プロ野球 OB投手資料ブログ

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久保征弘

2016-10-01 11:40:24 | 日記
1962年

今シーズン近鉄の躍進は意外といっていいほどすばらしい。好調な原因は打力の向上もあるが、なんといっても投手陣の充実が大きい。その投手陣の輪が久保投手である。いうなれば好調近鉄の推進力であり、原動力というわけだ。久保は二十二日現在二十八試合に登板、十一勝八敗、投球回数百一十回2/3、被安打百十二、四死球三十五、三振七十二、自責点三十四、防御率二・五四と投球内容も立派なものである。開幕前主軸とみられた徳久が足を痛めて欠場している現在、完全にエースにのし上がった。これまで近鉄で六月中に十一勝もあげた投手はなく、久保がはじめてだ。彼は三十四年、大阪、港高校から近鉄入り、高校時代大阪ではA級投手の一人にあげられていた。三十五年は四試合に出て一敗、昨年は五十試合に登板しながら勝ち星がなく八敗という不成績に終わった。さる四月十七日、日生球場で行われた対南海一回戦、常に自分のペースで投げ続け、散発八安打に押えての完投が初勝利だった。当夜、久保は、ブルームから渡された初のウイニング・ボールをしっかりにぎりしめ「やっと芽が出ました」と静かに話したが、プロ入り四年目、実に八十八試合目に終わった勝利をかみしめているようだった。久保は厳密にいって新人とはいえないが、このように今シーズンはじめて脚光を浴びたという意味では新人と解してよいだろう。この勝利で彼はすっかり自信をつけ、一試合ごとにプレート度胸もつき、球の配合もうまくなった。1㍍81、67㌔と長身、やせ型のため一見ひ弱そうだが、なかなかタフである。彼のウイニング・ショットは沈むシュートだ。普通沈む球を投げる場合、スナップ、腕、肩などに無理な力をかけなくてはならないが、それを彼は無造作に投げている。いわゆる自然に沈むのである。今年はカーブ、スライダーの切れもよくなった。このためシュートが一層生きてきたが、これが技術的に最も進歩した点である。久保は「キャンプでも昨年よりよく走った。いまでも試合前には十分走っているが、これがよかったようです。投手は暇さえあれば走らないとダメですね」といい、また「カーブ、シュートの切れもよくなったのは事実ですが、これからの課題は球速よりもまず制球です」と研究もおこたらない。二十一日の西宮球場は小雨、大勢の選手が帰ったあともグラウンドに出てランニングや守備練習を黙々と行っていた。別当監督も「久保は実にまじめな選手だ。おとなしそうだが、シンはしっかりしている。四月二十四日からの対南海三連戦などは三連投。それも自分から投げさせてくれと買ってでたほどである。闘志もあり、なかなかタフだ」とほめちぎる。ピッチング担当の野口コーチは「性格が良いし、まだ二十二歳になったばかりで若さがある。よく意見を聞くし、研究も熱心だ。ただ、リリーフが多くなると先発した場合、立ちあがりがどうしてもかたくなり勝ちだ。いつも力を抜いて同じ調子で投げられるような投球のコツを早くつかむことが必要だ。それに制球をもっとつけなくては・・・」とさすがにきびしい。

久保投手の話 こんな成績をあげられたのもチーム全員の力です。特に吉沢さんのリードは立派だと思います。いつも冷静だし、打者の欠点をよく見抜いてくれます。吉沢さんを信頼していれば、まちがいはないような気がします。自信ですか、できるだけ勝ちたいですが、まず二十勝ですか。

南海野村選手の話 久保君は昨年あたりからいい投手だと思っていたが、成績が悪かったのはチームが弱かったため自信をつけるチャンスがなかったのだろう。それが今年はチームが強くなってすっかり自信をつけている、そのため球にも威力が増してきた。そして彼のピッチングは直球をほとんど投げないのが特徴だ。シンカーを多く投げるが打者の手もとで変化するのであの球は打ちにくい。こういった型の投手としてはスピードもある方だ。
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