万人いるといわれている。(イスラエルの総人口は約700万人だから、人口の約15%が Haredi で、首都エルサレムでは半分近くを占める)

Haredi の特徴をいくつか挙げると、

(1) 世俗社会と極力接しない。 インターネット・スマホ等はもちろん禁止で、kosher(ユダヤ教の掟に従う)コンピューターや携帯電話しか使わない。

携帯の画面に映っているのは kosher マーク

(2) 子供たちは独自の学校に通い、特に男子生徒は一般教養(数学・英語など)を一切身につけず、朝から晩までタルムード(ユダヤ教聖典)を勉強する。 パキスタンで若者にイスラム原理主義を教える madrasah(マドラサ)によく似ている。


(3) 兵役義務が極めて限定的である。(注:2月21日にイスラエル最高裁でこれを覆す判決が出たので、今後の動向が注目される)

(4) 女性差別が激しい。 例えばエルサレムの Haredi 居住地区を通るバスは、男性乗車口(前)と女性乗車口(後)が分かれていて、女性が前の方の席に座ろうとすると、怒鳴りつけられたり唾を吐かれたりする。 まるで1960年代までのアメリカ南部の黒人差別のようだ。





嘆きの壁も男性と女性の祈りの場が壁で仕切られている。

まあ何を信じようが、自立してやってくれるぶんには他のイスラエル人たちも文句はないんだろうが、近代文明と極力接しないだけあって Haredi には金を稼ぐ能力が欠けている。

Haredi の男性は一般教育を受けないので社会人として使い物にならず、Haaretzの記事によると、男性の7割・女性の5割が失業者として生活保護を受けている。(人口の15%の6割が生活保護って、日本に例えると約1000万人が生活保護を受けている感覚だ)

しかも Haredi の学校はすべて国の負担で運営されている。

2011年07月25日の記事で、テルアビブは第二のシリコンバレーと呼ばれ、起業が相次ぎ空前のイノベーション・ブームを迎えていると書いたが、テルアビブ(世俗的・繁栄している)とエルサレム(宗教的・貧しい)はイスラエルの両極端を象徴している。

兵役免除、学費免除、生活保護と三拍子揃った生活をしている Haredi は、当然世俗的イスラエル人に最も嫌われる存在なのだが、出生率が高いだけに票田としての価値がある。

2009年の選挙で右派の Likud は Haredi への生活保護の強化を約束したが、中道の Kadima はこれを拒否した。

イスラエルの政権交代の歴史を見ると、中道が極右と Haredi の票なしでも過半数を取れる時は中道政権が誕生し、そうでない時は右派が政権を取るというパターンが繰り返されている。

Tzipi Livniを党首とする中道の Kadima が政権を取れば、イラン攻撃の可能性など一瞬にして吹き飛んでしまうのだが、極右と Haredi の人口が増えているだけに、イスラエルの真の敵はイランではなく、イスラエル自身なのだ。


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グローバル化に成功したNBA

2012年02月16日 | アメリカ
私がアメリカに移住した1980年当時、NBA(National Basketball Association)はアメリカ三大スポーツ(野球、バスケットボール、フットボール)の中で最も人気がなく、赤字のチームが多かった。

1975年以来 NBA のコミッショナーはアイルランド系の Larry O'Brien(ラリー・オブライアン)が務めていて、彼は非常に真面目な性格で尊敬されていたが、商売っ気に欠けていた。

オブライアンは NBA の経営不振を打開すべく、1980年にユダヤ人弁護士の David Stern(デイヴィッド・スターン)を副コミッショナーに抜擢した。

David Stern は、副コミッショナー就任直後から、二つの大きな改革を試みた。

一つは、Drug Testing(薬物検査)実施。 

当時 NBA の選手の90%以上はアフリカ系アメリカ人で、薬物使用が蔓延していた。

David Stern は、この問題を解決するため、それまで選手組合からの強い反対で不可能とされていた抜き打ち薬物検査を実施し、NBA のイメージ・クリーン・アップに努めた。

もう一つは、Salary Cap(サラリー・キャップ)の導入。

サラリー・キャップとは、各チームの選手報酬の合計に上限を設け、資金力のあるチーム(ニューヨークやロサンゼルスのような大都市のチーム)ばかりが優勝するのではなく、全チームに平等なチャンスを与えるシステムで、これによってファンの興味向上を目指した。(ちなみに2011年シーズンの各チーム選手12人の年棒合計上限は約5800万ドル)

この二つの功績が認められ、1984年2月 Larry O'Brien の任期満了とともに、David Stern が第4代 NBA コミッショナーに就任した。


David Stern が NBA コミッショナーに就任すると、NBA のマネタイゼーション能力が劇的に向上していった。

その手法をいくつか挙げると、

(1) NBA のライセンシング事業を積極的に進め、ナイキ・リーボックなどの靴メーカー・アパレルメーカーから巨大な収入を得るようになった。(写真にある NBA ロゴが付くすべての商品から収入が入ってくる)

(2) マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、ラリー・バードなどのマーケティングに力を入れ、スーパースターを作り出すことで NBA の人気向上を図った。

(3) ネットワーク・テレビ(CBS、NBC、TBS等)とのタフな交渉により、巨額の放送契約を結んだ。

(4) 地方自治体に、新アリーナ建設への費用負担を求め、これを拒否する地方自治体から、フランチャイズを容赦なく奪った。(典型的な例として、NBA チームを持つのに十分過ぎるほど大きな人口を擁すシアトルが、新アリーナ建設の費用負担を拒否したため、新アリーナ建設の費用負担に同意したシアトルよりずっと人口の少ないオクラホマ・シティーにフランチャイズが移され、現在シアトルには NBA チームがない。 彼の就任以来、五つのフランチャイズが移され、28個の新アリーナが地方自治体負担によって建設された)

(5) 新たに七つのフランチャイズ(Hornets, Timberwolves, Heat, Magic, Grizzlies, Raptors and Bobcats)が誕生し、合計で30チームになった。

(6) NBA のグローバル化を積極的に進めた。

以下は David Stern がコミッショナーに就任して以来の、選手の平均年棒の推移を表すグラフだが、彼が如何に NBA を儲かる事業に変貌させたかが分かる。


NBA のグローバル化についてもう少し詳しく書くと、David Stern が NBA コミッショナーに就任した1984年当時、NBA には外国籍の選手が8人しかいなかった。

現在 NBA には、81人の外国籍選手がいる。 その内訳は、

アルゼンチン:4人
オーストラリア:1人
ブラジル:4人
カメルーン:1人
カナダ:6人
中国:1人
チェコ:1人
コンゴ:2人
ドミニカ共和国:3人
フランス:10人
グルジア:1人
ドイツ:2人
英国:2人
ギリシャ:1人
イラン:1人
イスラエル:1人
イタリア:3人
ジャマイカ:3人
ラトビア:1人
リトアニア:1人
メキシコ:2人
モンテネグロ:2人
オランダ:1人
ナイジェリア:1人
パナマ:1人
ポーランド:1人
プエルトリコ:2人
ロシア:1人
セネガル:1人
セルビア:3人
スロベニア:2人
スペイン:6人
スウェーデン:1人
スイス:1人
タンザニア:1人
トルコ:5人
ベネズエラ:1人

実に多彩な顔ぶれだ。

NBA のドラフト市場を世界に拡大したのが直接の原因だが、試合を世界の様々な地域で開催したりテレビ放映する事によって、特に新興市場(アジア・アフリカ)でのマーケティングに力を入れている。(どんなビジネスでも同じだが...)

◆ ◆ ◆

さてここからは、今シーズン注目される二人の新人について書いてみよう。

まずは Minnesota Timberwolves に加入したスペイン出身の21歳 Ricky Rubio(リッキー・ルビオ)。

身長は193cmと小柄だが、14歳でスペイン・プロリーグにデビューして以来、マジック・ジョンソンを彷彿させるパスの天才といわれてきた。

またその甘いマスクから、アメリカ人口の25%を占めるヒスパニック市場へのマーケティングに大きな役割を果たすと見られている。


次に New York Knicks に加入したロサンゼルス生まれ、パロアルト育ちの台湾系アメリカ人2世の23歳 Jeremy Lin(ジェレミー・リン:林書豪)。

彼も身長191cmと小柄だが、私がまだアメリカにいた2005年頃にはすでに、カリフォルニア高校バスケットボール界で旋風を起こしていた。

彼の夢は私の母校でもある UCLA でプレーすることだったが、当時 UCLA(全米大学選手権最多11回の優勝を誇る超名門校)には選手の空きがなく、仕方なくハーバード大学でプレーした。(UCLA のコーチ陣は、彼を取らなかったのは大きな失敗だったと認めている)

彼は北米のアジア人市場はもちろん、急成長するアジア・マーケットでバスケットボールを人気スポーツにするだろう。(2月13日のカナダ・トロントでの試合には中国系カナダ人が殺到し、チケット1枚に3000ドル(約25万円)のプレミアムがついたとカナダのラジオ局が伝えていた)



◆ ◆ ◆

David Stern の NBA 経営を見ていると、正反対に映るのが日本の相撲だ。

もう相撲も落ちるところまで落ちたのだから、一部屋に外人一人までとかいう馬鹿な枠は取り除いて、もっと外人力士を受け入れてグローバル化すべきだろう。

こういうことを言うと、やくみつるや内館牧子のような輩が出てきて、伝統やら文化が失われるとわめき出すが、八百長・部屋内暴力・硬直した理事会人事など、失われるべきものだらけのような気がする。

David Stern が理事長になったら、力士を夢見る青年達が世界中から日本にやって来て、素晴らしいビジネス・モデルが誕生するだろう。

◆ ◆ ◆


P.S. アディダスはスポーツ用品店からの要請で、ジェレミー・リンのジャージを15万着追加製造するそうだ。








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イラン情勢 雑感 (第2回)

2012年02月10日 | 中東・アラブ
イラン情勢に関して、毎日のように様々な憶測が飛び交っているが、まず三つの記事を要約してみる。

EU によると、制裁はイランの原油その他石油製品の輸入・購入・運搬、それに関連する金融・保険業務を禁止する。 現存の契約は、7月1日までに段階的に停止されなければならない。


CBS 60 Minutes のインタビューで米国防長官 Leon Panetta は、イランが核ミサイルを製造するのに約1年、それを移動式発射車両に乗せるのにさらに1〜2年かかるというのがコンセンサスだと答えた。


米国防長官 Leon Panetta は、イスラエルが春にイランを攻撃する可能性が高いと考えている。 近い将来、イランが核兵器を造るのに十分な濃縮ウランを地下深い施設に保有するのをイスラエルは恐れている。 イスラエルの Barak 国防相が先月、アメリカとの合同軍事演習の延期を申し入れたのは、近くイスラエルが攻撃を開始するシグナルかもしれない。



◆ ◆ ◆

この三つの記事は、かなり矛盾しているように思える。

まず EU の制裁は、それによってイランを困窮させ、核開発を諦めさせるのが目的のはずだ。

そしてその制裁がフルに発動されるのは、ギリシャ・イタリア・スペインがごねたせいで、7月1日になった。

ということは、EU の制裁に効果があるのかどうかがはっきりするのは、早くてもその一ヵ月後の8月初旬になる。

ところがイスラエルは春にもイランを攻撃するという。

そんなことをしたら、せっかく制裁を決めた EU の面子を潰すことになる。

また米国防長官は、イランの核ミサイル実用化には最低2年かかると言っているのに、イスラエルが春にイランを攻撃する可能性が高いとも言っている。

最後の二つの記事からはっきりするのは、アメリカは「イランは核兵器を持つべきではない」と考えているのに対して、イスラエルは「イランは核兵器を製造する能力さえ持つべきではない」と考えていることだ。

核兵器を製造する能力を持つとは、つまり日本やドイツのレベルに達するという意味だから、イスラエルの立場は「イランが日本やドイツのようになることを許さない、それを阻止するために攻撃も辞さない」となる。

イスラエルが本当にその立場で春にイランを攻撃したら、アメリカ・EU はもちろん、中東のかなりの部分を怒らせるだろう。

トルコは Gaza Flotilla Raid(ガザ支援船強襲事件)以来、イスラエルとは犬猿の仲で、今回の EU 制裁にも強く反対した。

エジプトは直近の選挙で、想像以上にイスラム原理主義色が濃いことが判明し、遅かれ早かれ反イスラエルを明確にするだろう。

ヒズボラ政権のレバノンは、もちろん反イスラエル。(ていうかイスラエルがイランを攻撃すれば、レバノンが反撃の拠点になる)

イラクの三分の二はシーア派で、イランとの関係が深い。

シリアはアサド政権(アラウィー派:シーア派の分派)が親イランで、アサド政権が転覆すれば実権を握るであろう Muslim Brotherhood 系(スンニ派)が、やはり反イスラエル。

イスラエルのイラン攻撃を歓迎するのはサウジアラビア、そしてサウジアラビアが支援するスンニ派王政の湾岸諸国(クウェート・カタール・バーレーン・UAE等)ぐらいだ。

◆ ◆ ◆

次に EU の制裁にどの程度の効果があるのかを考えてみよう。

以下はイラン原油の輸出先を示す図だ。


EU がイランから輸入する原油は約20%で、トルコは約7%。 すなわちその他(Other)28%に、イタリアを除く EU 10%、トルコ7%が含まれる。

鍵となるのは中国とインドで、両国は値段さえ安くなれば輸入量を少なくとも倍にしようと、お互いの様子を窺っている。

イランもそこら辺は十分承知で、中国にディスカウントを迫られればインド・カードをちらつかせ(その逆もあり)、なるべく少ない割り引きで、できるだけ多くの原油を売ろうとしている。(ペルシャ商人・中国商人・インド商人の駆け引きが実に面白い)

以下の記事を要約すると: インドは原油の支払い方法についてイランと合意した。 インドはイランが開設したインドの銀行口座に、イランでのインフラ投資という名目で、支払い額の45%を入金する。 このインドの画策は、イランに対する制裁が如何に難しいかを示している。 Seyed Nehdi Babizedeh 駐印大使は、インドの銀行に口座を開設したことを認めた。


中国とインドの輸入量が倍になれば、それだけで72%になる。 それにトルコの7%を加えて79%。

また韓国や日本は、段階的に輸入量を削減するのが精一杯だろうから二国で10〜15%。

割り引きがどの程度になるか分からないが、壊滅的なダメージを与えるまでには至らなそうだ。

ロイターのこの記事 Iran economy could limp along under sanctions を読むと、制裁に耐えられそうに感じるが、この記事 Iranians bemoan sanctions hardship では、制裁がかなり効いているようにも見える。

◆ ◆ ◆

私が注目するのは、米国防長官の示唆する春(の攻撃)ではなく、8月から10月までの3ヶ月のウィンドウだ。

8月まで待てば EU の面子を潰すこともないし、もし制裁に効果がなければ、攻撃の言い訳になる。

そして11月6日にはアメリカの大統領選挙がある。

オバマ大統領は、去年の AIPAC 総会直前のネタニヤフ首相との会談で、首相の傲慢な態度に内心激怒した。

カイロ・スピーチからも分かるように、オバマ大統領は元々親イスラエルではなく、1967年ラインでの Two State Solution を唱えてきた。

再選を果たせば、もう AIPAC とイスラエルの尻にキスする必要はない。

イスラエルもこれをよく理解していて、オバマ大統領が再選を決める前(イスラエルと AIPAC に強硬な態度を取れないうち)にアクションを起こしたい。

となると万が一イスラエルがイランを攻撃するとすれば、8月から10月までの3ヶ月間が理にかなっている。(あくまでも万が一で、その確率は低い。 Haaretz の記事 Israel cannot stop Iran's nuclear program でイスラエル軍高官が指摘するように、イスラエルがイランの核開発を阻止するのは極めて難しい)


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ミャンマー!

2012年02月08日 | アジア
これまで、この国をビルマと呼んできた。

ミャンマーという国名は、1989年に軍事独裁政権が勝手につけた名前で、世界にはこの軍事政権を認めず、いまでもビルマと呼ぶ国々が結構ある。

軍事独裁政権の長、タン・シュエと彼の一族は、ビルマ国民が飢えに苦しむ中、約20年もの間、金正日に勝るとも劣らない贅沢三昧の日々を送ってきた。(独裁者はみな太ってるww)

ところが2011年3月30日、タン・シュエが国家元首の座を退き、同じく軍出身のテイン・セインが大統領に就任すると、状況が一変する。


タン・シュエ(左)    テイン・セイン(右)

テイン・セインが大統領に就任してから10ヶ月の間に起こった変化を整理すると:

(1) 大統領は自宅軟禁を解除されたアウンサンスーチーと面会し、彼女率いる国民民主連盟 (NLD) の政党再登録を勧めた。 NLDは2012年4月に予定される議会補欠選挙に、アウンサンスーチーを含む候補者を立てる予定だ。

(2) 政府はこの議会補欠選挙で、海外から専門家や人権活動家をオブザーバーとして迎えることを表明した。

(3) 政府は少数民族との紛争を解決する姿勢を見せている。

(4) 先月、数百人の政治犯を釈放した。 また人権委員会を設置し、亡命中の政治犯の帰国を奨励している。

(5) 国内メディアに対する検閲を最小限にすることを約束した。

なんだか気持ち悪いほどのスピードで改革が進んでいるのだが、すべてが順風満帆というわけではない。

ミャンマーの問題点を指摘する記事を三つほど要約してみる。

国連使節は、ミャンマーの改革が逆行しないためにも、過去の人権侵害を総括するよう現政権に求めた。 ミャンマーの新政権は、人権侵害・過激な抗議鎮圧・反対派政治家投獄・メディア規制・強制労働・殺人・強姦などを行った軍出身の元将校たちが多数を形成している。


先月ミャンマー政府がカレン民族解放軍(KNLA)と停戦に合意したと発表した時、長年に渡る軍事独裁政権と少数民族の争い終わりの証拠として、両サイドがテーブル越しに握手する写真が世界中に示された。 しかしその発表から3週間後 KNLA は、2月末に再度交渉の座につくという書類に署名しただけで、停戦には合意していないと言及した。 


カチン族政府代表によると、ミャンマー政府とカチン族の間で停戦交渉が行われる中、ミャンマー政府軍の兵士はミャンマー北部でカチン族軍への攻撃を続けている。 12月10日にテイン・セイン大統領が戦闘の停止を命令したにもかかわらず、ミャンマー軍は攻撃を止めていない。 停戦交渉はまだ合意に至っていない。



◆ ◆ ◆

停戦合意に至っていないのに合意を発表したり、様々な罪を犯した元軍人が政府に多くいるのに改革を進めたり、テイン・セイン大統領ちょっと焦りすぎの感は否めないが、彼の気持ちも分からないではない。

大統領がなぜ必死に停戦合意を世界に向けてアピールするのかというと、それは20年以上続く欧米による経済制裁のできるだけ早い解除を望んでいるからだ。

おそらく引退したタン・シュとその側近が、ミャンマーの富の大きな部分を搾取し、テイン・セインには改革に必要な資金力が欠けているのだろう。

国連の使節は過去の軍人の残虐行為を総括すべきと注文をつけるが、そんなこと言うのは簡単でも、それをやったら改革は一瞬にして潰されてしまう。

なぜ資金力豊富な前権力者タン・シュが、テイン・セインの改革を黙認しているのか?

アラブの春で独裁者が次々と倒れるのを見た70代後半のタン・シュは、彼と彼の家族から富を取り上げないことを条件に、元軍人仲間のテイン・セインに改革を進めてもらうのが得策と考えたのだろう。

◆ ◆ ◆

前権力者や元軍人の罪を追及しないテイン・セイン大統領の改革に問題点があるのは確かだが、現状維持よりはずっとましだろう。

欧米による経済制裁を受けたまま、中国への一極集中依存を余儀なくされるその先には、何の希望も残されていない。

中国に依存し続ければ、天然資源を搾取され、ビルマ文化を破壊され、軍事利用され、捨てられるだろう。

中国人(大陸人)の海外進出における最大の欠点は、現地人の価値観を共有しようとせず、好き放題に振る舞うところだ。(アフリカでもこれが顕著になっている)

恐らくこの中国人の傲慢さが、ミャンマーの改革を後押ししたのだろう。

改革の成功を確信するのは時期尚早だが、これからこの国をミャンマーと呼ぶことにする。


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オバマ政権 海兵隊グアム移転計画変更を発表

2012年02月04日 | アメリカ
以下の記事の要約: オバマ政権は、210億ドル(約1兆6400億円)かかるといわれるグアム米軍基地拡大計画を縮小し、代わりに4000人の米海兵隊員をオーストラリアのダーウィン、フィリピンのスービック湾、ハワイの3ヶ所にローテーション・ベースで配置する。 グアムのインフラ建設コストが高過ぎるとする上院軍事委員会の批判を受け入れる形で、計画は変更された。


まず2009年2月17日にクリントン米国務長官と中曽根弘文外相が署名した「グアム移転協定」を簡単に整理すると:

(1) 米海兵隊(兵站部隊・司令部・指揮部隊)8000人をグアムに移転する。
(2) 米海兵隊・第36海兵航空群(第1海兵航空団所属)を、普天間から沖縄の他の場所(人口が密集していない地域)に移転する。
(3) グアム移転と第36海兵航空群の新滑走路建設のため、日本政府は60.9億ドルを負担する。

ところが2009年9月に民主党が政権の座につくと、鳩ポッポは「グアム移転協定」を無視し、普天間の移転先は国外しかないと言い出して、沖縄県民の感情に火をつけてしまった。

アメリカは、いくら待っても日本政府が(2)を進展させないことに業を煮やし、他の選択肢を模索し始めた。

米上院軍事委員会の Carl Levin 上院議員、John McCain 上院議員、Jim Webb 上院議員は沖縄とグアムを視察し、2011年5月に二つの提案を行った。

一つは、辺野古沖のV字滑走路建設には費用がかかり過ぎるので、米海兵隊・第36海兵航空群は嘉手納米空軍基地の滑走路を米空軍と共用すべきである。

もう一つは、グアム島における米軍基地拡大にも費用がかかり過ぎるので、海兵隊のグアム移転を4000人に半減し、残りの4000人はローテーション・ベースで他の地域に配置する。 

米上院軍事委員会の試算では、グアム米軍基地拡大の米側の負担は当初の予算をはるかにオーバーして210億ドルに上る。(総額は230億ドルだが、日本側が20億ドルを負担する)

また辺野古沖V字滑走路建設コストは、日本側の負担(40.9億ドル)をオーバーする可能性が高く、米側にさらなる負担が生じると上院軍事委員会は警告した。

◆ ◆ ◆

米海兵隊グアム移転計画変更のもう一つの理由は、人民解放軍の中距離弾道ミサイル(東風-21:DF-21)の性能が向上していることにある。



1990年代初めに配備が確認された当時は、射程距離は1750km程度(以下の地図の赤線)といわれていたが、1990年代後半に開発された改良型のDF-21Aは、射程距離(推定2700km)と命中精度が向上し、そう遠くない将来、射程距離は3000km(以下の地図のオレンジ線)を超えるといわれている。


米軍のグアムからダーウィン・ハワイへのシフトには、このオレンジ線を相当意識したことが窺われる。

◆ ◆ ◆

今回の件で日本が最も懸念すべきは、「普天間移転が進展しようがしまいが、この計画を進める」と米側が言及したことだ。

昨今オーストラリアやフィリピン、そして他の東南アジア諸国も中国の脅威を身近に感じ、米軍誘致に積極的になる中、普天間移転で問題先送りを繰り返す日本政府、そして普天間国外移転を叫び続ける平和ボケの日本国民に愛想を尽かして、「そんなに嫌なら、グアム移転協定はなかったことにしようよ。ほかに我々に来て欲しいと言っている国はいくらでもあるから」とする米側の意思表示にほかならない。

毎年行われる米海兵隊と自衛隊西部方面普通科連隊の合同訓練を、サンディエゴからハワイに移してもっと頻繁に行おうと米側が提案するのも、自衛隊が早く独り立ちして自分らの島は自分らで守れるようになってくれよ、そうしたら我々は出て行くからと言いたいのだろう。

最後にサンディエゴでの自衛隊西部方面普通科連隊と米海兵隊の合同訓練の動画を貼り付けておく。



ずいぶん小柄で童顔だけど、大丈夫かこいつらで。 人民解放軍はごついよ。

いえ、そんなことを言ってはいけません。 日本を守って下さい、お願いします。


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2012年アメリカ大統領選挙 展望 (第1回)

2012年02月03日 | アメリカ
2012年アメリカ大統領選挙は、11月の第1火曜日投票という規定により、11月6日火曜日に一般投票が行われる。

共和党の候補者はまだ決まっていないが、どうやらミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が予備選で勝利しそうなので、オバマとロムニーの対決になりそうだ。

以下は最新世論調査の結果で、11の調査を平均すると、オバマ(47.5%)ロムニー(45.3%)で、現職のオバマ大統領が2.2ポイントリードしている。


2.2ポイントというと僅差のように感じるが、アメリカは左と右のバランスがよく取れている国で、地滑り勝利でも Popular Vote(直接票数)ではそれほどの差はつかない。

ただ大統領は Popular Vote ではなく、Electoral Vote により選出される。(もちろん有権者は大統領候補者に直接票を投じるのだが...)

Electoral Vote とは、各州で他の候補者より1票でも多くの直接票を獲得した候補者が、その州の Elector(選挙人)を全て獲得するウィナー・テイク・オール(勝者総取り)という方式だ。(各州の選挙人の数は、その州の人口を反映し、国勢調査に基づき定期的に変更される)

以下は2012年大統領選挙の各州の選挙人数を示す地図だ。



Popular Vote(直接票数)では52%対48%程度の差でも、Electoral Vote(選挙人票数)では一方が90%の票を獲得することもある。(ほとんどの州を僅差で勝利すればそうなる)

◆ ◆ ◆

The Keys to the White Houseの著者でアメリカン大学教授の Allan Lichtman 氏は、1984年の大統領選から2008年の大統領選まで7回連続で勝者を的中させてきた。

Lichtman 教授の公式によると、現職大統領の党の候補(再選の場合は同一人物)は、以下の13の条件のうちで ○ が × より多ければ勝利する。(文末のカッコは今回のオバマ大統領の場合)

(1) Party Mandate: 中間選挙で、現職大統領の党が前回(4年前)の中間選挙より、下院の議席数を伸ばした。(×)
(2) Contest: 現職大統領の党で予備選がある場合、それが大荒れしない。(○)
(3) Incumbency: 現職の大統領の党の候補者だ。(この答えは常に○のはず)
(4) Third Party: 二大政党以外の小政党から有力な候補者が出ない。(○)
(5) Short Term Economy: 選挙戦中、景気は後退していない。(△)
(6) Long Term Economy: 現職大統領在任中の一人当たりGDPの実質成長率の平均値が、その前の8年間の平均値を上回った。(×)
(7) Policy Change: 現職大統領が、何か大きな政策転換を行った。(○)
(8) Social Unrest: 現職大統領在任中、大きな社会不安はなかった。(○)
(9) Scandal: 現職大統領に大きなスキャンダルはなかった。(○)
(10) Foreign/Military Failure: 現職大統領に外交・軍事政策で失敗はなかった。(○)
(11) Foreign/Military Success: 現職大統領に外交・軍事政策で成功があった。(○)
(12) Incumbent Charisma: 現職大統領にカリスマ性がある。(△)
(13) Challenger Charisma: 対立候補にカリスマ性が欠けている。(○)

オバマ大統領の場合、○が9個、△が2個、×が2個で、Lichtman 教授はオバマ再選を予想する。

◆ ◆ ◆

もしオバマ大統領に死角があるとすれば、それは今回新しく登場した Super-Pac(巨大政治活動後援会)の存在だろう。 以下の記事を要約すると: 連邦選挙委員会に提出された書類によると、共和党予備選で先頭を走るミット・ロムニーを支持する Super-Pac は、個人や法人からの100万ドルずつの寄付で去年3000万ドルを集めた。 「候補者の選挙活動に統合しない限り、政治活動後援会は法人から無限の資金を集めて使ってもよい」という2010年の最高裁の判決以来、Super-Pac(巨大政治活動後援会)が激増した。


この2010年の最高裁の判決とは、悪名高き「Citizens United v. Federal Election Commission」のことだ。

この判決で保守派多数の最高裁は、言論の自由は法人にも適用されるとし、テレビCMを流す政治活動後援会への献金を無限に認め、巨大な資金力を持つ法人による政治支配を可能にしてしまった。

「Citizens United」は、「Bush v. Gore」「Dred Scott v. Sandford」と並ぶ、合衆国史上最悪の最高裁判決というのが私の意見だ。

ちなみにご存知の方も多いと思うが「Bush v. Gore」とは、2000年の大統領選挙フロリダ州開票で不備があり、再開票するはずだったが、最高裁がそれを差し止めた判決で、アメリカに「失われた8年」をもたらした。(再開票すれば、ブッシュではなくゴアが間違いなく大統領になっていた)

それから「Dred Scott v. Sandford」とは、黒人奴隷 Dred Scott に合衆国憲法は適用されない、つまり黒人奴隷に基本的人権はないという1857年最高裁判決で、この判決が南北戦争勃発のきっかけになった。

話しを「Citizens United」に戻すと、この判決で今回の大統領選挙には数十億ドル(数千億円)の政治資金が飛び交うと言われている。

Middle Class(中産階級)からの小口献金ではロムニーを圧倒するオバマだが、ヘッジファンド・マネジャーなど billionaire(資産数千億円の人々)からの大口献金がロムニーの Super-Pac に集まれば、状況は一変するかもしれない。(ロムニー自身、ヘッジファンドで巨万の富を築いただけあって、共和党予備選ではヘッジファンド仲間の John Paulson, Paul Singer, Julian Robertson などが、ロムニーの Super-Pac に百万ドル単位の献金を行っている)


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植民地経営は楽じゃない

2012年01月30日 | 世界
以下の記事の要約: 「チャド政府は、中国石油天然気集団(ペトロチャイナ)との石油精製契約を一時中断し、契約再交渉のための委員会を設置する」と、チャド政府高官がロイターの取材に答えた。 この石油精製所は、チャド国内向けにガソリン・その他の燃料を精製しているが、チャド政府が決める価格が安過ぎて原油コストをカバーできないと、ペトロチャイナ側は不満をもらす。 ペトロチャイナが60%を所有するこの精製所では、去年6月の開業以来、燃料価格争議が原因で、度々操業が停止されている。 ペトロチャイナによると、設立に5億8800万ユーロ(約600億円)かかったこの精製所は、チャド国営企業(SHT)に40%の所有権が与えられ、開業以来477万ドル(約3億7000万円)の赤字を出している。 中国国営企業が、チャドで空港や鉄道をはじめとする様々なインフラに何千億円も投資するなか、この争議が二国間の関係を悪化させる恐れがある。 


中国は、チャド以外にもナイジェリア・エチオピア・スーダンなどアフリカ諸国で資源開発を積極的に行っているが、上記のような争議や現地中国人が襲われる事件が多発している。

一方アメリカは、アフリカでの中国の行動に警笛を鳴らしている。 以下はヒラリー・クリントン米国務長官が去年6月アフリカを訪問した時の記事だが、要約すると: クリントン長官は、外国の投資家や政府による利己的な資源抽出を、アフリカにおける「新植民地主義」と批判した。 長官はこの発言で名指しこそしなかったが、前日にはアフリカの人々がつけ込まれないよう、中国のアフリカでの投資を精査するよう訴えている。



◆ ◆ ◆

一般的に植民地支配は、支配者側に巨大な利益をもたらすと考えられがちだが、その歴史を振り返ると、実はそうでもない。

日韓併合などはその典型的な例で、1910年当時財政破綻状態だった韓国を併合して35年間、現在の貨幣価値で数十兆円にも上るインフラ投資を行ったわけだが、それにどんなメリットがあったのか、甚だ疑わしい。

あえて言えば、日本が併合しなければロシアが併合していたので、安全保障上のリスクを取り除いたという説ぐらいだが、あまり説得力がないように思える。

大英帝国の植民地支配はどうだったのだろうか?

以下は1924年に経済学者 John Maynard Keynes(ジョン・メイナード・ケインズ)が残した言葉だが、要約すると: アフリカのど真ん中にある、数千人の白人と数十万人の黒人が暮らす南ローデシアに、我々の戦時公債と同じような条件で無担保ローンを与えるなんて馬鹿らしい。 もしカナダの Grand Trunk 鉄道の株券が紙屑になったら、我々には何も残らないが、ロンドン地下鉄の株券が紙屑になっても、ロンドンの人々には地下鉄が残る。


どうやらケインズは、重くのしかかる植民地維持コストに苛立ちを感じていたようだ。

また London School of Economics 教授で、大英帝国の植民地政策が専門の Patrick K. O'Brien 氏は著書「The Costs and Benefits of British Imperialism 1846 - 1914」で、19世紀の植民地への投資は国内産業の近代化に必要な資金を奪い、植民地への投資は国内への投資に比べてリターンが低かったと主張する。

以下のグラフは、アメリカ・英国・アフリカ・インド中国以外のアジア・インド・中国の、1820年から1950年までの年平均の一人当たりGDP成長率だが、大停滞期の中国(清朝末期〜中華民国時代)を除くと、インドの成長率の低さが目立つ。 ずいぶん投資したのに生産性は上がらなかったようだ。

 
植民地支配と聞くと、その土地の財宝を略奪し放題というイメージがあるが、インフラ投資や安全保障(被支配者の反乱から身を守る)にお金ばかりかかって、遅かれ早かれ財政がきつくなる。

アメリカは世界の警察という支配的な役割を経験して、人的・金銭的負担が大き過ぎて割に合わないことに気づき、アジアの番犬に収まることにした。

中国はこれからアフリカで、思っていたほど美味しい商売でないことに気づくだろう。(パキスタンやビルマでも、それが明白になりつつある)

帝国(強国)が勢力を広げ過ぎると、財政難に陥り衰退するというのは、昔も今もこれからも変わらない。


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米軍をむやみに追い出すもんじゃない

2012年01月27日 | 世界
以下の記事の要約: 20年前に太平洋地域で最大の基地から米軍を追い出したフィリピンは、米軍のプレゼンスを再び拡大する話し合いをオバマ政権と進めている。 選択肢として考慮されているのは、米海軍をフィリピンで活動させる、米軍部隊をローテーション・ベースでフィリピンに配置する、合同訓練をより頻繁に行うなどだ。 フィリピン政府との戦略的会談は、オバマ政権が東南アジアの国々(ベトナム・タイを含む)との軍事協力を強化する試みの一環だ。 


フィリピンには、クラーク空軍基地とスービック海軍基地という、アメリカ国外では最大の米軍基地があった。

1947年に調印された軍事基地協定により、1991年9月まで米軍の使用が認められていた。

基地の使用期限延長に関する交渉中の1991年6月、クラーク空軍基地から20kmほどのピナトゥボ山が大噴火し、空軍兵士とその家族はスービック海軍基地へ避難した。

米軍はクラーク空軍基地の使用期限延長を断念したが、スービック海軍基地に関しては10年間の使用期限延長を要請した。

しかしフィリピン議会の左派勢力が使用期限延長に強く反対し、両基地は1991年11月26日に返還された。

米海軍が撤退すると、それを待っていたかのように、フィリピン・パラワン島すぐ西の南沙諸島(スプラトリー諸島)付近で中国海軍の活動が活発化し、1995年にミスチーフ礁などフィリピン主張の島を占領して建造物を構築した。

ご承知の通り日本の左派政治家たちも、20年前にフィリピンの左派勢力が米海軍撤退を主張したように、普天間の米海兵隊・航空戦闘部隊(第36海兵航空群:第1海兵航空団所属)のグアム移転を主張している。(キャンプ・コートニーの地上戦闘部隊(第3海兵師団)の移転は要求していないので、地上部隊と航空部隊が沖縄とグアムに分かれることになり、米海兵隊がそんな要求を受け入れるわけがないのに...)

その代表格の福島瑞穂は、米海兵隊がグアムに移転しても、日本が憲法9条を堅持すれば、中国は日本の平和姿勢を評価し、絶対に攻めてくることはないと主張する。(彼女が繰り返す「憲法9条が最大の抑止力」というやつ)

私は心配性のせいか、そうは思わない。

中国は第2次世界大戦終了以降、世界で唯一、領土拡大目的で三つの地域(チベット・ウイグル・ベトナム)に侵攻した歴史を持つ国だ。(南沙諸島も入れると四つか...)

◆ ◆ ◆

軍事に詳しい人はこのセクションを飛ばしてもらうとして、沖縄の米海兵隊がどんな役割を果たしているのか考えてみよう。

以下は南西諸島の地図だが、南西諸島には数十の島があり、これらすべての島に自衛隊を配置し、敵の侵攻に備えるのは難しい。


そこで上陸・奪還作戦が専門の海兵隊を、すべての島に短時間で到達できる位置に配置し、もし敵がある島に侵攻した場合、短時間でその島に到達し、島を奪還するというのが島嶼防衛のセオリーだ。 

特に短時間で到達できるというのが重要なポイントだ。 なぜなら上陸した敵に時間を与えれば与えるほど、敵は守りを固めることができ、島を奪還しに来る海兵隊の任務を困難にするからだ。

理想的には、敵の上陸から12時間以内に到達して奪還を開始したい。(あくまでも目安だが...)

米海兵隊が駐留する沖縄本島は、垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイで尖閣諸島や日本最西端の与那国島まで2〜3時間で到達できる理想的な位置にあるので、敵の上陸から6時間以内に出撃すれば、12時間以内に到達できる。

6時間以内に出撃する訓練を繰り返す第24海兵隊遠征隊(24th MEU)

よって中国軍は、米海兵隊が沖縄本島にいる限り、南西諸島のどの島に侵攻しても、海兵隊にすぐ奪還されてしまうので、侵攻する意味がない。 これがいわゆる米海兵隊の抑止力である。

逆に言えば、もし米海兵隊がグアムに移転すれば、オスプレイで南西諸島に到達するまで最低3回の空中給油を必要とし(米海軍公式サイトのデータによると、強襲部隊員24人搭乗の場合、オスプレイの給油なしの行動半径は448km)、12時間以内には到達できないので、中国に侵攻のインセンティブを与えることになる。

◆ ◆ ◆

私は長期的には、自衛隊が日本の島嶼を自ら守るべきだと思っているし、いずれアメリカもそれを日本に要求してくるだろう。

日本にも、島嶼の防衛・奪還を任務とする西部方面普通科連隊という部隊が、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に駐留している。

ただ隊員の数は僅か650人で、毎年のようにサンディエゴの米海兵隊基地で、米海兵隊と合同訓練を行っているが、米海兵隊員と比べると体格が二周り小さいし、戦闘能力は米海兵隊員とはまったく勝負にならないレベルだ。

日本の島嶼を自ら守るには、隊員数を2000〜3000人に増やさないといけないだろうし、戦闘能力も高めないといけない。

もし米海兵隊が沖縄を去ることになれば、普天間はクローズして、米海兵隊・地上戦闘部隊(第3海兵師団:3rd Marine Division)や第3海兵遠征旅団(3rd MEB)が使用していたキャンプ・コートニー、或いは第31海兵隊遠征隊(31st MEU)その他が使用していたキャンプ・ハンセンに、西部方面普通科連隊が移ってくるべきだろう。(長崎県佐世保市では日本最西端まで遠すぎる)

それは将来のこととして、米海兵隊・航空戦闘部隊(第36海兵航空群:MAG-36)が、普天間からどこへ移転するのが最善なのかを考えてみよう。

以下は沖縄本島の地図だ。


移転先として主に三つの候補地が挙げられてきた。 

(1) 現行案: 辺野古沖にV字滑走路を埋め立てて造る。
(2) 嘉手納基地統合案: 米空軍嘉手納基地滑走路を空軍と米海兵隊が共用する。
(3) キャンプ・ハンセン案: 31st MEU のキャンプ・ハンセンに滑走路を造る。

現行案(辺野古案)の問題点は、巨額のお金がかかる。 自然を破壊する可能性がある。

嘉手納基地統合案の問題点は、滑走路が混雑し過ぎて管制官への負担が大きい。 騒音問題が、さらに悪化する。  

キャンプ・ハンセン案の問題点は、31st MEU がジャングル訓練に使うだけあって、森林で埋め尽くされており、起伏が激しく、森林伐採や土地の平坦化に多額の費用がかかる。

私は米空軍に友人がいたおかげで、嘉手納基地内のゴルフ場で何度かプレーさせてもらった経験があるし、嘉手納基地内の様々な場所をチェックさせてもらったことがある。

とにかく馬鹿でかくて平坦な土地がいくらでも余っているという印象を受けた。

もし現存の滑走路が混雑し過ぎるのなら、新たな滑走路を低コストで造れるだろう。 ただ既に3700mの滑走路が2本もあるのに(成田空港や関西国際空港に匹敵する)なんでそんなに混雑し過ぎると予想するのか意味不明だ。

騒音に関しては、既にF-15C戦闘機が5〜10分おきに離着陸するせいでかなり酷く、これにF-15Cよりはるかに静かなMV-22オスプレイやCH-46Eが加わっても、何の変化も感じないだろう。

多額の費用がかかる辺野古案やキャンプ・ハンセン案に比べて、嘉手納基地統合案が圧倒的に優れているというのが、私の考えだ。

嘉手納基地統合案が今まで採用されなかったのは、米空軍のわがまま(滑走路を海兵隊とシェアしたくない)というのがコンセンサスだ。

以下の記事を要約すると: 米空軍太平洋地区トップの Gary North 空軍大将は、嘉手納基地での共同通信とのインタビューで、海兵隊の普天間飛行場と空軍の嘉手納基地の統合案を切り捨てた。「嘉手納基地の現状維持が我々にとって最も都合がいい」 一方、米上院軍事委員会委員長の Carl Levin 上院議員、James Webb 上院議員(ヴァージニア州選出)、John McCain 上院議員(アリゾナ州選出)は、普天間の辺野古沖への移転は、費用がかかり過ぎると主張している。


現行案に決まる前は、民主党の岡田克也や自民党の河野太郎が、嘉手納基地統合案を主張していた。

せっかく米上院軍事委員会でも、嘉手納基地統合案を推す意見が出てきているのだから、日本政府は移転先が辺野古沖に決まったからといって、それに固執すべきではない。

日米両国の財政難を考慮すると、嘉手納基地統合案が唯一の選択肢なのは明白だ。


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