それは一本の電話から

昨年僕が振り込め詐欺を撃退した時の体験談が、三鷹市報に掲載されたので高齢者の方々に参考となると思い、本日原文を投稿します。この文章を参考にされ、くれぐれも被害に合わぬようにして下さい。

昨年のある日の午前中、我が家の電話が鳴った。受話器を取ると「俺だけど今新宿だ。会社の大切な書類が入ったカバンを置き忘れて困っている」との内容だった。しゃべりの口調も、声も息子にそっくり。僕はてっきり息子だろうと思ってしまった。息子は別棟に住んでいるが、１ヶ月ほど話をしていなかった。電話は直ぐに切れ、３０分ほどするとまたかかってきた。相手は息子の上司を名乗り、書類だけでなく小切手も入っており、取引先に支払いをしなければならず困っているとの内容。僕はピンときた。電話の相手に息子の氏名と年齢を聞いた。しかし、相手はしどろもどろになり答えられなかった。電話が切れたあと、息子の携帯電話に入れると「俺は今仕事だ。新宿には行っていない」との返事。僕は直ぐに三鷹警察の担当部門に電話をし、事の成り行きを話した次第である。

その後上司と名乗る男からは電話はかかってこなかった。離れていても子供達とは疎遠にしてはならないと思ったのが僕の教訓である。