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預言者伝60

2014年02月27日 | 預言者伝関連
188.親愛の預言者・慈悲の使徒:
  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は続けて言われました:クライシュの衆!私がおまえたちに今から何をすると思う?
  人々は答えました:善きことでしょうか、寛大な兄弟、寛大な兄弟の息子であるあなた!
  彼(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:私は、ユースフがその兄弟に言ったことをおまえたちに言おう:「今日、おまえたちが責められることはない。さあ、行きなさい。おまえたちは自由の身である」。

  そしてビラールにカアバに上って、アザーンをするよう命じました。クライシュのリーダーたちや貴族たちは、アッラーの御言葉が高められるのを聞いていました。そしてアザーンの音によりマッカ中が震えました。

  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は、いとこであるアリーの姉妹のウンム・ハーニーの家に入り、沐浴を済ませ、8ラカアに及ぶ勝利の礼拝を、アッラーへ感謝を捧げるために行いました。

189.アッラーの掟の実行に差別はない:
  この出来事が起きている時、あるマハズーム族のファーティマという名の女が盗みを働いてしまったのですが、彼女の一族がウサーマ・イブン・ザイドに援助を求めて集まってきました。なぜならアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がウサーマを可愛がっていたため、彼に執り成してくれるよう望んだからです。ウサーマがアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)にこの件を話すと、彼は顔色を変えて、言われました:アッラーの掟に関係することを何とかしてほしいと言うのか。ウサーマは言いました:アッラーの使徒さま、私のためにアッラーに赦しを乞うてください!

  夜になると、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は説教のためにお立ちになりました。まずアッラーを讃え、続けて言われました:さて。かつて、おまえたち以前の時代の人間は滅ぼされたが、その中の貴族が盗みを働くと放置し、弱者が盗みを働くと刑を下したからである。ムハンマドの魂をその御手にされる御方に誓うが、ムハンマドの娘、ファーティマが盗みをもし働いたら、その手は切断されるだろう。

  そしてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はかの女の手の切断を命じたことにより、女の手は切られました。その後、女は悔悛し、結婚しました。

190.最悪の敵に対する恩赦:
  ムスリムたちがマッカに無事入場して落ち着き、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)も町の人たちに安全をもたらしましたが、例外としてカアバの覆い布の中に隠れているところを見つけた場合でもある9名の殺害を命じました。彼らの中には、背教した者もいれば、ムスリムを欺いて殺した者、風刺の詩を作るのに忙しく、それを人々の間で広めていた者などがいました。

  その一人、イクリマ・イブン・アビージャハルはイスラーム国を嫌ったため、また自身の安全確保のためにイエメンに逃げました。逃げた後、彼の妻がアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)に夫が安全で居られるよう求めたところ、確かにアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は、現世で最大の敵である男の息子であるイクリマに身の安全を与えました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は現れたイクリマが来たのを知ると、上着をその肩にかける間もないほど早く彼に進み寄りました。イクリマの事を嬉しく思い、歓迎したためです。そこでイクリマはイスラームに帰依しました。このことでもアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は非常に喜びました。イクリマはムスリムとしての信仰に磨きをかけていきました。彼はその後、背教の戦やシャームでの戦で活躍することになります。

  他に指名手配されていたのは、ジュバイル・イブン・ムトゥイムの奴隷であるワハシーです。彼はアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)の父方のおじであり、アッラーとアッラーの使徒の獅子と別名のあるハムザ・イブン・アブドゥルムッタリブを殺害した男です。ワハシーは後にイスラームに帰依し、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)も彼の帰依を受け入れました。ハッバール・イブン・アル=アスワドも然り。かれはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)の娘、ザイナブが移住しようとしているところを邪魔して、彼女を岩の上に転げ落ちてしまうよう、倒したため、ザイナブは流産してしまいます。ハッバールは逃げましたが、その後、イスラームに帰依し、善き信仰を持つ男になりました。

(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P340~342)

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