プロ野球 OB投手資料ブログ

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松本忍

2017-04-29 11:30:40 | 日記
1967年

佐藤はスタートそうそう激しく打ちこまれた。コントロールに甘さがあったからである。1-2から江藤に禁物の外角より高めのスライダーをたたかれ、千原には2-2から肩口をねらったさそいダマがマークのあたりにはいってしまった。低めの狂いならキズも浅いが、高めの失敗は始末が悪い。失投は投手にとってはさけられないものであろうが、それも相手とケースによりけりだ。いささか不用意の感はまぬかれない。しかし一回の失敗が身にしみたのであろう。二回からは低め攻めに徹した。もっとも三回、中、法元、高木守がいずれもはっきりボールと見られるタマに手をだしていたのも佐藤にとっては救いだった。七回、千原に左中間を破られ、代打葛城に外角やや高めのストレートを中堅へたたかれたのは球威の限界を感じさせた。中日には意外にもリリーフ専門の板東を初先発させた。先発組が手づまりでローテーションが狂ったあげくの苦肉の策である。しょせん、長つづきは期待できない。それだけに板東の次にだれを起用するか、注目された。西沢監督はバクチをうった。左腕松本の起用である。松本はことし、阪神二回戦、サンケイ八回戦と二度登板しているが、いずれも勝敗に関係なし、いってみれば敗戦処理であった。ひょうたんから駒がでたといえば、本人には不満かも知れないが、四回、バトンを受けついでからあれよあれよという間に終盤まで投げ切った。五回矢ノ浦に内角球を右前へ巧打され、ロバーツには外角速球を中前へ痛打された。次のジャクソンが左であったため続投になったのであろうが、代えどきとみた。ところが、ジャクソンが内角高めのボールに手を出したため救われた。西沢バクチの成功である。サンケイの打者にしてみれば、実績のある相手ではないだけに、いつでも打ち込める、長つづきはしないだろうといった安易感があったと想像される。実はここに落とし穴があったのだ。もちろん、松本にも「打たれてもともと」といった気やすさはあったろう。この心理が双方に大きな影響を与えたと見ていい。技術的な面をいえばストレートはそう速くないが、カーブの切れはシャープだった。シュートも右打者の外角低めにかなり決まっていた。だが、制球力がいまひと息である。だからサンケイ打線にもう少しじっくり攻める慎重さがあれば、攻略できたであろう。バッティングアイが粗雑だったことに加え、いつでも攻め落とせると軽く見たのが、意外な悪循環を招いたようだ。

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