プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

若生智男

2016-12-04 14:52:31 | 日記
1966年

ナインの荒っぽい握手、カメラのハデなフラッシュに囲まれながら若生は何度もつぶやくようにくり返した。「オレ自身が驚きなんだ。ことし二度目の先発でまさか完封なんて・・・」だがナインはだれも驚かなかった。それどころかオールスター後のエースという声まで出ていた。十四試合に登板して防御率1・80というのが後半戦での若生のピッチングだ。その間に一度でも先発のチャンスがあったらとっくに完封をマークしていたかもしれない。「このゲームに先発だ、といわれたときはちょっぴり胸がふくれた。先発の味を忘れかけた投手にとってどんなに喜びが大きいか。だれだって必死になる。そうじゃなくても阪神へ移って三年目。ことしほどマウンドの上でからだに力がはいる年もない」古葉に三塁打を打たれて弱気になりかけたのは始まったばかりの一回表。「あそこまで点をとられたら勝利投手どころか、途中でダウンしていたかもしれない。いままでがそうだった。思いがけないピンチになると相手の打者よりまず自分に負けていたんや。ところが無死三塁をぐっと踏んばれた。あれがなんというても大きい」今シーズンはこれまでの速球、カーブに「三年かかって、やっとものになりかけた」というフォークボールがふえた。「元来、スピードでは指折りの投手だ。フォームも大きい。しかし投球が単調だった。それがフォークボールという新しい武器ですっかり変わった。もちまえの速いストレートがますます生きてきた。そう簡単に打てない。きょうのピッチングなら完封してあたりまえだ。なにも不思議じゃない。投げさせればいくらでも投げる」と白石氏はいう。

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