SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

28.少年時代(ケロロ軍曹【ちびクル×ちびゼロ】)

2008-03-03 21:02:03 | クルドロ50のお題
同世代がやる遊びなんて単純で、俺にとってはつまらないものばかりだ。
同級生の輪に入らず、ただ流れていく時間をぼ~っと過ごす。
だけど本当は、輪に入らないのではなくて、入れない。
素直じゃない俺は、大勢で遊んでる同級生たちに、

「仲間に入れて」

と、どうしても言えない。
だから冷めた子供ぶってるだけ、
本当はみんなと一緒に遊びたい。
ふと隣を見ると、俺と同じく輪に入れないのであろう、少年が一人。

「みんな楽しそうでいいな…」
「仲間に入ってくればいいじゃねえかよ」
「僕、身体弱いから、誰も仲間に入れてくれないんだ…」

妙に幼い声、幼い顔。
たぶん俺より年下だろう。

「お前、何年生だ?」
「3年生」
「はぁ?嘘つくんじゃねえよ。
どう見たって1年坊主だろうが」
「ほっ…本当に3年生なのにぃ~」

泣かせてしまった。
よく見ると確かに、名札に3年と書いてある。

「3年なら、もっとしっかりしろよ」
「君は…?君は何年生なの?」
「俺は、2年だ」
「2年生か…僕、本当は今2年生のはずだったんだ。
でも、予定よりだいぶ早く、小さく産まれちゃって…。
あと1日遅かったら2年生だったのに。
もう少し遅く産まれたら、僕、こんな身体に産まれなくて済んだのかな?」

そんなこと判りゃしない。

「君は、みんなと遊ばないの?」
「俺は…友達いねぇから…」
「僕も…あまり学校に来れなくて、なかなか友達ができないんだ…」
「…そうか…」
「ねぇ、僕たち、友達になろうよ」
「はぁ?」
「お互い最初のお友達、いいでしょ?」

俺に友達が出来る?こんな俺と友達になりたいって?
嬉しくて動揺を隠せなかった。

「…あんたがそこまで言うなら、なってやってもいいぜ」

やはり素直じゃねえな、俺。

「本当!?ありがとう!僕はゼロロ。よろしくね!」

こいつは素直に喜んでる。
どうやったらそんなに素直になれるんだろうか。

「俺はクルルだ。まあ、しょうがねえから仲良くしてやるよ」
「クルルくんか…。クルルくん、ブランコで遊ぼうよ!」

俺にとってはつまらない遊びだと思ったが、
それでも、友達が出来た喜びが大きくて。

「いいぜ、ブランコ」

俺はゼロロの手を取って駆け出す。
ゼロロは、はぐれないように俺の手を、強く握っていた。


Fin


【あとがき】
そして長い時間をかけて恋人繋ぎに(笑)
うちの小説は特に一つ一つの話に繋がりはありません。
だから以前書いたものと比べると、矛盾だらけです。
このお題で別Ver.も考え中。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
可愛いww (naru)
2008-03-05 19:20:10
可愛いクルルですねww
ほのぼのとした幼年期は可愛くて大好きです!!
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ちびクルちゃん (み~る)
2008-03-06 19:32:55
ちびクル書くのって難しいんですよね。
あんまり出てこないから、どんな子だったのか想像できなくて…。
だから勝手にクルちゃんの過去は暗い話多いんです(笑)。
ちび時代はゼロちゃんの方が書きやすいです(笑)
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