2006年度作品。韓国映画。
精神クリニックに入院してきたヨングンという女性は自分をサイボーグだと信じていた。ヨングンはイルスンが何でも盗むことができると聞き、自分の同情心を盗んでくれ、と頼む。イルスンは彼女の行動を観察することになる。
監督は「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク。
出演は「箪笥」のイム・スジョン。歌手Rain(ピ)としても活躍するチョン・ジフン ら。
舞台は精神クリニックで、主人公の女性はそこの患者だ。
そのためもあり、物語中には主人公の妄想がそこここに差し挟まれる。その映像はコミカルで笑える部分もあるのだが、それ以上にはなりきれていないように、僕には思う。主人公の病気の関係や、妄想ということもあり、どれもこれも思いつきの羅列でしかなく、そのために物語の一貫性は損なわれてしまっているからだ。
そういう映画が好きな人もいるかもしれないが、僕には肌が合わなかった、というのが率直な想いだ。
良かったのは主人公に惚れる男が彼女の背中にドアを描くシーンと、彼が女に食事をさせるシーンだろう。ユニークな二人のシーンだけあり、自然彼らを応援する気になり、一体感を感じることができる。
しかしそれも全体を覆すほどの美点にはなりきれていない。
発想のおもしろさは目を引いただけに、個人的には何とも残念でならなかった。
評価:★★(満点は★★★★★)
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