*sweet*Days

映画レビュー

パフューム

2007-03-05 11:35:47 | Weblog
CAST:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン 他

STORY:18世紀フランス。魚市場で産み落とされ孤児になったジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)は幼い頃から鋭い嗅覚を持っていた。ある日ジャン=バティストは、美しい女性の香りを初めて知る・・・・

面白かったです。2時間半の上映時間もあっと言う間。主人公の衝撃的な出生から生い立ち、そして彼のやること全てに目が離せませんでした。 18世紀のパリ。悪臭に満ちた街。ベルサイユやマリー・アントワネットのイメージから爽やかな香りを想像してしまうけど、その実昔ヨーロッパでは、排泄物を道に捨てていた・・・なんて話もある上に、日本人と違って入浴の習慣がないのでそりゃそりゃ何とも言えない臭いが漂っていた事でしょう。ベルサイユ宮殿でさえ、庭のあちらこちらに「落とし物」が溢れていたそうですから(苦)だからこそ、香水文化が発展したのだし。そんな中でも更に鼻を突く臭いを放っていた魚市場。そこで産み落とされた主人公。生まれも育ちも哀れすぎる男・・・神は彼に「類い希なる嗅覚」のみを与えた・・・ワンコ並の嗅覚だけを頼りに生きる人生。それは最早人としての常識や理性を超越し、気味が悪くて異常だと分かりつつも彼が何をしようと憎しみや怒りを感じず、ただただ彼が成し遂げようとする事を見届けることしかできない。決して美しくなく、寧ろ貧相で見るのも辛いほど哀れな風貌の男でありながら、何故か彼が画面いっぱいに出てくると見入ってしまいます。CMなどでも流れている驚愕・・というか唖然とする場面はありますが、嫌いにはなれない作品です。 主人公のベン・ウィショー、『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』では、冴えないキース・リチャーズで、キースファンとしては納得いきませんでしたが(笑)、この作品ではとても良かったです(*^^)b 名優のダスティン・ホフマンやアラン・リックマンとの共演ですが、存在感たっぷりでした。また、ベルリン・フィルの音楽もとても効果的。 赤や黄色の鮮やかな花達・・・そして赤毛の美しい女性達。皆この男の鼻に留まると、全てが永遠のものになるのです・・・