
以前、ライブ帝国シリーズとして発売されたDTBWBのDVDを取り上げたので、今回は
それ以外の2枚を。
掲載写真左は75年に日活によって制作されたドキュメンタリー、「ザッツ・ダウン・タウン・ブギウギ・
バンド」。「実録おんな鑑別所」の劇伴を担当した縁で知り合った小原宏裕が、構成・監督を担当。
劇伴担当後、『スモーキン・ブギ』がヒットし、「自分達のバンドの映画を撮りたい」というバンドの
想いを了解していた監督と会社の思惑が一致したために実現した企画ということで、この映画は
実現した。
収録時間は32分と短いため、それほど多くの映画館でかからなかっただろうと想像するが
これが商品化された時(2004年)は、嬉しかったものだ。
当初はDTBWBのツアー・ドキュメンタリーに「ヨーコ」の存在を絡めていく予定が、つくりものの
「ヨーコ」以上に宇崎達の日常が生々しく、リアルなノンフィクションにフィクションは対抗できないと
いうわけで、仕上がった映画は実にスリリングだ。多少のハッタリや粋がりは、御愛嬌。
ツナギに対する正当な思いいれを語る口調は真剣そのものだし、ベース・キャンプやストリップ劇場、
場末のバーといったシチェーションにハマる、或いはそこから生まれた曲を演奏するタフさには驚くばかり。
本編とは別に宇崎による回顧録のようなインタビューがあり、そこで宇崎は「世間は、
いつまでもブギウギを求めていたと思うが、そればかりだと退屈で違う事をやりたかった。
よって後半のDTBWBはどんどん変わっていくが、それがなければ今の俺はいなかった。」という
趣旨の発言をしている。
確かに同じ路線でいけば、しばらくはそれなりに売れても忘れられるのも早かったのではないかと
思うし、そうでなければ「横須賀ストーリー」「想い出ぼろぼろ」「硝子坂」なんて曲も世にでなかった
かもしれない。
ライナーには、シナリオも掲載されていて、それがどんなふうに変わっていって本編が出来たかを
比べるのも一興。
掲載写真右はライブ帝国シリーズで、バンド名にファイティングが入った時代の演奏を収録。
冒頭の泉谷しげるカバー『春のからっ風』は演奏のまとまりを欠いているような感じもするが、
全体に全盛期より、作為的に露悪的であろうとする感じがして、これはこれで面白い。
セックスとドラッグに堕ちた都会の生活者を描き切った曲は、それゆえになかなか受け入れられない
ことをわかっていながら、敢えてそれに挑んだ宇崎の挑発的な態度は刺激的すぎる。
『シャブ・シャブ・パーティー』では、かつてのルー・リードのように静脈に注射器をうつアクションが
あるのだが、カメラが絶妙にアングルを外すのが却って想像力を逞しくさせ、面白い。
ジャックス・カバー『堕天使ロック』も違和感無く収まっている。
DTFBWBに関しては、他に出して欲しい映像があるのだが、まずはオリジナル・アルバムと
ライブ「海賊盤」のCD化を待ちたい。
4月のレコード・ストア・デイにあわせて何枚ものレコードがリリースされたが、回を重ねる
毎に欲しいブツは多くなり、それに比例して入手できないブツも増えてくる。
リンダ&ポール・マッカートニーの7インチは早々に諦めたが、比較的容易に入手できると
踏んで、外す場合もある。これは何処にオーダーするかにもよるのだが、私の場合
今回は「SUNDAZED」レーベルの入手に手間取り、未だに入手できていない物がある。
まあ、その内手元に来るように手はうったのだが。(笑)
そんなわけで、記事にしなかった7インチの恒例の記念撮影。


VUの『SWEET JANE』は、74年のドイツ盤ジャケ。今回収録された『SWEET JANE』は、97年に
リリースされて以降、定番になったフル・レングス・バージョン。イギー・ポップの『I'M NOARED』は
エメラルド・グリーンのカラー・ヴィニール。通し番号入りで、私の番号は115番。
リチャード・トンプスンの盤は両面ともライブ収録。A面の『HAUL ME UP』は昨年のライブで
これは今年発売されたDVD「LIVE AT CELTIC CONNECTION」から。B面の『1952
VINCENT BLACK LIGHTNING』は08年のライブ。この7インチにはダウンロード・クーポンが
入っていて、リチャード・トンプスンのHPから09年のライブ『NIGHT COMES IN』をダウンロード
することができる。
ボスの7インチはA面がアルバム「WRECKING BALL」からの『ROCKY GROUND』。B面は
DVD「THE PROMISE」から10年12月7日録音の『THE PROMISE』。
ボウイ様の7インチは、重量感バッチリのピクチャー・ディスク『STARMAN』。B面はトップ・オブ・ザ・
ポップス出演時の録音で初レコード化だが、入手に難儀したことも相俟って「これは絵付きが
筋だろう」と難癖をつけてみる。(笑)
近日到着の3枚が揃ったら、もう一度記念撮影予定。

待望のCD化である。麻生レミがアトランティックに残した2枚のアルバムが遂に再発された。
掲載写真左は76年のファースト・ソロ「オウンラインズ」、右は78年の2枚目「ザ・ビギニング」。
私が麻生の名前を知ったのは、内田裕也&フラワーズの「チャレンジ!」を91年の再発CDで
聴いたことによる。67年に欧州で最新のロックを体現した裕也さんが、日本のロックを洋楽と
同じようなレベルで演奏し、洋楽と対等に聴いて違和感がないバンドを目指して集めたのが
フラワーズであった。そこでの麻生の役割は、グレイス・スリックやジャニス・ジョプリンのように
歌うことであったように思う。
そして、その役割は見事に果たされた。2枚組の「ロックン・ロールジャム’70」における、
パーカッションとシタールの音の波を縫うかのように歌う『オール・イズ・ロンリネス』には度肝を
抜かれたものだ。アルバムとは別にフラワーズが残したシングルや映画の挿入歌で聴ける
純和風というか、いかにも歌謡曲然とした歌を歌うその歌唱も実は気に入っていたりする。
そんなものだから、彼女が残したソロ・アルバムに興味がいくのも当然である。
「オウンラインズ」と「ザ・ビギニング」は趣が違う。前者は幾分ロックとソウルの香りが強い。
それは『RIVER DEEP , MOUNTAIN HIGH』『I'D RATHER GO BLIND』というカバーからも
伺えるが、バックを務めたウォーター・バンドの井上堯之作のアルバム・タイトル曲の出来が
群を抜いて素晴らしい。ここでの歌唱はロック・ファンにもソウル・ファンにも受け入れられるのでは
ないだろうか。勿論、トラックが良いのは言うまでも無い。
「ザ・ビギニング」は時代が進んだせいか海外録音のためか、幾分洒落た音になっている。
ソウルというよりかは、ディスコ或いはフュージョンもしくはA.O.R.の趣すらある。個人的には
この手の音のバラッドは得意では無く、悪く言えば「記名性の無い、ルパン3世のエンディング曲」の
ような感じもするのだが、それでも全体の歌唱には余裕を感じる。
アルバムはジャケット・デザインで損をしているような気もするが、1枚を通して聴けばそれはそれで
楽しいアルバムだ。
私が2枚のアルバムを聴いて良かったと思ったのは、いつまでもジャニスやグレースのコピーを
していなかったという事実故にというところも大きい。当たり前と言えば当たり前だが、それだけ
フラワーズでの歌唱の刷りこみは私にとっては、大きいものだったのだ。
フラワーズの現行再発CDにはアルバム未収録のシングルや未発表カバーが収録されている。
それ以外の麻生の歌唱は下記のCDで聴くことができる。

94年に出た「カルトGSコレクション・コロムビア編VOL.2」には、ほとんど麻生のソロといってもいい
『ファンタジック・ガール』を収録。06年に出た「カルトGSコレクション・日活編」は、麻生レミ /
フラワーズの曲がインスト2曲を含む8曲を収録。何れも映画用に録音されたテイクなので貴重な
音源である。懐メロと言われればそうなのだが、私は麻生が歌う『君恋し』が好きだ。こういう
曲を受け入れられるようになったということは、私も正真正銘の爺ということなのだろう。(笑)
インストの『ウィ・アー・フラワーズ』は曲の冒頭では裕也さん達による「WE ARE FLOWERS!」という
掛け声が入り、曲間では「ARE YOU ALRIGHT ?」という声も入るが、完全インスト・バージョンは
00年に出た「GO CINEMANIA REEL6」というCDで聴くことができる。このCDには、
「日活編」に未収録の1分足らずのインスト『TSUMUZIKAZE OF LOVE』も収録されている。
そうそう、「日活編」は、モップスの映画用録音『ベラよ急げ』『朝日よさらば』も収録しているので、
モップス・ファンもスルー厳禁。
そう言えば。映画「GSワンダーランド」の中で、栗山千明演じる大野ミクがバンド解散後に
ソロになったシーンを見て、勝手に「麻生レミって、こんなかんじだったのかなあ。」なんて
妄想していたことを告白して、本稿を終わりにする。(笑)

ポール・マッカートニーの数あるアルバムの中で何が一番好きなのかを自問自答する時、頭に
浮かぶのは「BAND ON THE RUN」と「RAM」である。気分によってこの2枚の順位はコロコロ変わる
のだが、今は気分は「RAM」である。何せ、4枚のCDと1枚のDVDを収録したスーパー・デラックス・
エディションを楽しんでいる真っ最中なのだから。
ポールの豪華箱も今作で4作目。正直に言えば、箱の装丁はいつにもまして豪華なのだが
相変わらずボーナス・トラックというか未発表曲の類の収録数が少ないという不満はある。
ただ、あくまで私の感覚ではあるがポールの蔵出しトラックに対して、それほど感心したことはないので
まあいいかという大らかな気持ちは常にある。アルバムの中に平気で捨て曲をぶち込むことも
出来る人なので、当たり前といえばそうなのだが。この表現、悪くとってもらっても結構だが
私はそこにポールのロケン・ローラーを見る気がする。
私にとっての今回の目玉は「RAM」のモノ・バージョンであった。ブートレグCDでも出廻ったことがあるが
それは聴いていない。今回初めて聴くのだが、音の柔らかい感じがとても心地よい。ステレオ・バージョンの
リマスターも素晴らしい。手作り感と手だれ感(笑)が程良く混ざり、ポールのメロディー・メーカーぶりが
炸裂した1枚なので、良い音で聴くことができる嬉しさは何物にも代えがたい。
「RAM」をオーケストラとジャズ風味でインスト・カバーした「THRILLINGTON」も収録されている。
95年にCD化された際に喜んで買ったのだが、2,3度聴いてそれっきりだったので、改めて向き合う
良い機会にもなった。ポールが演奏に参加しているのでは?と言われていたが、ポールは今回の
ライナーで否定している。
DVDにはアルバム作製にあたってのエピソードを簡潔にまとめた映像があり、ライナーに掲載された
ポールのインタビューを補完する。『3 LEGS』のプロモは『HEART OF THE COUNTRY』のプロモの
アナザー・バージョンのような感じだが、『HEY DIDDLE』を弾き語る映像には感動。ポールとリンダの
幸福な日々が伺えて、見ているこっちが嬉しくなる映像だ。画質はよくないが72年の欧州ツアーの
映像を組み合わせた『EAT AT HOME』も興味深い。
ボックスの「おまけ」が、また豪華。132ページの分厚い本には写真と解説が満載で、それとは別に
32ページのスクラップ・ブックを収納。大きめの生写真が5枚に、インクの載りが良すぎる(笑)歌詞
シートの複製も嬉しいのだが、個人的に一番気に入ったのは、アルバム・ジャケット作製用に撮られた
羊の写真集(笑)であった。ああ、楽しいなあ。 
あれ、俺ってこんなにポールのファンだったっけ?。(笑)
まあ、「RAM」のファンであることは間違いないのだけど。
掲載写真はジョー山中・ウィズ・フラワー・トラベリン・バンドの「THE TIMES MAY 1971-
APRIL 1974」。1975年10月10日に発売された編集盤で、先日CD化された。
70年代のFTBの活動は73年4月までで、このアルバムはバンド表記とタイトルから推測されるのだが
ジョー山中のソロ・デビュー・アルバムからの曲を1曲収録したために、こういう表記になったのだろう。
FTBのアルバムに興味を持ち始めた頃、このアルバムは一際欲しいと思ったものだ。
それは偏に、ジャケット・デザインが私好みであったからに他ならない。このジャケットを使用した
ブートレグCDもあったように記憶するが、ようやく正規CDでの入手となったわけだ。
収録された曲に、さして目新しいとかレアな曲とかいう物は無い。
『SATORI PT.1』と『SATORI PT.2』は何故順番を変えて並べたのだろうという疑問はあるが。
疑問と言えば、CDの新規ライナーでは『SHADOW OF LOST DAYS』『MAKE UP』はアレンジ違いの
シングル・バージョンとあるが、私の耳ではアルバム収録バージョンと同じように聴こえたのだが。
前者はシングル盤を所持しているので聴き比べたが、やはりアルバム・バージョンと差異は無いように
思えた。
昔は今に比べて情報は少なく、インター・ネットで簡単に調べることもできなかった。
それ故に今なら間違いであったということがすぐにわかることもあるので、昔のLP時代のライナーを
そのまま使われると悲しいことにもなる。今なら『THE TRAIN KEPT A-ROLLIN'』の
オリジナルはヤードバーズでは無いことは大抵のロック・ファンは知っているだろうから。
それはともかく、FTBの歴史を簡潔に知ることが出来る選曲であるし、先に書いた通り
ジャケット・デザインが気に入っているので、私はこの盤を機嫌良く所持することには変わりない。
数年前に72年の日比谷野音録音と称する音源がアンダーグラウンドで出回ったが、いつか70年代の
未発表ライブ音源が日の目を見ることを願って・・・。

DAVE'S PICKSの第二段は74年7月31日ハートフォードでの演奏を収録した3枚組。
アルバム「FROM THE MARS HOTEL(火星ホテルのグレイトフル・デッド)」発売直後ということもあってか
同アルバムから4曲演奏される。ここで演奏される4曲は、この後もデッドのライブでは演奏され続けられる
4曲なので、「MARS HOTEL」制作の段階からバンドにとって重要と認識された曲なのだろう。
最早私は、3枚組のボリュームでないと物足りない体質になってしまっているのが、栄養価の高い
餌で飼われた豚のようで自分でも情けないのだが(笑)、今回も十分満足。
名曲『BERTHA』は72年の勢い溢れる演奏や、78年頃のタメをつくった演奏も良いが、ここでの
テンポを落とした演奏も滋味でよい。
私の手元に届いたブツの今回のシリアル・ナンバーは、前回の「VOL.1」とは違っている。
当たり前か。(笑)今年発売予定の「VOL.1」から「VOL.4」までを事前予約した人に届けられる
ボーナス・ディスクが掲載写真右のCD。本編の前の公演日である7月29日ランドオーヴァーでの演奏を
1枚のCDに収録。ということは、この日の演奏の全長版を聴くことはできないのか?という
疑問が残らないではないが、ボーナス・ディスクは素直に嬉しい。何と言ってもジャケット・デザインが
秀逸なのが素敵だ。
本編のジャケット・デザインはカラスが描かれていますが、そう言えばこんなデザインのブツも先日
話題になりましたね。
これに関しては今後の映像の全長版のリリースを期待する。
近日、「BRICKERSHAW FESTIVAL 40TH ANNIVERSARY BOX」なる物のリリースがアナウンスされている。
2枚のDVDと6枚のCDで構成されるようなのだが、未見ではあるが過去にリリースされたDVDの評判は
今ひとつだし、6枚のCDのうち4枚はデッドの演奏なのだが、これは72年の大箱に収録済みなので
購入しないかもしれない。残りの2枚のCDはフェスに出た様々なミュージシャンの演奏が収録されるとのことだが
もし、キンクスの演奏が収録されるのなら考え無くも無い。(笑)
まずは、いつものデッドを楽しもう。
今回のクールで、見ているドラマは「鍵のかかった部屋」「リーガル・ハイ」「都市伝説の女」
「ATARU」「家族のうた」である。「カエルの王女さま」は途中で脱落してしまった。(笑)
時間帯が被っていようがなんだろうが、とりあえずハードディスク・レコーダーに録画して見るので
それは問題ない。
最早旧聞に属するが「家族のうた」の視聴率があまりに悪いので、全11回のところが
8回に短縮されると言う。番組開始前から「負」の要因がいろいろと重なったこともあってのこと
だろうが、確かに数字だけをとってみればテレビ局としては頭を抱えるだろう。
私は個人的には面白く見ている。先に「時間帯が被っていようとも」と書いたが、これは
「ATARU」と「家族のうた」を指すのだが、同時に録画が進行している中、リアルタイムでは
「家族のうた」を見ている。
ロック者の琴線を擽ったり苛立たせたりする仕掛けが、ところどころにあるのが面白い。
毎回ゲストで浅井健一や遠藤ミチロウといったミュージシャンが、チョコっと出るのも楽しい。
主題歌や挿入歌も悪く無い。しかし日曜9時にこういったドラマが受け入れられないということは、
実のところ、「ロック」なんていうものは本当はまだお茶の間レベルには浸透していないということか。
いやいや。ここで言うところの「ロック」とは何ぞや、どの程度のレベルを指すのかという問いを
無視し、更に脚本や演出の良し悪しをも無視した物言いなので、酔っ払いの戯言として看過願いたい。(笑)
前回は主人公が子供にギターを教えるシーンがあったのだが、課題曲は『JUMPIN' JACK FLASH』。
初めてギターを弾く子供に、全部ハイ・ポジションでコードを押さえる曲を選ぶのが素晴らしい(笑)というか
無茶な感じで笑った。
結局のところ、いろいろな意味で一番大人なのは「家族のうた」は一社独占スポンサーとはいえ、
裏の「ATARU」でもスポンサーに名を連ねている「花王」ということになるのだろうな。
さて、このドラマも残すところ後2回。今日も見ますよ。
07年はダウン・タウン・ブギウギ・バンド結成35周年だったのだが、その頃彼らのカタログを
順次再発するようなアナウンスがあったように記憶する。私の記憶間違いだったのか、
例によって最初の数枚のお馴染みの盤と2種の編集盤がリリースされたのみで、70年代後半の
アルバムはCD化されずに終わった。
あれから5年。遂に19枚組ボックスというボリュームでDTBWBの仕事がまとめられた。
今まで未CD化だった7タイトルを含むのが嬉しい。全くの初CD化ではないものの、オリジナルの
装丁では初CD化の「あゝブルースVOL.1」「同VOL.2」も含めると実に9タイトルが初CD化である。
自分の中で何を基準に音楽のジャンルを「勝手に」分けているのか、今もって曖昧なのだが
洋楽のロックを聴きだした頃は「日本の歌謡曲や演歌、ニュー・ミュージック(死語)は格好悪い」と
思っていた。それ以前はテレビやラジオで見聴きする音楽をジャンルなんて意識せずに「これは好き、
あれは嫌い」と単純に好き嫌いで分別できていたはずなのに。
勿論、今ではそんなことはない。(と、思いたい)つまり、それは今の「自称ロック」の方々が
それほど格好良くないという事実の裏返しかもしれないのだけど。
DTBWBのシングルやアルバムを順に聴いて行くと、そのスタイルの変遷に驚く。ただ、当たり前だが
その根底にあるのは、日本人が演奏するロックという事実で、洋楽のロックのスタイルにジャズや
演歌、歌謡曲、日本のブルーズを混在させることで、実は日本のロックは格好良いということを
形にしたバンドだと私は了解している。

私が初めてDTBWBを聴いたのは、小学生の頃に叔母に聞かされた『スモーキン・ブギ』だった。自ら
意識して聴いたのは中学生の頃だったと思うが、NHK・FMの「昼の歌謡曲」という45分の番組だった。
その番組で何曲流れたのかは当然のように覚えていないのだが、そこで聴いた『沖縄ベイ・ブルース』を
一聴して好きになったのだ。今聴くと、後付け上等なのだがホーンの絡みがアトランティック・ソウルのようで
私が好きになるのは当然だったのかもしれない。それでも、この曲を聴くたびに自分の部屋は
子供の頃の夏のけだるい昼下がりになり、聴き終わった後には何故か「昼の歌謡曲」のテーマが
脳内で流れ始める。(笑)子供の頃の記憶というのは、適当に上書きされているのだろうが刷りこまれると
簡単には消せないものだ。
私が「あゝブルースVOL.1」に思い入れがあるのは、『沖縄ベイ・ブルース』を収録しているからだけではない。
外国のブルーズと日本のブルーズは違うということ、シカゴやミシシッピーのブルーズのスタイルを真似しなくても
青江三奈や淡谷のり子の歌う「ブルース」に馴染めなかったとしても、日本のブルーズは格好良いということを
教えてくれた盤であるのだから。菅原文太の『一番星ブルース』もよいが、宇崎のブルーズも妙に重くて
その重さが心地よい。ゆらゆら帝国の『夜行性の生き物3匹』を聴いた時に、『東京ナイト&デイ』を思い起こす
ことはできなかったのだが。(笑)
単体でのCD化は難しかったであろうサントラ盤『白昼の死角』『曽根崎心中』の復刻が叶ったのも、
ボックスという企画があったからかもしれない。ただ、今回のボックスに不満がないわけではない。
アルバム未収録曲集と題されたCDには7曲が収録されているのだが、このディスクに不満があるのだ。
『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』『賣物ブギ 』といった重要曲のシングル・バージョンが収録されていないのだから
7曲と言わず、ここはドンと詰め込んで欲しかった。そんなのは散々7インチやベスト盤で聴いてるでしょと
言われれば、その通りなのだけど。(笑)

更なるレア・トラックなら「(秘)色情めす市場〜日活ロマンポルノの世界」、「蔵出し〜ダウン・タウン・
ブギウギ・バンド・オフィシャル・ブートレグ」で聴くことができるのだが、ともに現在はカタログに載っていない。
前者で聴くことができる宇崎竜堂と梢ひとみの『煉獄のブルース』は、一聴の価値がある。
「煉獄」という言葉で何気に思いだしたが、進行中の「日本の映画100選」には「煉獄エロイカ」は
選ぶだろう。勿論「白昼の死角」も。
今回のボックスは、宇崎のロング・インタビューが面白いので、それを読みながら聴くのも一興。
値段は張るものの、私にとっては大切なボックスとなるだろう。
今思い返しても、スペシャルズの影響というのは大きかった。10代の頃はただ単純に
「コステロがプロデュースしたから」「格好良いから」という理由で聴いていた。
彼らのオリジナル曲が素晴らしいのは勿論だが、少しずつカバーした曲の原曲を知るに連れて
スペシャルズというバンドの懐の深さを思い知ることになるとは、10代の頃は予想もしなかった。

「SKA EP」という7インチ・ブートレグ・シリーズがあるのだが、これがスペシャルズ関係のカバーを
多く収録していて実に楽しい。盤によって33回転だったり45回転だったりするのがややこしいのと
レコードのレーベルはクレジット一切無しのホワイト・レーベルなので聴きたい面を間違えることもあるが
それも御愛嬌。レコードは全てカラー・ヴィニールというのが嬉しいのだが、プレス状態は
それほどよくはない。
エイミー・ワインハウスの実力をまざまざと見せつける盤は、4曲収録。スペシャルズがカバーした
トゥーツ&ザ・メイタルズの『MONKEY MAN』、スペシャルズの『HEY LITTLE RICH GIRL』
これもスペシャルズがカバーした、スカタライツがオリジナルで歌入りバージョンはアンディー&ジョーで
お馴染みの『YOU'RE WONDERING GIRL』、サム・クックの『CUPID』という構成。
エイミーの歌唱とバックの演奏の上手さが際立つ7インチである。
ノー・ダウトの盤は5曲収録。A面3曲がカバーで、スペシャルズがカバーしたスカタライツ・ナンバー
『GUNS OF NAVARONNE』、スペシャルズ・カバー『GHOST TOWN』、スペシャルAKAカバー
『RACIST FRIEND』。B面は自身のオリジナルを2曲収録しているのだが、この2曲のスカが
滅茶苦茶格好よくて、密かにノー・ダウトのCDを買ってみようかななんて思うのであった。(笑)

リリー・アレンの盤は45回転盤で2曲収録。A面はスペシャルズのテリーとリンヴァルをゲストに迎えた07年の
グラストンベリーでのライブ録音『GANGSTERS』を、B面はスペシャルズ・カバー『BLANK EXPRESSION』を収録。
このレコードはジャケットが2種あるようだが、流石に2種買うのはどうも・・・・。(笑)
ポーグスの盤にはスペシャルズがカバーしたダンディー・リヴィングストンの『A MESSAGE TO YOU,
RUDY』のライブ録音を収録。88年の録音でスペシャルズのリンヴァルがゲストで参加している。(これは
映像も残っている)5枚組ボックスに収録されたカルチャー・カバー『I'M ALONE IN THE WILDERNESS』も
ここで聴くことができる。
というわけで、みんなスペシャルズが好きなのだ。
本家スペシャルズがエイミーをゲストに招いた09年の
ライブ録音『YOUR WONDERING NOW』を収録したブートレグ・7インチもある。時代を完全に無視した
合成写真が笑えるのだが、それほど違和感が無いのも、また笑える。
エイミーのスペシャルAKAカバー『NELSON MANDELA』を収録した7インチは、今現在未所持なのだが
近日中に捕獲せねば。(笑)
今頃になって気付いたのだが。
クリス・スペディングの『夢のギター・ジャンボリー』の日本盤シングルに描かれたギタリスト達を見て
ピンときたこと。この絵はアルバム「天才クリス・スペディング」の日本盤LPのライナーにも
掲載されていたので、そこで気付くべきだったのだが。
なんとキース・リチャーズさんが描かれていないではないか!。
アルバート・キングやデイヴ・ギルモアも描かれていないのだが、それはさておき(笑)
キースさんが描かれていないのは如何なものか。1番歌詞で歌われるアルバート・キングが
描かれていないのは拙いといえば拙いのだが、知名度から言えばやはりキースさんのことが
気になるのだ。
曲の後半でキースさんが登場してからは、バックで鳴るギターのリフは曲のエンディングまでずっと
『BROWN SUGAR』なのだから。う〜む。
因みに左から3人目はマイケル・ジャクスンではない。(笑)
SEE THE MEN WHO MAKE MUSIC HISTORY.
久方ぶりに10インチのレコードを収納しているダンボール箱(笑)を開くと、日本のバンドやミュージシャンが
結構10インチ盤を出しているので驚いた。ハイロウズ、ゆらゆら帝国、ミッシェル・ガン・エレファント、UA、
BONNIE PINK、オリジナル・ラヴ、トライセラトップス、AJICO、ピチカート・ファイヴと、90年代に
よくもこれだけの10インチが出たものだ。
コーネリアスとカジヒデキのカップリングの10インチなんて持ってたっけ?と、不思議に思いながら中身を
取り出すと、ハート型マヨネーズ・カラー・ヴィニールだったのだが、何でこれを持っているのだろう。(笑)
更に昔だと「招き猫カゲキ団」なんてのもありました。ついでに、収まりが悪かったために10インチ収納
ダンボールの中に突っ込んでいたのであろう、「すきすきスウィッチ」のソノシート5枚組が出てきたのだが、
私は一体何を聴きたかったのだろう。(笑)
04年にリリースされたルースターズの大箱「VIRUS SECURITY」をタワー・レコードで購入すると
特典で4曲収録の10インチが貰えた。黒の穴あきスリーヴに入れられていたそれはジャケットが無いのが
残念であったが、選曲が洒落ていた。
A面が『SITTING ON THE FENCE』『CASE OF INSANITY』、B面が『VENUS』『再現出来ないジグソウ・パズル』。
(S)の時代と(Z)の時代を上手く両面に分けた素敵な10インチだと今でも思う。
さて、大した物は見つからなかったのだが、賑やかしに10インチ・ブートレグの画像でも。

ストゥージズは青盤、ピンク・フロイドは赤盤でした。(笑)

この2枚は普通の黒いレコード。ジョン・スペンサーはスリックのみの昔ながらのストロング・スタイル(笑)の
ブートレグ。このインサートは赤や黄色等の複数の色があった。
そういえば。BOMP !から出た「JESUS LOVES STOOGES」の4曲入り10インチは3Dジャケで
3Dメガネが入っている。この盤のA面は、針の落とし方によっては最初の溝がループしていつまで経っても
曲が始まらない仕掛けになっている。溝がループして終わらないなんてのは、普通レコードの最後で
演出としてやるものだけど、まさか私の盤だけプレス・ミスなんてことはないよね。(笑)

7インチ好きだが、10インチという何だか面倒くさげなサイズも好きだ。今回のレコード・ストア・デイで
リリースされたブツの中では2枚と1セットの10インチを購入した。
掲載写真左はナックの「LIVE IN LOS ANGELS , 1978」。A面には近日リリースされるライブ盤
「HAVIN' A RAVE-UP !」から2曲、B面には同年録音のリハーサル・テイクを2曲収録。
リア・ジャケットの断り書きにあるように、音質は今の耳で聞けばドンピカとまではいかなくて
サウンドボード・テープのブートレグを聴いているような感じである。
今更ナックのライブ盤にどれだけの需要があるのかと問われれば、う〜むと考えてしまうが
とにかくこの10インチは楽しい。ライブのオープニング曲『LET ME OUT』と『MY SHARONA』の
収録なのだから。おまけにオレンジを基調にした綺麗なカラー・ヴィニールでこれが美味そうな
アイスクリームのようで。(笑)
そういえば、レーザー・ディスクのソフトが世に出始めた時、いち早くナックのライブがLDになったのは
一体何だったのだろう。(笑)
掲載写真右はピート・タウンゼンドの「THE QUADROPHENIA DEMOS 2」。前回のRSDで
登場した10インチの続編。今回の方がジャケットも収録曲も良い。B面に『DOCTOR JIMMY』、
『LOVE REIGN O'ER ME』と2曲並ぶと「重いなあ」と思わせるに十分で、この「重さ」も
ザ・フーの魅力である。
近日、「四重人格」のオリジナル・ミックスのCDがリリースされるようなのだが、きっと買ってしまうのだろうな。

さて、個人的に最高だったのがアップセッターズの「BLACKBOARD JUNGLE DUB」が3枚組10インチ・
ボックスで登場したことだ。オリジナルに忠実といわれる「14 DUB BLACKBOARD JUNGLE」と比すれば
こちらは2曲少ないのだが、長年このジャケットの盤質の悪い再発アナログ盤に慣れ親しんだ身としては
このジャケットというだけで反応してしまうのだ。
しっかりした装丁の箱に、これまた丁寧にプレスされたレコード。片面2曲ずつ収録で何度もひっくり返す
煩わしさが良い。(笑)いや、CDやLPならアルバム片面分或いは全曲を流して聴いてしまうところを、レコードを
ひっくり返しにいったはずなのにもう一度同じ曲、同じ面に針を落としてしまうというのが良いのだ。
次は「RETURN OF THE SUPER APE」のジャマイカ盤仕様の10インチ3枚組でも出たら最高なのだけど。


特に意識していなかったのだが改めて思い起こせば、私の中でのスモール・フェイセスの位置づけというのは
著しく低い。若い頃はストーンズ、フー、キンクスといったバンドの膨大なアルバム群を集めるのに手一杯だった
のは事実。イミディエイトというレーベルの権利の複雑さが生み出した、よくわからないレコードの数々に
翻弄されたために後手にまわったのも事実。それでもヤードバーズはアナログのブートレグや原盤も
探したのだから言い訳はこのあたりにしておくべきだろう。
まあ、正直に書けば。最初に手にしたレコードが、曲が多く収録されているのはいいのだが音質の悪い編集盤で
それに閉口したというのもある。ホワイト・ヴィニールだったのが嬉しかったのだが、その盤は今は手元に無い。
今回のレコード・ストア・デイでは、『ITCYCOO PARK』と『TIN SOLDIER』の2枚の7インチがリリースされた。
レコード・ジャケットの横の写真は、それぞれの7インチに添付されたポスト・カード。実際にこういう「おまけ」を
実用する人はいないだろうが、それでも「おまけ」は嬉しい。(笑)
この2枚はモノラルで、明らかに私が聴いてきたCDとは音の感触が違う。こうなってくると先日発売された
モノとステレオ・バージョンを収録したアルバムのDXエディションが欲しくなってくるから、罪な7インチである。
流石に如何に私がスモール・フェイセスに縁が無かったと言っても、「OGDEN'S NUT GONE FLAKE」くらいは
2回ほど買っているので、件の盤の3枚組を買うか否かは迷うところだが。(笑)
今回のレコード・ストア・デイのT. レックス関連のレコードでは、『TELEGRAM SAM』の
7インチは狙っていたのだが、これはどうやら入手が難しそうである。勿論、金に糸目を
付けなければ何とでもなるが自分の中での適正価格をとっくにオーバーしているので、
今のところ入手の予定は無い。
入手したのは、以前も宣言(笑)したとおり「ELECTRIC SEVENS」と題された4枚組7インチ。
前回のレコード・ストア・デイでデレク&ザ・ドミノスの7インチを入手された方は、あの重さに
笑ってしまっただろうが、この4枚の7インチも重量ディスクで手にした時の重みが心地よい。

最初の3枚のディスクは正規に世に出た『HOT LOVE』『GET IT ON』『JEEPSTER』をA面に配し、
B面には以前当ブログでとりあげた「ELECTRIC WARRIOR DX EDITHION」に収録されたデモや
アウトテイクを収録している。7インチに収録された『GET IT ON』のデモは尺が2分18秒なのだが
これはCDに収録された3分15秒のデモを途中でカットしたもの。
4枚目のディスクは「THE BBC EP」と題され、3曲が収録されている。これらは初登場ではなく
07年に出た3枚組CD「BOLAN AT THE BEEB」で聴くことができる。
つまり。目新しいテイクは何一つ無いのだが、何も問題はありません。(笑)
今の御時世だと、7インチを聴くなんて音楽道楽の極致なのだから、阿呆な好き者の自己満足と
いうことで笑っていただければ幸いだ。
アルバム「ELECTRIC WARRIOR」を6枚の7インチに収録したボックスも欲しいのだが
残念ながら予算が無いのであった。酒の度が過ぎて勢いでもつけばよいのだが・・・・。(笑)
今春のレコード・ストア・デイのブツも、ボチボチ手元に集まってきた。クラッシュの
『LONDON CALLING (2012 MIX)』は、もしかすると入手が難しいかなと思っていたのだが
意外な事に簡単に入手できた。というのも前回のレコード・ストア・デイでリリースされた
『MAGNIFICENT SEVEN』の7インチ赤盤は、適正価格で入手できなかったからだ。
今でもeBayとかを探せばあることはあるが、どうも値段が折り合わなくてまだ未入手。(笑)
今回の7インチは限定盤なので当然実売数はしれているのだが、実のところクラッシュが
バンド存命中にリリースしたシングルで、英国チャートのトップ10に入った曲は1曲もない。
最高位は79年リリースの『LONDON CALLING』の11位。チャートの上位に挙がるのが
優れた曲だとは思っていないが、クラッシュにトップ10ヒットが無いのは意外極まりない。
(後年、再発された『SHOULD I STAY OR SHOULD I GO』は1位になったが。)

クラッシュのシングル盤で好きな曲は多いのだが、『(WHITE MAN) IN THE HAMMERSMITH
PALAIS』は別格だ。それほどテンポが速くなく単純に「ノる」曲ではないが、レゲエのセンスをロックに
昇華した曲として、初めて聴いた時から今に至るまで大好きだ。歌詞にレゲエ・ミュージシャンの名前が
何人も登場するのが楽しいのだが、全体的に歌詞が良い。
逆に微妙なのが『TOMMY GUN』。B面の『1−2 CRUSH ON YOU』の方が好きだというのもあるが
この曲が収録されているアルバム『GIVE'EM ENOUGH ROPE(動乱)』に、ほとんど思い入れが無いと
いうのも微妙な理由か。
シングルとして1曲を抜き出して聴く分には、まだましだが『動乱』のサウンド・プロダクションの拙さには辟易する。
逆に思う人もいるだろうが、硬質な音を塗り固めたような音はハード・ロックには向いているだろうが
クラッシュ向きでは無い。アルバムにはパッとしない曲が多いきらいもあるし。でも『STAY FREE』は、
このアルバム収録なんだよね、と単なるミック・ジョーンズ好きを露見してしまう私である。(笑)

















