日本たばこ産業(JT)は17日、火を使わず、煙が出ない「無煙たばこ」を、5月中旬から東京都内限定で発売すると発表した。
タバコの葉が詰まったカートリッジをパイプに取り付けて吸うもので、においもほとんどしない。受動喫煙の心配もなく、肩身の狭い思いをしている愛煙家の間で評判となりそうだ。反応を見ながら、全国に販売を拡大するか検討する。
商品名は「ゼロスタイル・ミント」。パイプとカートリッジ2本入りで300円。詰め替え用カートリッジは4本400円。長さは普通のたばことほぼ同じ約8センチで、1本で半日から1日は持続する。
新製品は、歯茎などにタバコの粉末をつけて香りなどを楽しむ「かぎたばこ」に分類され、発表によると、ニコチンの吸収量は、JT製品の中で最も少ない製品の20分の1程度。JTによると、国外では、タバコの葉を直接かむ「かみたばこ」や、かぎたばこが広く普及しているが、国内の普及率は「ほぼゼロ」(JT広報部)という。
受動喫煙を巡っては、神奈川県の「受動喫煙防止条例」が来月から施行されるほか、厚生労働省も今年2月、不特定多数の人が利用する施設を原則、全面禁煙とするよう求める通知を都道府県などに出している。しかし、かぎたばこは、厚労省、神奈川県ともに、「他人にたばこの煙を吸わせない」として、規制の対象外。記者会見したJTの小泉光臣副社長は「様々な場所で吸えるため、喫煙者の不便を解消できる」とアピールした。
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