中国雑聞記

当地の新聞ニュースの中から、日本では報道されないものを紹介し、中国庶民生活の一端でも感じてもらえたらと思います。

国際結婚

2007-11-16 10:05:56 | 世相
日本での豊かな生活を夢見て嫁いだものの、現実との乖離に失望して帰国した中国人女性の話。

2006年の旧正月頃、上海の女性Yさん(42才)はある人の紹介で日本人旅行客Aさんと知り合った。同5月10日仲介者Wおばさんに7万元を支払って結婚登記と婚礼を委託。契約には婚儀不成立の場合は全額返却するとの項目も設けた。
6日後、Yさんは日本人Aさんと上海で結婚登記を行ない簡単な婚礼も済ませ日本に嫁いだ。ところが日本についてみると、Aさんは紹介者が言っていたように裕福ではなく、「字も知らない農民」で「家には腰掛けすら無い」有り様で、毎月5~6万円の生活費を呉れるだけ。数ヵ月後Yさんは上海に逃げ帰り、警察に仲介者Wおばさんを詐欺で告発すると共に7万元の仲介費の返還を求め訴訟を起こした。

そして先日、この審理が始まった。法廷で仲介者Wおばさん側は多くの証拠を提出、両名が知り合って結婚したのは詐欺でも強制でもないと証明。弁護士もYさんが上海に逃げ帰った本当の理由は、当初玉の輿を目論んで嫁いだものの、夫が普通の会社員であったためだと主張。更に多くの写真を提出、結婚後日本人AさんがYさんの家庭内暴力に遭ったことを証明し、この国際結婚の真の被害者はAさんであると述べた。
後半、原告被告は7万元の使途をめぐって激論を戦わせた。Yさんが7万元は「仲介費用」だと主張したのに対し、Wおばさんは婚儀に関する支出を委託されたものであり、1万元は婚礼写真や披露宴に、残りの6万元は日本の習慣にもとづき日本から参加した日本側友人3名に支払ったと主張して譲らなかった。
Yさんは裁判所の調停を拒否、後日判決が下される予定。

ところで、中国の法律関係の新聞には判決公告が掲載されている。そこでよく見かけるのが外国人との離婚裁判に関する公告。そもそも離婚は夫婦が公証人役場に赴いて手続きしなければならない。中国人妻が一方的に逃げ帰るケースでは、夫と公証人役場に出頭することができないから、裁判所で離婚についての判決を得なければならない。そうしないともちろん再婚できない。夫側不在のいわゆる欠席裁判だから判決が下りても、「x月x日までに異議申立がない場合は、本判決を有効とする。」という公告が掲載される。この公告記事の夫側の多くは日本人や韓国人だ。

この記事の書き方から判断すると、記者はYさんの軽率さと冒頭の打算的国際結婚の失敗に対して警鐘をならしているようだ。


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